DiskSuite 設定のデフォルトでは、1034 ブロックのサイズをもつ 128 個のメタデバイスと状態データベースの複製があります。ディスクセットのデフォルト数は 4 です。必要ならば、これらの値はすべて変更可能です。この節ではそのための作業を説明します。
多数のメタデバイスを追加する場合、(DiskSuite ツールやコマンド行ユーティリティを使用して) メタデバイスを管理するときに、システムパフォーマンスが若干低下し始めることがあります。多数のメタデバイスがあっても、通常のシステム操作には影響を与えません。
メタデバイスの数を増やして、一定の数値範囲内でデバイスタイプをパーティション分割するための大きな名前空間を獲得しても、作成したデバイスの数が 128 未満である場合、パフォーマンスの低下は発生しません。この場合、状態データベースの複製をさらに追加する必要はありません。
この作業では、メタデバイスの数をデフォルト値の 128 から増やす方法について説明します。
デバイスの数を減らした場合、元の数と新しい数の間に存在するメタデバイスは使用できなくなり、データが失われる可能性があります。「md: d20: not configurable, check /kernel/drv/md.conf」などのメッセージを受け取った場合、この作業で説明するように md.conf ファイルを編集する必要があります。
前提条件 (「システムのトラブルシューティングのための前提条件」) と予備情報 (「メタデバイスの予備情報」) をチェックしてから、/kernel/drv/mdoconf ファイルを編集する。
nmd フィールドの値を変更する。
1024 までの値を設定できます。
変更内容を保存する。
再構成するためにリブートを実行して、メタデバイス名を構築する。
# boot -r |
次に、256 個のメタデバイス用に設定された md.conf ファイルの例を示します。
# #ident "@(#)md.conf 1.7 94/04/04 SMI" # # Copyright (c) 1992, 1993, 1994 by Sun Microsystems, Inc. # name="md" parent="pseudo" nmd=256 md_nsets=4; |
システムに対するディスクセットのデフォルト数は 4 です。この値を 32 まで増やすことができます。md_nsets にはローカルセットが含まれるため、共有されるディスクセットの数は、常に md_nsets の値より 1 だけ小さな値です。
この作業では、ディスクセットの数をデフォルト値の 4 から増やす方法について説明します。
デバイスの数を減らした場合、元の数と新しい数の間に存在するディスクセットに影響がある可能性があります。
「システムのトラブルシューティングのための前提条件」の前提条件をチェックしてから、/kernel/drv/md.conf ファイルを編集する。
md_nsets フィールドの値を変更する。
32 までの値を設定できます。
変更内容を保存する。
再構成するためにリブートを実行して、メタデバイス名を構築する。
# boot -r |
次に、5 つのディスクセット用に設定された md.conf ファイルの例を示します。md_nsets の値は 6 であり、5 つのディスクセットと 1 つのローカルディスクセットで構成されます。
# #ident "@(#)md.conf 1.7 94/04/04 SMI" # # Copyright (c) 1992, 1993, 1994 by Sun Microsystems, Inc. # name="md" parent="pseudo" nmd=255 md_nsets=6; |
多数のメタデバイスを作成した場合、状態データベースの複製のサイズは相対的に小さくなり、必要な情報をすべて収めることができなくなります。この場合、 -l オプション付きの metadb(1M) コマンドを使用して、大きな状態データベースの複製の追加してから、小さな状態データベースの複製を除去します。
一般的に、デフォルトのメタデバイス数を 2 倍にしたら、状態データベースの複製のサイズも 2 倍にします。
前提条件 (「システムのトラブルシューティングのための前提条件」) をチェックして予備情報 (「状態データベースの複製のための予備情報」) を読んでから、metadb コマンドを使用して大きな状態データベースの複製を追加し、古い小さな状態データベースの複製を削除します。詳細は、metadb(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metadb -a -l 2068 c1t0d0s3 c1t1d0s3 c2t0d0s3 c2t1d0s3 # metadb -d c1t0d0s7 c1t1d0s7 c2t0d0s7 c2t1d0s7 |
最初の metadb コマンドでは、-l 2068 オプション (2068 ブロック) でサイズを指定された、状態データベースの複製を追加します。これは、デフォルトの複製サイズである 1034 ブロックの 2 倍です。2 番目の metadb コマンドでは、小さな状態データベースの複製をシステムから除去します。