Trusted Solaris の監査管理

サイトでの監査の実施

監査を実施するためには、システム管理者は、監査管理サーバー、監査ファイルサーバー、ローカル監査パーティションを設定し、障害発生時に警告を送るユーザーを設定します。セキュリティ管理者は、 NIS+ ルートマスター上の audit_control(4) ファイルとその他の監査構成ファイルを編集して中央ディレクトリにコピーし、これをテープまたはフロッピーディスクによって配布します。監査構成ファイルは、インストールチームによって、テープから各ワークステーションにコピーされます。セキュリティ管理者は、各ワークステーションの audit_control ファイルの dir: 行を編集し、その後、システムを再起動します。


注 -

Trusted Solaris では、事前選択されているセキュリティ関連のイベントだけが記録されます。そして、監査で考慮されるのは記録されたイベントだけです。このため、システム環境の都合でセキュリティ関連のイベントを記録するような監査構成になっていない場合、監査は実行されません。つまり、管理者は、システムのセキュリティ違反も、セキュリティ違反を犯したユーザーも、検知することができません。管理者は定期的に監査トレールを分析して、セキュリティ違反が発生していないかどうかをチェックする必要があります。


システム管理者の監査設定作業

表 2-1 システム管理者が行う基本的な監査設定

作業 

手順の参照先 

監査パーティションの作成 

「専用の監査パーティションを作成する方法」

監査管理サーバーの作成 

Trusted Solaris のインストールと構成』または『Trusted Solaris 管理の手順

監査ファイルサーバーのインストール 

監査クライアントより先にインストールする 

ファイルディレクトリの作成 

「監査ディレクトリを作成する方法」

監査パーティションのエクスポート 

(ネットワークシステムの場合のみ) 

「監査ファイルシステムを共有する方法」

エイリアスデータベースの編集 

「監査障害を警告する方法」

監査パーティションのマウント  

(ネットワークシステムの場合のみ) 

「監査ファイルシステムをマウントする方法」

セキュリティ管理者の監査設定作業 - 基本

表 2-2 セキュリティ管理者が行う基本的な監査設定

作業 

手順の参照先 

最初のワークステーションで 

 

audit_control ファイルの編集

「監査フラグを設定する方法」

 

 

 

「監査ファイルシステムの空き領域を予約する方法」

「監査ファイルの保存場所を指定する方法」

Solaris セキュリティ属性の設定 

「監査ファイルシステムを保護する方法」

audit_user ファイルの編集

「例外ユーザー情報を設定する方法」

audit_startup ファイルの編集

「常時監査ポリシーを設定する方法」

コピーして配布  

(ネットワークシステムの場合のみ) 

「監査構成ファイルをネットワーク上の各ワークステーションに配布する方法」

セキュリティ属性の設定 

「監査ファイルシステムを保護する方法」

セキュリティ管理者の監査設定作業 - 上級

表 2-3 セキュリティ管理者が行う上級監査設定

作業 

手順の参照先 

最初のワークステーションで 

 

audit_event ファイルの編集

 

「監査イベントを追加する方法」

「イベントとクラスの対応関係を変更する方法」

audit_class ファイルの編集

「監査クラスを追加する方法」

コピーして配布 

(ネットワークのみ) 

「監査構成ファイルをネットワーク上の各ワークステーションに配布する方法」