Solaris Resource Manager 1.3 のシステム管理

資源キャッピングデーモンの使用

デーモンの構成には、rcapadm(1MSRM) を使用します。

処理モードの選択

2 つの処理モード、lnodeproject がサポートされています。

l ノードに定義されているキャップを適用し、プロジェクトに定義されているキャップを無視するには、次のように入力します。


# rcapadm -m lnode

プロジェクトに定義されているキャップを適用し、l ノードに定義されているキャップを無視するには、次のように入力します。


# rcapadm -m project

処理間隔の調整

Yrcapd によって実施する定期処理は間隔を調整できます。間隔を設定し直すには、-i オプションを使用してください。


# rcapadm -i interval=value,...,interval=value 

間隔はすべて秒単位で指定します。次の表は、間隔とそのデフォルト値を示したものです。

Interval 

デフォルト値 (秒) 

説明 

scan

15 

rcapd が新しいプロセスを走査する間隔。最低値は 1 秒。

sample

プロセス RSS (Rresident Set Size) サンプリングの間隔。最小値は 1 秒 

report

5  

rcapd のためにページング統計値が rcapd によって更新される間隔。0 に設定すると、統計値は更新されない

config

60 

再構成の間隔。再構成イベントでは、rcapd は構成ファイルをチェックして更新がないかを調べ、l ノード (制限) データベースまたはプロジェクトデータベースを走査して新しい l ノードキャップまたはプロジェクトキャップ、あるいは新しいコレクションがないかを調べます。

rcapstat に指定された間隔が (rcapadm(1MSRM) を使用して) rcapd に指定された間隔よりも短い場合は、一部の間隔の出力がゼロになる可能性があります。これは、rcapadm で指定された間隔を上回る間隔で rcapd が 統計値を更新することがなく、この間隔は rcapstat によって使用されるサンプリング間隔には関係がなくかつこの間隔よりも精密度が劣るためです。

メモリーキャップ適用値の設定

キャップは、プロセスに利用できる物理的なメモリーが少なくなるまでは適用されることがないように構成できます。最小 (かつデフォルト) の値は 0 であり、この場合メモリーキャップは常に適用されます。メモリーキャップ適用の最小の物理メモリー利用値を変更するには、次のように入力します。


# rcapadm -c percent

パーセント値は、0 から 100 の範囲で指定する必要があります。現在の大域物理メモリー利用量とそのキャップは、-g オプションを指定して rcapstat コマンドを実行することによって確認できます。大域メモリーキャップの報告を参照してください。

資源キャップの有効化

資源キャッピングデーモンを今すぐに起動するとともにシステムがブートされるごとにこのデーモンが起動するように設定するには、次のように入力します。


# rcapadm -E

資源キャッピングデーモンの現在の実行状態に影響を与えることなくブート時にこのデーモンが起動するように設定するには、次のように -n オプションも併せて指定します。


# rcapadm -n -E

資源キャッピングの無効化

資源キャッピングデーモンを今すぐに停止するとともにシステムの起動時にも起動しないようこのデーモンを無効にするには、次のように入力します。


# rcapadm -D

資源キャッピングデーモンの現在の実行状態に影響を与えることなく資源キャッピングデーモンを無効にするには、次のように -n オプションも併せて指定します。


# rcapadm -n -D

注 -

rcapd を中断すると、プロセスが停止状態になる可能性があります。kill(1) のマニュアルページを参照してください。rcapd を正常に終了させるには、rcapadm -D または SIGTERM を使用してください。