監査レコードの保存に適しているディレクトリとは、監査デーモンにアクセスできるディレクトリです。つまり、そのディレクトリがマウントされ、遠隔の場合はネットワーク経由でのアクセスが認可されていることと、ディレクトリに対するアクセス権を持っていることが条件です。監査ファイルの保存用にディレクトリを最適化するためには、空き領域が十分に残っていることも必要です。この場合、audit_control ファイルの minfree: 行を編集してデフォルト値の 20% を変更できます。たとえば、minfree の設定が空き領域のデフォルト最低値 20% の場合、ファイルシステムの使用容量が 80% を越えると、audit_warn エイリアスに電子メール通知が送られます。
リスト中のどのディレクトリにも十分な空き領域が残っていない場合には、デーモンはリストの冒頭から検索を開始し、使用可能な領域のあるアクセス可能な最初のディレクトリを選び出して制限値に達するまで使用します。デフォルトの構成では、適したディレクトリがない場合には、デーモンは監査レコードの処理を停止し、監査レコードを生成しているプロセスがすべて中断されるまでの間、カーネルにレコードを蓄積します。