Trusted Solaris 開発ガイド

保存セット

保存されたセット (以下、保存セット) は、プロセスに対して使用が許容されている継承された特権のコピーです。保存セットは、許容セットによって制限された継承可能セットと同じものになります。許容セットにも存在する継承可能セット内の特権は、保存セットに置かれます。保存セットを変更するインタフェースはありません。

プログラムは、その保存セットを照会して、元の特権を確認できます。特権が保存セットに存在する場合、プログラムが起動されるとその特権は継承されます。特権が保存セットに存在しない場合、プログラムが起動されるとその特権は強制されます。

通常のユーザー (強制された特権) によって開始されたプロセスはセキュリティ関連処理のための動作がワークステーションの範囲に制限される場合があります。一方、管理役割のある承認を受けたユーザー (継承された特権) によって開始されたプロセスは、同じセキュリティ関連処理を行うためにより広く、ネットワークの範囲で動作する場合があります。