Trusted Solaris 開発ガイド

継承可能な特権セット

親プロセスから受け取った特権がある場合、それらの特権は継承可能な特権セット (以下、継承可能セット) に含まれます。プロセスは、exec(1) で新しいプログラムを実行するときや、fork(2) で新しいプロセスを実行するときに継承可能セットを渡します。新しいプログラムやプロセスの継承可能セットは、常に呼び出しプロセスの継承可能セットと同じものになります。新しいプログラムやプロセスが継承された特権を使用できるのは、その特権が実行可能ファイルの許容セット内にも存在する場合にかぎります。ただし、別の新しいプログラムまたはプロセスにすべての継承可能な特権が渡されます。プログラムは、fork()exec() に先行して、その継承可能セットをクリアし、許可セット内の特権をどれでも継承可能セットに加えることができます。

システム管理者は、継承可能セットを実行プロファイル内の CDE アクションやコマンドに割り当てることができます。特権は、実行プロファイルが割り当てられたユーザーまたは役割が CDE アクションを開始するとき、またはプロファイルシェルからコマンドを実行するときに継承されます。


注 -

強制された特権がプロセスの許可セット内に存在する場合、そのプロセスはプロセス自体の継承可能セットに強制された特権を設定し、その強制された特権を新しいプロセスまたはプログラムに渡すことができます。