「ディスクパスグループ」は、図 1-7 に示すように、同じディスクアレイに接続された 2 つの物理パスからなります。 物理パスは、パスグループの一部であるときには、「代替パス」と呼ばれます。 ディスクへの代替パスは、代替パスが使用するpln ポートまたは sf ポートによって一意に識別することができます。 入出力を現在処理している代替パスを「有効な代替パス」と呼びます。
T3 ディスクパスグループでパス最適化アルゴリズムを利用している場合、両方の物理パスは「有効な代替パス」となります。物理パスが無くなった場合は、どのような理由であるかにかかわらず、パス最適化は無効となります。 このような場合、1 つのパスだけが「有効な代替パス」となります。
メタディスク (/dev/ap/[r]dsk/mc?t?d?s? など) がスクリプト内やプログラム内で「個別のディスク」にアクセスするための手段を提供するのに対し、ディスクパスグループは AP コマンドを実行する際にそのディスクへの「パス」を操作するための手段を提供します。 たとえば、「切り替え」操作を実行する、すなわち、有効な代替パスを別のパスに変更するには、apconfig(1M) コマンド内でディスクパスグループを参照します。
切り替え操作を実行すると、T3 のパス最適化が自動的に無効となります。
代替パスの 1 つを「主パス」として指定します。 切り替え操作を実行すると、有効な代替パスは変更されますが、主パスはそのままです。 ディスクパスグループは、主パスに対応する pln ポート (pln:2 など) または sf ポート (sf:2 など) を指定して参照します。 pln または sf ポート名の判定についての詳細は、「メタディスクのデバイスノード」を参照してください。
ディスクパスグループの有効な代替パスを切り替えるには、以下のコマンドを使用します。
# apconfig -P sf:2 -a sf:9 |
次の図に、apconfig(1M) コマンドを使用してディスクパスグループの有効な代替パスを切り替えた例を示します。
この操作によって、T3 のパス最適化は無効となります。 パス最適化を再有効化するには次のコマンドを使用します。
# apconfig -P sf:2 -a sf:2 -a sf:9 |