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WDR のクラス、ドメイン、関連、およびインジケーション

この章では、以下の図に示す WDR CIM クラス階層を構成するクラス、ドメイン、関連、およびインジケーションについて説明します。

第 4 章は、以下の 5 つの項目について説明します。


WDR CIM クラス階層図

 

 


CIM 接続点クラス

接続点クラスでは、Sun Fire 15K、12K、6800、4810、4800、または 3800 システムの接続点を表す論理要素を提供します。接続点とは、Sun Fire 15K、12K、6800、4810、4800、または 3800 システムの物理的な位置へのインタフェースです。この接続点では、WDR を使用して、Solaris オペレーティング環境が実行されているドメインのシステムボード、CPU、およびメモリーモジュールを構成することができます。接続点は、受容体と占有装置からなります。占有装置を受容体に挿入または受容体から取り外すと、接続点の状態が変更されます。



注 - 接続点についての詳細は、cfgadm(1M) マニュアルページ (Sun Fire モデル全
般) と cfgadm_sbd(1M) マニュアルページ (Sun Fire 15K および 12K 専用) を参照してください。



接続点クラスは、WDR を使用できる Sun Fire 15K、12K、6800、4810、4800、または 3800 システムの物理的な位置を表すという点においては、スロットクラスと同じです (CIM スロットクラスを参照)。しかしスロットクラスでは、論理的な要素についてはシステムボードと入出力ボードのみを表し、CPU、メモリー、および入出力コントローラについては表しません。スロットは、範囲がボードに限定されている接続点の 1 つのタイプといえます。

CIM Solaris_WDRAttachmentPoint クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRAttachmentPoint

説明

コアの構成管理情報を表します。(詳細は、cfgadm(1M) マニュアルページを参照してください。) この情報は、ドメイン上で libcfgadm ライブラリを使用して収集されます。

直系の既知のサブクラス

CIM Solaris_CHCPU クラスCIM Solaris_CHSystemBoard クラスCIM Solaris_CHController クラス、および CIM Solaris_CHMemory クラス

CIM Solaris_WDRAttachmentPoint クラスのプロパティー



注 - 接続点についての詳細は、cfgadm(1M) マニュアルページ (Sun Fire システム全般) と cfgadm_sbd(1M) マニュアルページ (Sun Fire 15K および 12K システム専用) を参照してください。



 

表 4-1 CIM Solaris_WDRAttachmentPoint のプロパティー

プロパティー

データ型

説明

ClassName

string

接続点のクラス。たとえば "sbd" はシステムボードを表します。

Busy

uint32

接続点が、現在状態の切り替え中であるかどうかを示します。

Condition

uint32

接続点の条件。値 : Unknown、OK、Failing、Failed、および Unusable

LogicalID

string

接続点の論理的な識別子。

PhysicalID

string

接続点の物理的な識別子。例 :

/devices/pseudo/dr@0::SB6

DomainID

uint32

この接続点が割り当てられている、または使用可能であるドメイン。Sun Fire 15K システムのドメインには 0 〜 17 の番号が割り当てられます。Sun Fire 12K システムのドメインには 0 〜 8 の番号が割り当てられます。Sun Fire 3800、4800、および 4810 システムのドメインには 0 と 1 の番号が割り当てられます (最大 2 つのドメイン)。Sun Fire 6800 システムのドメインには 0 〜 3 の番号が割り当てられます (最大 4 つのドメイン)。

OccupantState

uint32

接続点の占有装置の状態。値 : None、Configured、および Unconfigured

ReceptacleState

uint32

接続点の受容体の状態。値 : None、Empty、Disconnected、および Connected

Type

string

接続点のタイプ。cpun、pcin、または memn のいずれか (n はコンポーネントの番号)。

MiscInfo

string

ドライバによって設定されるドライバ固有情報。名前と値の組み合わせのリスト。Type プロパティーの値によって決まります。

 

たとえば Type プロパティーが cpun の場合、MiscInfo プロパティーの内容は、プロセッサ ID、プロセッサ速度、および Ecache メモリーサイズ (MB) の情報から生成されます。

StatusTime

datetime

接続点の状態が最後に変更された日付と時刻。次の書式で表されます。

 

yyyymmddhhmmss.mmmmmmsutc

 

各文字は以下を表します。

yyyy は年、

mm は月、

dd は日付、

hh は時間、

mm は分、

ss は秒


CIM Solaris_WDRAttachmentPoint クラスのメソッド

Solaris_WDRAttachmentPoint メソッドには、動作中のドメインへの接続点リソースの追加、このドメインからの接続点リソースの削除、接続点の状態のテストを行うときに使用する 5 つのメソッドがあります。



注 - Solaris_WDRAttachmentPoint クラスのメソッドの詳細については、cfgadm(1M)、cfgadm_sbd(1M)、および rcfgadm(1M) の各マニュアルページを参照してください。



メソッドのリターンコード

すべての Solaris_WDRAttachmentPoint メソッドは、メソッドが正常に実行されたかどうかを示す sint32 値を 1 つ返します。戻り値が 0 (ゼロ) のときは正常に実行されたことを示し、ゼロ以外の値のときは以下のようなエラーが発生したことを示します。

0 = 構成操作は成功しました

1 = 構成操作は取り消されました

2 = 構成管理はサポートされていません

3 = 構成操作はサポートされていません

4 = 特権が不十分です

5 = コンポーネントシステムが使用中のため、再試行してください

6 = システムが使用中のため、再試行してください

7 = データエラーです

8 = ライブラリエラーです

9 = ライブラリが見つかりませんでした

10 = 条件が不十分です

11 = 無効な構成操作です

12 = ハードウェア固有の障害です

13 = 接続点が見つかりませんでした

14 = 指定された属性を持つ接続点が見つかりませんでした



注 - クライアントからのメソッドの呼び出し方法についての詳細は、WBEM SDK の Sun WBEM API Specification を参照してください。これは、/usr/sadm/lib/wbem/doc/index.html にあります。invokeMethod() を使用する前に、表示されている正確な順序で inParams ベクトルをすべての [IN] (入力) パラメタを使って生成し、さらに outParams ベクトルを空の文字列で生成します。invokeMethod() が戻ると、outParams ベクトルには、対応する DR 操作によって生成されたエラー文字列があればその文字列が含まれ、生成されたエラー文字列がない場合は空の文字列が含まれます。



CIM Solaris_WDRAttachmentPoint メソッドの説明

 

表 4-2 CIM Solaris_WDRAttachmentPoint メソッド

名前

説明

Configure

Solaris ドメインへの接続点を構成します。

 

パラメタ :

  • boolean -- force [IN] 強制的に Configure 操作を行います。行わない場合は、接続点の条件、またはその他のハードウェアに依存した事項によって、失敗する場合があります。ハードウェア特有の安全性および完全性のチェックを行うと、force オプションを実行しても何も処理されません。
  • string -- hardwareOpts [IN] 指定したオプションは cfgadm というハードウェア特有のプラグインに渡されます。現在 WDR は cfgadm_sbd プラグインと間接的に接続して機能します。-o nopoweroff を指定すると、disconnect 機能によりボードの電源が投入されたままになります。-o unassign を指定すると、disconnect 機能によりドメインからボードの割り当てが解除されます。

ドメインからボードの割り当てを解除すると、そのボードを別のドメインに割り当てることができます。ただし、ボードを別のドメインに割り当てた場合、割り当て解除されたドメインではそのボードを使用できません。

  • uint32 -- retries [IN] ドメインで、動的再構成 (DR) 要求が再試行される回数を指定します。デフォルトはゼロです。
  • uint32 -- retryDelay [IN] 再試行を行う際の時間間隔 (秒) を指定します。このオプションは単独では使用できず、必ず -r retry_count オプションとともに指定します。デフォルト値は 0 で、これは DR 要求がすぐに再試行されることを意味します。
  • string -- error [OUT] 対応する DR コマンドによって返されたエラー文字列があれば、この文字列が含まれます。DR コマンドによって何もエラー文字列が返されない場合は、空の文字列が含まれます。

Unconfigure

現在接続点が構成されている Solaris ドメインから、接続点のリソースを削除します。

 

このメソッドで使用されるパラメタは、上記の Configure メソッドのパラメタと同じです。

Connect

受容体の状態を接続状態に変更します。

 

このメソッドで使用されるパラメタは、上記の Configure メソッドのパラメタと同じです。

Disconnect

受容体に装着されている占有装置との間の正常な通信を使用不可にします。

 

このメソッドで使用されるパラメタは、上記の Configure メソッドのパラメタと同じです。

Test

ボードのテストが完了していても、POST を使用したボードのテストを明示的に要求します。

 

注: Connect メソッドを呼び出すと POST を使用してボードのテストが行われるため、Test メソッドを呼び出す必要はありません。

 

パラメタ :

  • boolean -- verbose [IN] DR コマンド出力はクライアントでは使用できないため、このメソッドの機能にはほとんど影響しません。
  • string -- hardwareOpts [IN] 上記の Configure メソッドで説明した hardwareOpts パラメタと同様に使用します。
  • string -- error [OUT] 上記の Configure メソッドで説明した error パラメタと同様に使用します。

CIM Solaris_CHSystemBoard クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRAttachmentPoint

|

+--Solaris_CHSystemBoard

説明

Dynamic Reconfiguration モデル 2.0 の機能をサポートしている UltraSPARC-III 世代のシステムボードをモデル化する論理要素を表します。

WDR CIM クラス階層図に示すように、CIM Solaris_CHSystemBoard クラスは、Solaris_CHMemory、Solaris_CHController、Solaris_WDRSlot、および Solaris_CHCPU の各 CIM クラスと関連関係があります。

直系の既知のサブクラス

なし

CIM Solaris_CHSystemBoard クラスのプロパティー

表 4-3 CIM Solaris_CHSystemBoard のプロパティー

名前

データ型

説明

Assigned

boolean

ボードが Solaris ドメインに割り当てられていることを示します。

PoweredOn

boolean

ボードの電源が入っていることを示します。


CIM Solaris_CHSystemBoard クラスのメソッド

Solaris_CHSystemBoard メソッドには、システムボードの電源投入と電源切断、現在動作しているドメインへのボードの割り当てとそのドメインからの割り当ての解除に使用する 4 つのメソッドがあります。



注 - Solaris_CHSystemBoard クラスのメソッドについての詳細は、cfgadm(1M)、cfgadm_sbd(1M)、および rcfgadm(1M) の各マニュアルページを参照してください。



メソッドのリターンコード

すべての Solaris_CHSystemBoard メソッドは、メソッドが正常に実行されたかどうかを示す sint32 値を 1 つ返します。戻り値が 0 (ゼロ) のときは正常に実行されたことを示し、ゼロ以外の値のときは以下のようなエラーが発生したことを示します。

0 = 構成操作は成功しました

1 = 構成操作は取り消されました

2 = 構成管理はサポートされていません

3 = 構成操作はサポートされていません

4 = 特権が不十分です

5 = コンポーネントシステムが使用中のため、再試行してください

6 = システムが使用中のため、再試行してください

7 = データエラーです

8 = ライブラリエラーです

9 = ライブラリが見つかりませんでした

10 = 条件が不十分です

11 = 無効な構成操作です

12 = ハードウェア固有の障害です

13 = 接続点が見つかりませんでした

14 = 指定された属性を持つ接続点が見つかりませんでした



注 - クライアントからのメソッドの呼び出し方法についての詳細は、WBEM SDK の Sun WBEM API Specification を参照してください。これは、/usr/sadm/lib/wbem/doc/index.html にあります。invokeMethod() を使用する前に、表示されている正確な順序で inParams ベクトルをすべての [IN] (入力) パラメタを使って生成し、さらに outParams ベクトルを空の文字列で生成します。invokeMethod() が戻ると、outParams ベクトルには、対応する DR 操作によって生成されたエラー文字列があればその文字列が含まれ、生成されたエラー文字列がない場合は空の文字列が含まれます。



CIM Solaris_CH_SystemBoard メソッドの説明

 

表 4-4 CIM Solaris_CH_SystemBoard メソッド

名前

説明

Assign

指定された Solaris ドメインにボードを割り当てます。

 

パラメタ :

  • boolean -- force [IN] 強制的に Assign 操作を行います。行わない場合は、接続点の条件、またはその他のハードウェアに依存した事項によって、失敗する場合があります。ハードウェア特有の安全性および完全性のチェックを行うと、force オプションを実行しても何も処理されません。
  • string -- hardwareOpts [IN] 指定したオプションは cfgadm というハードウェア特有のプラグインに渡されます。現在 WDR は cfgadm_sbd プラグインと間接的に接続して機能します。

ドメインからボードの割り当てを解除すると、そのボードを別のドメインに割り当てることができます。ただし、ボードを別のドメインに割り当てた場合、割り当て解除されたドメインではそのボードを使用できません。

  • string -- error [OUT] 対応する DR コマンドによって返されたエラー文字列があれば、この文字列が含まれます。DR コマンドによって何もエラー文字列が返されない場合は、空の文字列が含まれます。

PowerOn

ボードの電源を投入します。

 

パラメタ :

このメソッドで使用されるパラメタは、上記の Assign メソッドのパラメタと同じです。

PowerOff

ボードの電源を切断します。

 

パラメタ :

このメソッドで使用されるパラメタは、上記の Assign メソッドのパラメタと同じです。

Unassign

現在割り当てられているドメインから、ボードの割り当てを解除します。

 

パラメタ :

このメソッドで使用されるパラメタは、上記の Assign メソッドのパラメタと同じです。


CIM Solaris_CHCPU クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRAttachmentPoint

|

+--Solaris_CHCPU

説明

システムボード上のプロセッサを表す論理要素。UltraSPARC-III 世代のシステムボード上では、1 つのシステムボードに 4 個のプロセッサを搭載可能です。プロセッサは物理的にシステムボード上の CPU ソケットに取り付けられており、しかも構成および構成解除などの DR 操作を接続点で実行できることから、CIM Solaris_CHCPU クラスは CIM Solaris_WDRAttachmentPoint クラスから派生しています。

WDR CIM クラス階層図に示すように、CIM Solaris_CHCPU クラスは CIM Solaris_CHSystemBoard クラスと集約関係があります。

直系の既知のサブクラス

なし

CIM Solaris_CHCPU クラスのプロパティー

表 4-5 Solaris_CHCPU のプロパティー

名前

データ型

説明

ID

uint32

プロセッサの一意の識別子。

Speed

uint32

プロセッサのクロック数 (MHz)。

ECache

uint32

ECache メモリーのサイズ (MB)。


CIM Solaris_CHCPU クラスのメソッド

なし

CIM Solaris_CHMemory クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRAttachmentPoint

|

+--Solaris_CHMemory

説明

システムボードのメモリー情報を表す論理要素。Solaris_CHSystemBoard と Solaris_CHMemory の CIM クラスのインスタンスには一対一の関係があります。さらに、メモリーはシステムボード上の接続点であることから、CIM Solaris_CHMemory クラスは CIM Solaris_WDRAttachmentPoint クラスから派生しています。

直系の既知のサブクラス

なし

CIM Solaris_CHMemory のプロパティー

表 4-6 CIM Solaris_CHMemory のプロパティー

名前

データ型

説明

Deleted

uint32

メモリードレインの実行中、Deleted プロパティーはすでに削除されたメモリー全部を格納します。それ以外の場合は、Deleted プロパティーは NULL です。

Interleaved

boolean

ボードが他のボードとのインタリーブに加わっている場合は True です。

Permanent

uint32

ページング不可のメモリーページ数を、ボードのメモリーに格納します (KB)。

PhysicalAddress

uint64

ボード上のメモリーの基底物理アドレス。

Remaining

uint32

メモリードレインの実行中に、Remaining プロパティーは、ドレインする必要がある残りのメモリー量を格納します (MB)。それ以外の場合は、Remaining プロパティーは NULL です。

Size

uint32

ボード上のメモリーの容量 (MB)。

Source

string

コピー & 名前変更のソースである接続点の名前。コピー & 名前変更操作が行われていない場合は、Source プロパティーは NULL です。

Target

string

コピー & 名前変更の対象である接続点の名前。コピー & 名前変更操作が行われていない場合は、Target プロパティーは NULL です。

Unconfigurable

boolean

このメモリーの構成解除を許可しないようにオペレーティングシステムが構成されている場合は True です。


CIM Solaris_CHMemory クラスのメソッド

なし

CIM Solaris_CHController クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRAttachmentPoint

|

+--Solaris_CHController

説明

入出力ボード上で入出力コントローラの接続点をモデル化する論理 CIM 要素。

直系の既知のサブクラス

なし

CIM Solaris_CHController クラスのプロパティー

表 4-7 Solaris_CHController のプロパティー

名前

データ型

説明

Device

string

/devices パスの入出力コンポーネントの物理パス。

Referenced

boolean

入出力コンポーネントが参照されている場合は True です。


CIM Solaris_CHController クラスのメソッド

なし


CIM スロットクラス

CIM スロットクラスは、Sun Fire 15K、12K、3800、4800、4810、および 6800 システム上のシステムボードスロットをモデル化します。スロットにボードが装着されていてもいなくても構いません。接続点と同様に、スロットをドメインに割り当てたり、割り当て解除することができます。ただし、接続点と異なるのは、スロットはいずれのドメインからも独立して存在することができ、常に存在する点です。



注 - 名前に "XC" が含まれているクラスは、Sun Firetrademark 15K および 12K システム用です。名前に "SG" が含まれているクラスは、Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システム用です。



CIM Solaris_WDRSlot クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRSlot

抽象的な CIM Solaris_WDRSlot クラスは、プラットフォームに依存しないスロットをモデル化します。

説明

Sun Fire 15K、12K、6800、4810、4800、または 3800 シャーシのスロットをモデル化する論理 CIM 要素にスーパークラスを提供する論理 CIM 要素。スロットには、システムボードと入出力ボードのどちらも装着できます。

WDR CIM クラス階層図に示すように、CIM Solaris_WDRSlot クラスは、Solaris_CHSystemBoard および Solaris_WDRDomain の各 CIM クラスと関連関係があります。

直系の既知のサブクラス

CIM Solaris_XCSlot クラスおよび CIM Solaris_SGSlot クラス

CIM Solaris_WDRSlot のプロパティー

表 4-8 CIM Solaris_WDRSlot のプロパティー

名前

データ型

説明

LogicalID

string

スロットの論理名。

 

Sun Fire 15K システムには 18 個の拡張スロットがあり、その各スロットにシステムボードと入出力ボードをそれぞれ 1 つ装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB17 と表記され、入出力ボードのスロットは IO0、IO1、... IO17 と表記されます。

 

Sun Fire 12K システムには 9 個の拡張スロットがあり、その各スロットにシステムボードと入出力ボードをそれぞれ 1 つ装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB8 と表記され、入出力ボードのスロットは IO0、IO1、... IO8 と表記されます。

 

Sun Fire 6800、4810、4800、または 3800 システムには、最大 6 個のシステムボードと最大 4 個の入出力ボードを装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB5 と表記され、入出力ボードのスロットは IB6、IB7、IB8、および IB9 と表記されます。

Empty

boolean

このスロットにボードが装着されているかどうかを示します。値が NULL の場合は、スロットの状態が不明であることを示します。

 

Empty プロパティーが True の場合には、サブクラス CIM Solaris_XCSlot クラスおよび CIM Solaris_SGSlot クラスのプロパティーである、AssignmentState、BoardType、PowerState、および TestState は NULL です。


CIM Solaris_WDRSlot のメソッド

Solaris_WDRSlot メソッドには、スロットの割り当てと割り当て解除に使用する 2 つのメソッドがあります。

メソッドのリターンコード

Sun Fire 15K と 12K システムでは、すべての Solaris_WDRSlot メソッドは、メソッドが正常に実行されたかどうかを示す sint32 値を 1 つ返します。戻り値が 0 (ゼロ) のときは正常に実行されたことを示し、ゼロ以外の値のときは以下のようなエラーが発生したことを示します。

0 = 構成操作は成功しました

1 = 構成操作は取り消されました

2 = 構成管理はサポートされていません

3 = 構成操作はサポートされていません

4 = 特権が不十分です

5 = コンポーネントシステムが使用中のため、再試行してください

6 = システムが使用中のため、再試行してください

7 = データエラーです

8 = ライブラリエラーです

9 = ライブラリが見つかりませんでした

10 = 条件が不十分です

11 = 無効な構成操作です

12 = ハードウェア固有の障害です

13 = 接続点が見つかりませんでした

14 = 指定された属性を持つ接続点が見つかりませんでした



注 - クライアントからのメソッドの呼び出し方法についての詳細は、WBEM SDK の Sun WBEM API Specification を参照してください。これは、/usr/sadm/lib/wbem/doc/index.html にあります。invokeMethod() を使用する前に、表示されている正確な順序で inParams ベクトルをすべての [IN] (入力) パラメタを使って生成し、さらに outParams ベクトルを空の文字列で生成します。invokeMethod() が戻ると、outParams ベクトルには、対応する DR 操作によって生成されたエラー文字列があればその文字列が含まれ、生成されたエラー文字列がない場合は空の文字列が含まれます。



CIM_SolarisWDRSlot メソッドの説明

 

表 4-9 CIM Solaris_WDRSlot メソッド

名前

説明

Assign

指定されたドメインにスロットを割り当てます。

 

パラメタ :

  • uint32 -- domainID [IN] このスロットに割り当てるドメインを指定します。Sun Fire 15K/12K サーバーでは、18 個までのドメインを構成することができます。Sun Fire 3800、4800、4810 システムでは、1 つまたは 2 つのドメインを構成できます。Sun Fire 6800 システムでは、1 〜 4 個のドメインを構成できます。
  • string -- error [OUT] 対応する DR 操作によって返されたエラー文字列があれば、この文字列が含まれます。DR 操作によって何もエラー文字列が返されない場合は、空の文字列が含まれます。

Unassign

ドメインからボードの割り当てを解除します。ドメインでスロットに装着されているボードは、アクティブな (接続または構成されている) 状態ではありません。

 

パラメタ :

このメソッドで使用されるパラメタは、上記の Assign メソッドのパラメタと同じです。


CIM Solaris_XCSlot クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRSlot

|

+--Solaris_XCSlot

説明

Sun Fire 15K または 12K システム上のスロットをモデル化する論理 CIM 要素。スロットには、システムボードと入出力ボードのどちらも装着できます。

Sun Fire 15K システムには 18 個の拡張スロットがあり、その各スロットにシステムボードと入出力ボードをそれぞれ 1 つ装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB17 と表記され、入出力ボードのスロットは IO0 (ゼロ)、IO1、... IO17 と表記されます。

Sun Fire 12K システムには 9 個の拡張スロットがあり、その各スロットにシステムボードと入出力ボードをそれぞれ 1 つ装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB8 と表記され、入出力ボードのスロットは IO0 (ゼロ)、IO1、... IO8 と表記されます。

直系の既知のサブクラス

なし

CIM Solaris_XCSlot のプロパティー

表 4-10 CIM Solaris_XCSlot のプロパティー

名前

データ型

説明

AssignedDomain

sint32

このスロットの AssignmentState プロパティーの値が Assigned の場合に、このスロットが割り当てられているドメイン。数値 -1 〜 18 が ValueMap の None、A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、N、P、Q、および R を表します。

AssignmentState

uint32

現在スロットに割り当てられている状態。値 0 〜 3 が ValueMap の Unknown、Free、Assigned、および Active を表します。

 

Empty プロパティー (Solaris_WDRSlot クラスから継承される) が True の場合は、常に NULL です。

BoardType

uint32

スロットに装着されているボードのタイプ (既知の場合)。値 0 〜 8 が ValueMap の CPU、WIB、HPCI、CPCI、MCPU、WPCI、SPCI、HPCIX、および Unknown を表します。注 : Unknown は Empty と同じではありません。

 

Empty プロパティー (Solaris_WDRSlot クラスから継承される) が True の場合は、常に NULL です。

PowerState

uint32

ボードの電源状態。値 0 〜 3 が ValueMap の Off、On、Unknown、または Minimal を表します。

 

Empty プロパティー (Solaris_WDRSlot クラスから継承される) が True の場合は、常に NULL です。

TestState

uint32

ボードのテスト状態。値 0 〜 4 が ValueMap の Unknown、iPOST、Passed、Degraded、または Failed を表します。

 

Empty プロパティー (Solaris_WDRSlot クラスから継承される) が True の場合は、常に NULL です。


CIM Solaris_XCSlot のメソッド

なし

CIM Solaris_SGSlot クラス

クラス階層での位置

CIM_LogicalElement

|

+--Solaris_WDRSlot

|

+--Solaris_SGSlot

説明

Sun Fire 6800、4810、4800、または 3800 システム上のスロットをモデル化する論理 CIM 要素。



注 - Sun Fire 6800、4810、4800、または 3800 システムには、最大 6 個のシステムボードと最大 4 個の入出力ボードを装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB5 と表記され、入出力ボードのスロットは IB6、IB7、IB8、および IB9 と表記されます。



直系の既知のサブクラス

なし

CIM Solaris_SGSlot のプロパティー

表 4-11 CIM Solaris_SGSlot のプロパティー

名前

データ型

説明

AssignedDomain

sint32

このスロットの AssignmentState プロパティーの値が Assigned の場合に、このスロットが割り当てられているドメイン。値 1 〜 5 が ValueMap の以下の項目を表します。

  • None
  • A
  • B
  • C
  • D

AssignmentState

uint32

現在スロットに割り当てられている状態。値 1 〜 4 が ValueMap の以下の項目を表します。

  • Unknown
  • Free
  • Assigned
  • Active

BoardType

uint32

スロットに装着されているボードのタイプ (既知の場合)。値 1 〜 11 が ValueMap の以下の項目を表します。

  • Unknown
  • Empty
  • CPU
  • IO
  • CPUWIB
  • IOWIB
  • SC
  • L2
  • Fan
  • Power Supply
  • Logic Analyzer

PowerState

uint32

ボードの電源状態。値 1 〜 4 が ValueMap の以下の項目を表します。

  • Unknown
  • On
  • Off
  • Failed

TestState

uint32

ボードのテスト状態。値 1 〜 8 が ValueMap の以下の項目を表します。

  • Unknown
  • Not Tested
  • Passed
  • Failed
  • Under Test
  • Start Test
  • Degraded
  • Unusable

CIM Solaris_SGSlot のメソッド

なし


CIM Solaris_WDRDomain クラス

CIM Solaris ドメインクラスは、Solaris オペレーティング環境が実行されている Sun Fire システム上のドメインを表します。

CIM Solaris_WDRDomain クラス

クラス階層での位置

CIM_CollectionOfMSEs

|

+--Solaris_WDRDomain

説明

CIM Solaris_WDRDomain クラスは、すべての Sun Fire システム (15K、12K、6800、4810、4800、および 3800 システム) 上のドメイン情報を表す抽象スーパークラスです。

WDR CIM クラス階層図に示すように、CIM Solaris_WDRDomain クラスは、Solaris_WDRSlot クラスと関連関係があり、Solaris_WDRAttachmentPoint クラスと集約関係があります。

直系の既知の CIM サブクラス

CIM Solaris_SGDomain クラスおよび CIM Solaris_XCDomain クラス



注 - 名前に "XC" が含まれている CIM ドメインクラスは、Sun Firetrademark 15K および 12K システム用です。名前に "SG" が含まれている CIM ドメインクラスは、Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システム用です。



CIM Solaris_WDRDomain クラスのプロパティー

表 4-12 CIM Solaris_WDRDomain のプロパティー

名前

データ型

説明

Id

uint32

ドメインを一意に特定します。


CIM Solaris_XCDomain クラス

クラス階層での位置

CIM_CollectionOfMSEs

|

+--Solaris_WDRDomain

|

+--Solaris_XCDomain

説明

CIM Solaris_XCDomain クラスは CIM Solaris_WDRDomain クラスのサブクラスで、Sun Fire 15K および 12K システムのドメイン情報を表します。このクラスには、Sun Fire 15K および 12K システムに固有の情報が含まれている CIM プロパティーがいくつかあります。

直系の既知の CIM サブクラス

なし

CIM Solaris_XCDomain クラスのプロパティー

表 4-13 CIM Solaris_XCDomain のプロパティー

名前

データ型

説明

ActiveEthernetBoard

string

内部システムコントローラ (SC) ネットワークでアクティブな Ethernet 接続をホストしている入出力ボード。

AdminGroup

string

ドメイン管理者グループに割り当てられている UNIX グループ名。

BoardRelationship[]

sint32

ドメイン内のボードの状態を示す値の配列 (各ボードについて 1 つの値)。配列の BitMap の個々の位置が 1 つのボードの状態を表し、ValueMap の個々の数値が以下の値のいずれかを表します。

  • Not Available
  • Available
  • Assigned
  • Active

 

配列の BitMap の 1 〜 18 の数値が、各システムボード (SB0 〜 SB17) の状態を表します。配列の BitMap の 19 〜 18 の数値が、各入出力ボード (IO0 〜 IO17) の状態を表します。

KeyswitchPosition

uint32

ドメインの状態を示します。0 〜 5 の値が、ドメインの状態を示す ValueMap の項目を表します。

  • On
  • Standby
  • Off
  • Diag
  • Secure
  • Unknown

ReconfigGroup

string

ドメイン再構成の役割に割り当てられている UNIX グループ名。

State

uint32

ドメインの現在の状態。ValueMap の 0 〜 36 の各値が以下の値のいずれかを表し、ドメインの現在の状態を示します。

  • Unknown
  • Powered Off
  • Keyswitch Standby
  • Running Domain POST
  • Running Board POST
  • Layout OBP
  • Loading OBP
  • OBP Booting
  • OBP Running
  • OBP Callback
  • OBP Loading Solaris
  • OBP Booting Solaris
  • OBP Domain Exited
  • OBP Failed
  • OBP in Sync Callback
  • OBP Exited
  • OBP Error Reset
  • OBP Domain Halt
  • OBP Environmental Domain Halt
  • OBP Booting Solaris Failed
  • OBP Loading Solaris Failed
  • OBP Debug
  • OS Running Solaris
  • OS Quiesce in Progress
  • OS Quiesced
  • OS Resume in Progress
  • OS Panic
  • OS Panic Debug
  • OS Panic Continue
  • OS Panic Dump
  • OS Halt
  • OS Panic Exit
  • OS Environmental Exit
  • OS Debug
  • OS Exit
  • Domain Down
  • Domain In Recovery

CIM Solaris_SGDomain クラス

クラス階層での位置

CIM_CollectionOfMSEs

|

+--Solaris_WDRDomain

|

+--Solaris_SGDomain

説明

CIM Solaris_SGDomain クラスは CIM Solaris_WDRDomain クラスのサブクラスで、Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムのドメイン情報を表します。このクラスには、Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムに固有の情報が含まれている CIM プロパティーがいくつかあります。

直系の既知の CIM サブクラス

なし

CIM Solaris_SGDomain クラスのプロパティー

表 4-14 CIM Solaris_SGDomain のプロパティー

名前

データ型

説明

BoardRelationship[]

sint32

ドメイン内のボードの状態を示す値の配列 (各ボードについて 1 つの値)。配列 BitMap の各位置の ValueMap 項目 0 〜 4 が、以下のボード状態の値を表します。

  • Nonexistent Slot
  • Not Available
  • Available
  • Assigned
  • Active

 

Sun Fire 6800 では、BitMap 値 1 〜 10 ですべてのボードを表します。BitMap 値 1 〜 6 がシステムボード 0 〜 5 (SB0 〜 SB5) に対応します。BitMap 値 7 〜 10 が入出力ボード (IB6 〜 IB9) に対応します。

 

Sun Fire 3800、4800、および 4810 システムでは、CPU ボード用に 3 個、入出力ボード用に 2 個、合計 5 個のスロットのみ使用できます。したがって、BitMap 値 4、5、および 6 (SB3、SB4、および SB5 用) と、BitMap 値 9 と 10 (IB8 と IB9 用) は常に 0 (Nonexistent Slot) です。

KeyswitchPosition

uint32

ドメインの状態を示します。値 1 〜 16 が ValueMap の以下の項目を表します。

  • Unknown
  • Off
  • Standby
  • On
  • Diag
  • Secure
  • Off To Standby
  • Off To On
  • Off To Diag
  • Off To Secure
  • Standby To Off
  • Active To Off
  • Active To Standby
  • Reboot To On
  • Reboot To Diag
  • Reboot To Secure

State

uint32

ドメインの現在の状態。ValueMap 項目 1 〜 14 が以下の値を表します。

  • Unknown
  • Running POST
  • Standby
  • Active
  • Powered Off
  • Domain Idle
  • Running OBP
  • Booting
  • Running Solaris
  • Halted
  • Reset
  • Panic
  • Debugger
  • Hang Detected


WDR スキーマ の関連と集約

CIM 関連クラスは、1 つの WDR クラスまたはインスタンスを、別のクラスやインスタンスに関連付ける特別なクラスです。関連は、一対一の関係であることも、集約であることもあります。

WDR の集約は、1 つのWDR クラスまたはインスタンスを多数のクラスやインスタンスに関連付けます。

CIM Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約

説明

接続点がドメインで使用可能である (ドメインの使用可能構成要素リストに表示される) か、ドメインに割り当てられている場合に、ドメインは接続点を持っているといいます。動作中のドメインだけが接続点を持つことができます。

Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約は、Solaris_WDRDomain クラスのサブインスタンスを、ドメインで使用可能であるか、またはドメインに割り当てられている Solaris_WDRAttachmentPoint クラスのサブインスタンスに関連付けます。

Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約は、ドメインが 1 つまたは複数の接続点で構成されているコンポジション関連です。 Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約の親は、Solaris_WDRDomain クラスのサブインスタンスです。Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約の子は、Solaris_WDRAttachmentPoint クラスのサブインスタンスです。Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約は、1 つのドメインで複数の接続点が使用できる、または割り当てられている一対多の関係です。

CIM Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約のプロパティー

表 4-15 CIM Solaris_DomainHasAttachmentPoints 集約のプロパティー

名前

データ型

説明

Collection

REF Solaris_WDRDomain

集約関係にある親を参照します。

Member

REF Solaris_WDRAttachmentPoint

集約関係にある子を参照します。


CIM Solaris_DomainHasSlots 集約

説明

ゼロ個以上のスロットが装備されているドメインの 1 つの特性。システムボードが装着されているかどうかに関わらず、スロットをドメインに割り当てることができます。その結果、Solaris_DomainHasSlots 集約は、CIM Solaris_WDRDomain と CIM Solaris_WDRSlot クラス間のバインドを関連付けます。

Solaris_DomainHasSlots 集約は、ドメインが 1 つまたは複数のスロットで構成されているコンポジション関連です。

Solaris_DomainHasSlots 集約では、親は Solaris_XCDomain クラスのインスタンスで、子は Solaris_WDRSlot クラスのインスタンスです。Solaris_DomainHasSlots 集約は、複数のスロットを 1 つのドメインに割り当てることができる一対多の関係です。ただし、1 つのスロットを一度に複数のドメインに存在させることはできません。

CIM Solaris_DomainHasSlots 集約のプロパティー

表 4-16 CIM Solaris_DomainHasSlots 集約のプロパティー

名前

データ型

説明

Collection

REF Solaris_WDRDomain

集約関係にある親を参照します。

Member

REF Solaris_WDRSlot

集約関係にある子を参照します。


Solaris_SlotHasSystemBoard 関連

説明

スロットがドメインに割り当てられているかどうかに関わらず、ボードを装着できるスロット。CIM Solaris_SlotHasSystemBoard 関連は、CIM Solaris_WDRSlot クラスのインスタンスを、スロットに装着するボードに対応する CIM Solaris_SystemBoard クラスのインスタンスに関連付けます。

CIM Solaris_SlotHasSystemBoard はコンポジション関連であり、ゼロ個以上の CIM Solaris_SystemBoard クラスのインスタンスから構成される CIM Solaris_WDRSlot クラスのインスタンスです。

CIM Solaris_SlotHasSystemBoard 関連のプロパティー

表 4-17 CIM Solaris_SlotHasSystemBoard 関連のプロパティー

名前

データ型

説明

Antecedent

REF Solaris_WDRSlot

関連関係にある親を参照します。

Dependent

REF Solaris_CHSystemBoard

関連関係にある子を参照します。


 

Solaris_SystemBoardHasProcessors 集約

説明

システムボードは、プロセッサ、メモリーモジュール、および入出力モジュールが搭載されている大規模回路基板です。CIM Solaris_SystemBoardHasProcessors 集約は、Solaris_CHSystemBoard クラスのインスタンスと Solaris_CHCPU クラスのインスタンス間の関係を表し、システムボードを、そのボードに搭載されているプロセッサに関連付けます。

集約は、ボードにゼロ個から 4 個までのプロセッサを搭載できる一対多の関係です。

CIM Solaris_SystemBoardHasProcessors 集約のプロパティー

表 4-18 CIM Solaris_SystemBoardHasProcessors 集約のプロパティー

名前

データ型

説明

GroupComponent

REF Solaris_CHSystemBoard

集約関係にある親を参照します。

PartComponent

REF Solaris_CHCPU

集約関係にある子を参照します。


Solaris_SystemBoardHasMemory 集約

説明

システムボードは、プロセッサ、メモリーモジュール、および入出力モジュールが搭載されている大規模回路基板です。CIM Solaris_SystemBoardHasMemory 集約は、Solaris_CHSystemBoard クラスのインスタンスと Solaris_CHMemory クラスのインスタンスを関連付けて、システムボードと、そのボードに搭載されているメモリーを関連付けます。

Solaris_CHMemory クラスは、システムボード上のメモリーに関する情報の集まりです。特定のシステムボードでは、Solaris_CHMemory クラスの 1 つのインスタンスについて上限があります。

CIM Solaris_SystemBoardHasMemory 集約のプロパティー

表 4-19 CIM Solaris_SystemBoardHasMemory 集約のプロパティー

名前

データ型

説明

GroupComponent

REF Solaris_CHSystemBoard

集約関係にある親を参照します。

PartComponent

REF Solaris_CHMemory

集約関係にある子を参照します。


Solaris_SystemBoardHasControllers 集約

説明

システムボードには、プロセッサとメモリーモジュールだけでなく、ディスク、ネットワークコントローラなどの入出力モジュールも搭載できます。CIM Solaris_SystemBoardHasControllers 集約は、システムボードを、そのボードに装備されているコントローラに関連付けます。

Solaris_SystemBoardHasControllers 集約は、1 つのシステムボードに複数の入出力デバイスを搭載できる一対多の関係です。

CIM Solaris_SystemBoardHasControllers 集約のプロパティー

表 4-20 CIM Solaris_SystemBoardHasControllers 集約のプロパティー

名前

データ型

説明

GroupComponent

REF Solaris_CHSystemBoard

集約関係にある親を参照します。

PartComponent

REF Solaris_CHController

集約関係にある子を参照します。



CIM プロセスインジケーションクラス

CIM プロセスインジケーションは、CIM_Processindication クラスのサブクラスです。CIM プロセスインジケーションは、Sun Fire 15K、12K、6800、4810、4800、および 3800 システム上でのイベント通知をクライアントアプリケーションに転送するときに WDR が使用します。プロセスインジケーションについては、第 3 章「プロセスインジケーションの使用」で詳細に説明しています。

Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システム上でのプロセスインジケーションは、システムコントローラ (SC) から受信した SNMP トラップの中から選ばれて生成されます。

Sun Fire 15K および 12K システム上でのプロセスインジケーションは、Sun Fire 15K および Sun Fire 12K SC 上で、システムイベント機能である sysevent によって生成されたイベントの中から選ばれて生成されます。



注 - 名前に "XC" が含まれているプロセスインジケーションクラスは、Sun Firetrademark 15K および 12K システム用です。名前に "SG" が含まれているクラスは、Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システム用です。




WDR インジケーションクラス階層図

 

 

Solaris_WDRIndication クラス

Solaris_WDRIndication クラスは、すべての Sun Fire システム上で、すべてのプロセスインジケーションクラスがここから派生する抽象クラスです。Solaris_WDRIndication クラスでは、その基底クラスに何もプロパティーを追加しません。

Solaris_SGBoardPresenceChange インジケーション

説明

このプロセスインジケーションは Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムで使用され、CPU や入出力ボードがスロットに装着または取り外されたことをクライアントに通知します。

Solaris_SGBoardPresenceChange のプロパティー

表 4-21 Solaris_SGBoardPresenceChange のプロパティー

名前

データ型

説明

LogicalID

string

スロットの論理名。Sun Fire 6800、4810、4800、または 3800 システムには、最大 6 個のシステムボードと最大 4 個の入出力ボードを装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB5 と表記され、入出力ボードのスロットは IB6、IB7、IB8、および IB9 と表記されます。

ChassisSerialNumber

string

シャーシのシリアル番号は 8 けたの 16 進数文字列です (たとえば 10483D99)。

BoardType

uint32

スロットが空でない場合に、スロットに装着されているボードのタイプ。値 : Unknown、Empty、CPU、IO、CPUWIB、IOWIB、SC、L2、Fan、Power Supply、または Logic Analyzer。現在は、タイプ CPU および IO のボードのみが通知されます。


Solaris_SGDomainACLChange インジケーション

説明

このプロセスインジケーションは Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムで使用され、使用可能構成要素リストが変更されたことをクライアントに通知します。

Solaris_SGDomainACLChange のプロパティー

表 4-22 Solaris_SGDomainACLChange のプロパティー

名前

データ型

説明

DomainID

uint32

ボードが割り当てられていた、またはボードが割り当て解除されたドメイン。値 : A、B、C、または D。

AvailableBoards[]

boolean

DomainID プロパティーで特定されるドメインで使用可能なスロットのリスト。値 : SB0、SB1、SB2、SB3、SB4、SB5、IB6、IB7、IB8、および IB9。


Solaris_SGDomainStateChange インジケーション

説明

このプロセスインジケーションは Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムで使用され、ドメインの開始と停止、ドメインの自己診断失敗、またはドメインのキースイッチ状態の変更をクライアントに通知します。

Solaris_SGDomainStateChange のプロパティー

表 4-23 Solaris_SGDomainStateChange のプロパティー

名前

データ型

説明

DomainID

uint32

状態が変更されたドメイン。値 : A、B、C、または D。

KeyswitchPosition

uint32

仮想キースイッチの位置を特定します。値 : Unknown、Off、Standby、On、Diag、Secure、Off To Standby、Off To On、Off To Diag、Off To Secure、Standby To Off、Active To Off、Active To Standby、Reboot To On、Reboot To Diag、および Reboot To Secure。

State

uint32

ドメインの現在の状態。値 : Unknown、Running Post、Standby、Active、Powered Off、Domain Idle、Running OBP、Booting、Running Solaris、Halted、Reset、Panic、Debugger、または Hang Detected。


Solaris_SGSlotAssignmentChange インジケーション

説明

このプロセスインジケーションは Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムで使用され、スロットがドメインに割り当てられていた、またはドメインから割り当て解除されたことをクライアントに通知します。

Solaris_SGSlotAssignmentChange のプロパティー

表 4-24 Solaris_SGSlotAssignmentChange のプロパティー

名前

データ型

説明

LogicalID

string

スロットの論理名。Sun Fire 6800、4810、4800、または 3800 システムには、最大 6 個のシステムボードと最大 4 個の入出力ボードを装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB5 と表記され、入出力ボードのスロットは IB6、IB7、IB8、および IB9 と表記されます。

ChassisSerialNumber

string

シャーシのシリアル番号は 8 けたの 16 進数文字列です (たとえば 10483D99)。

AssignedDomain

sint32

スロットが割り当てられているドメイン (割り当てられている場
合)。値 : A、B、C、D、または None。

AssignmentState

uint32

現在スロットに割り当てられている状態。値 : Unknown、Free、Assigned、または Active。


Solaris_SGBoardStateChange インジケーション

説明

このプロセスインジケーションは Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムで使用され、ボードの自己診断が完了したこと、またはボードの電源が投入または切断されたことをクライアントに通知します。

Solaris_SGBoardStateChange のプロパティー

表 4-25 Solaris_SGBoardStateChange のプロパティー

名前

データ型

説明

LogicalID

string

スロットの論理名。Sun Fire 6800、4810、4800、または 3800 システムには、最大 6 個のシステムボードと最大 4 個の入出力ボードを装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB5 と表記され、入出力ボードのスロットは IB6、IB7、IB8、および IB9 と表記されます。

ChassisSerialNumber

string

シャーシのシリアル番号は 8 けたの 16 進数文字列です (たとえば 10483D99)。

PowerState

uint32

ボードの電源状態。値 : Unknown、On、Off、または Failed。

TestState

uint32

ボードのテスト状態。値 : Unknown、Not Tested、Passed、Failed、Under Test、Start Test、Degraded、または Unusable。


Solaris_SGSlotAvailabilityChange インジケーション

説明

このプロセスインジケーションは Sun Fire 6800、4810、4800、および 3800 システムで使用され、スロットの可用性が変更されたことをクライアントに通知します。

Solaris_SGSlotAvailabilityChange のプロパティー

表 4-26 Solaris_SGSlotAvailabilityChange のプロパティー

名前

データ型

説明

LogicalID

string

スロットの論理名。Sun Fire 6800、4810、4800、または 3800 システムには、最大 6 個のシステムボードと最大 4 個の入出力ボードを装着できます。システムボードのスロットは SB0、SB1、... SB5 と表記され、入出力ボードのスロットは IB6、IB7、IB8、および IB9 と表記されます。

AssignedDomain

sint32

スロットが割り当てられていたが、現在は割り当て解除されているドメイン、またはスロットが現在も割り当てられているドメイン。値 : A、B、C、または D。

AssignmentState

uint32

現在スロットに割り当てられている状態。値 : Unknown、Free、Assigned、または Active。


Solaris_XCSystemBoardConfigChange インジケーション

説明

このプロセスインジケーションは Sun Fire 15K および 12K システムで使用され、特定のドメインで、1 つまたは複数の Sun Fire 15K/12K ドメイン構成プロパティーが変更されたことをクライアントに通知します。

Solaris_XCSystemBoardConfigChange のプロパティー

表 4-27 Solaris_XCSystemBoardConfigChange のプロパティー

名前

データ型

説明

LogicalID

string

構成データが変更されたシステムボードを特定します。


Solaris_XCEnvironmentalIndication インジケーション

説明

Sun Fire 15K および 12K システム上の環境インジケーションすべての共通の祖先として機能する抽象クラス。

Solaris_XCEnvironmentalIndication のプロパティー

Solaris_XCEnvironmentalIndication クラスでは、その基底クラスに以下のプロパティーを追加します。

表 4-28 Solaris_XCEnvironmentalIndication のプロパティー

名前

データ型

説明

ComponentID

string

環境イベントが発生しているコンポーネント。

FRUID

uint32

コンポーネントがシステムボードの場合は、対応する Field Replaceable Unit 識別子が含まれ、それ以外の場合は NULL です。


Solaris_XCComponentRemove インジケーション

このクラスは Solaris_XCEnvironmentalIndication 抽象クラスから派生し、特定のホットプラグ対応コンポーネントが Sun Fire 15K または 12K システム上のスロットから取り外されたことをクライアントに通知します。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCComponentInsert インジケーション

このクラスは Solaris_XCEnvironmentalIndication 抽象クラスから派生し、特定のホットプラグ対応コンポーネントが Sun Fire 15K または 12K システム上のスロットに挿入されたことをクライアントに通知します。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCBoardPowerOn インジケーション

このクラスは Solaris_XCEnvironmentalIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K または 12K システムのシステムボードの電源が投入されたことをクライアントに通知します。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCBoardPowerOff インジケーション

このクラスは Solaris_XCEnvironmentalIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K または 12K システムのシステムボードの電源が切断されたことをクライアントに通知します。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCDomainIndication インジケーション

説明

この抽象クラスは Solaris_XCEnvironmentalIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K および 12K システム上のすべてのドメインインジケーションの共通の祖先として機能します。

Solaris_XCDomainIndication のプロパティー

Solaris_XCDomainIndication クラスでは、その基底クラスに以下のプロパティーを追加します。

表 4-29 Solaris_XCDomainIndication のプロパティー

名前

データ型

説明

DomainID

uint32

イベントが発生しているドメインを特定します。


Solaris_XCDomainConfigChange インジケーション

このクラスは、Solaris_XCDomainIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K または 12K システム上の特定のドメインで、1 つまたは複数の構成プロパティーが変更されたことをクライアントに通知します。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCDomainUp インジケーション

このクラスは Solaris_XCDomainIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K または 12K システム上の特定のドメインが開始されたことをクライアントに通知します。ドメインが開始するのは、キースイッチが On に設定されているとき、またはドメイン監視デーモン (DSMD) が再起動してから、ドメインに割り当てられている IOSRAM がアクセス可能であることを検出したときです。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCDomainDown インジケーション

このクラスは Solaris_XCDomainIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K または 12K システム上の特定のドメインが停止されたことをクライアントに通知します。キースイッチが Off または Standby に設定されると、ドメインは停止します。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCDomainStop インジケーション

このクラスは Solaris_XCDomainIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K または 12K システム上の特定のドメインがハードウェア状態ダンプを開始したことをクライアントに通知します。回復不能なハードウェア障害が発生したために、ドメインでハードウェア状態情報をダンプファイルに書き込めなくなった場合に、ハードウェア状態ダンプが行われます。

このクラスは基底クラスに何もプロパティーを追加せず、直系の既知のサブクラスもありません。

Solaris_XCDomainStateChange インジケーション

説明

このクラスは Solaris_XCDomainIndication 抽象クラスから派生し、Sun Fire 15K または 12K システム上の特定のドメインの状態が変更されたことをクライアントに通知します。

Solaris_XCDomainStateChange のプロパティー

Solaris_XCDomainStateChange クラスでは、その基底クラスに以下のプロパティーを追加します。

表 4-30 Solaris_XCDomainStateChange のプロパティー

名前

データ型

説明

Signature

uint32

Signature、State、および SubState プロパティーを組み合わせて現在のドメインの状態を表します。

State

uint32

Signature、State、および SubState プロパティーを組み合わせて現在のドメインの状態を表します。

SubState

uint32

Signature、State、および SubState プロパティーを組み合わせて現在のドメインの状態を表します。