この節では、ミラーをシステムから除去する方法について説明します。
ルート (/)、swap、/opt、/usr など、マウント解除できないファイルシステムによって使用されるミラーを除去するということは、本質的に、ファイルシステムの「ミラー化解除」を行い、ミラーを構成するいずれかのサブミラーの配下にあるスライスにそれをマウントする操作を伴います。「マウント解除不可能なファイルシステムをミラー化解除する方法 (コマンド行)」を参照してください。
ミラーを除去し、マウントデバイスと同じメタデバイス名を維持するには、「メタデバイス名の切り替え」を参照してください。
ミラーのサブミラーを削除し、削除されたサブミラーの一部であったスライスを再使用した場合、そのデータはすべてシステムから失われます。したがって、ミラーとそのサブミラーを削除する前に、ミラー上のデータをバックアップしておいてください。
ミラーを除去する場合、最初にミラーをそのサブミラーに「分解」します。データをいずれかのサブミラーに保存するよう選択したり、サブミラーが単一のスライスから成る場合には、データをスライス上に保存するよう選択できます。
この作業は、ルート (/)、swap、/opt、または /usr であるファイルシステムを除いて、ミラーを使用する非 UFS アプリケーションや任意のファイルシステムに使用できます。これらのファイルシステムのいずれかによって使用されるミラーを除去するには、「マウント解除不可能なファイルシステムをミラー化解除する方法 (コマンド行)」を参照してください。
前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ミラーを除去するための予備情報」) を読んだことを確認する。
メタデバイスの最新のバックアップがあることを確認する。
メタデバイスへのアクセスを停止する。
たとえば、ミラー化されたファイルシステムのマウント解除が必要です。データベースなど、非 UFS アプリケーションの場合、アプリケーションによるメタデバイスの使用を停止させるために必要な手順を実行します。
オブジェクトリストから、ミラーオブジェクトをダブルクリックする。
ミラーオブジェクトがキャンバスに表示されます。
ミラーオブジェクトのポップアップメニューを表示し、「削除」を選択する。
「削除」ボタンをクリックする。
ミラーは、その配下のサブミラーに分割されます (連結方式メタデバイス)。
[オプション] ミラーがファイルシステムとして使用され、/etc/vfstab ファイル内にミラーのエントリが存在した場合、次に示すいずれかの方法を使用して、ミラーのエントリを整理する。
/etc/vfstab エントリを変更して、いずれかのサブミラーにファイルシステムをマウントする。
いずれかのサブミラーが 1 面の連結から成る場合、/etc/vfstab エントリを変更して、配下のスライスにファイルシステムをマウントできる。
もうデータにアクセスする予定がない場合、ファイルシステムの /etc/vfstab エントリを完全に除去できる。
連結方式オブジェクトを整理する。
不要となったサブミラーメタデバイスを削除します。
コンフィグレーションログを表示して、オブジェクトが削除されたことを確認する。
この作業は、ルート (/)、swap、/opt、または /usr であるファイルシステムを除いて、ミラーを使用する非 UFS アプリケーションや任意のファイルシステムに使用できます。これらのファイルシステムによって使用されるミラーを除去するには、「マウント解除不可能なファイルシステムをミラー化解除する方法 (コマンド行)」を参照してください。
この作業の手順を次に示します。
ファイルシステムをマウント解除する
ミラーとそのいずれかのサブミラー上で metadetach(1M) を実行する
ミラー上で metaclear(1M) を実行する
オプション : /etc/vfstab ファイルを編集して、非ミラーデバイスを使用する (ファイルシステムエントリがここに表示される場合)
オプション : ファイルシステムを再マウントする
「DiskSuite オブジェクトを除去するための前提条件」の前提条件と「ミラーを除去するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metadetach(1M) と metaclear(1M) のコマンドを使用して、メタデバイスを削除します。詳細については、metadetach(1M) と metaclear(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metastat d2 d2: Mirror Submirror 0: d0 State: Okay Submirror 1: d1 State: Okay ... # umount /news # metadetach d2 d0 # metaclear d2 d2: Mirror is cleared (/news がサブミラー d0 を参照するよう、/etc/vfstab ファイルを編集する) # mount /news # metaclear d1 d1: Concat/Stripe is cleared |
この例では、マウントされたファイルシステムも含むミラー d2 を除去します。ミラーは、サブミラー d0 と d1 から構成されます。metastat コマンドは、両方のサブミラーが「Okay (正常)」状態であることを通知します。metadetach コマンドがサブミラー d0 をミラー d2 から切り離すためには、その前に、ファイルシステムがマウント解除されなければなりません。その後、ミラーが除去されます。
サブミラー d0 上のデータへのアクセスを続けるために、/etc/vfstab ファイル内のファイルシステムのエントリは、ミラーから連結 (サブミラー) d0 に変更されます。
サブミラー (連結) d0 を参照するよう /etc/vfstab ファイルを整理した後、ファイルシステムが再マウントされます (d0 に再マウントされます)。別のサブミラー d1 は、metaclear コマンドで除去されます。