次の図の Motif アプリケーション例は、xclock または xterm アプリケーションを起動します。このアプリケーションは Trusted Solaris 7 X ウィンドウのプログラミングインタフェースが Motif アプリケーション内からどのように呼び出されるかを示すことが目的なので、その構造はシンプルです。このアプリケーションのプロセスの機密ラベルは Confidential で、情報ラベルは Unclassified です。
以降の節では、セキュリティ属性を処理し、フォントリストを使用してバイナリラベルを ASCII に変換する Trusted Solaris 7 インタフェースコールを使用するコードセグメント例を示しています。このコードセグメントは、アプリケーションプログラムでもっとも一般的な操作であるウィンドウのセキュリティ属性の処理に焦点を当てています。クライアントは、しばしば、適切な特権を使用して別のアプリケーションが作成したオブジェクトのセキュリティ属性を取得します。また、そのオブジェクトに対する操作がシステムの任意の所有権ポリシーと必須アクセスの同位書き込みおよび下位読み取りポリシーに許可されるかを確認するために、その属性をチェックします。アクセスが拒否されると、アプリケーションはエラーを表示するか、妥当な場合には特権を使用します。特権が必要な場合については、「特権の必要な処理」を参照してください。
次のコードセグメントを含むこの Motif アプリケーションのソースコードは、「コード」に示されています。Trusted Solaris 7 プログラミングインタフェースに渡すオブジェクト ID を取得する Xlib 呼び出しは、取得する ID が存在するように、適切なオブジェクトを作成してから指定してください。このソースコードでは、Xlib 呼び出しは XtRealizeWidget() が呼び出された後に指定されています。