Trusted Solaris ホストは、ブート時にルーティング情報を読み込み、データの転送に使用します。/etc/tsolgateways ファイルがある場合は、そこに定義されたゲートウェイがホストのデフォルト経路として使用されます。/etc/tsolgateways ファイルがない場合は、/etc/defaultrouter ファイルのデフォルト経路が使用されます。どちらのファイルも管理者が手動で管理します。どちらか一方のファイルがあれば、このホストは「静的ルーティング」を使用していることになります。
/etc/tsolgateways ファイルも /etc/defaultrouter ファイルもない場合は、ホストは「動的ルーティング」を使用し、特別なデーモンを起動する必要があります。in.rdisc(1M) (ネットワークルーター検出デーモン) が使用可能であれば、これを起動し、使用可能でなければ、in.routed(1M) (ネットワークルーティングデーモン) を起動します。ホストがゲートウェイの役目も果たす場合、つまり、ホストが複数のネットワークに接続されている場合は、in.rdisc と in.routed の両方を起動します。
ブート時には、/etc/security/tsol/boot ディレクトリに常駐する tnrhdb ファイルと tnrhtp ファイルがカーネルに読み込まれ、ホストと NIS+ マスターとの通信を可能にします。ファイルのデフォルト値はトラステッドネットワークデーモン (tnd(1M)) が起動すると置換されます。デフォルトにより、/etc/security/tsol/boot/tnrhdb ファイルには、0.0.0.0:tsol というエントリが格納されています。これは、ネットワークが Trusted Solaris ネットワークであることを示しています。