N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition ご使用にあたって

Linux の構成

この節では、N1 Provisioning Server ソフトウェアを使用して Linux イメージを作成できるように、Linux 環境を構成するための条件について説明します。

Linux ハードウェアおよびソフトウェアの追加条件

Linux システムは次の条件に適合する必要があります。

設定と物理的な接続

Kickstart サーバーを N1 Provisioning Server 設定のネットワークに接続する方法は複数あります。 次に、これらの方法の例を 2 つ示します。

図 4–1 の例では、Kickstart サーバーの Ethernet インタフェースの 1 つが(マシンに 2 つ以上ある場合) ブレードシェルフのポートの 1 つに直接接続されています。 この例では、NETP0 ポートが使用されています。

図 4–1 シェルフに直接接続されている Kickstart サーバー

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図 4–2 のように、Kickstart サーバーが外部スイッチ経由でブレードシェルフに接続されている可能性もあります。 この図では、Kickstart サーバーのインタフェース eth1 は Cisco スイッチ C2924 に接続されています。シェルフの外部ポートの 1 つ (この場合は NETP0) も Cisco スイッチ C2924 に接続されています。

図 4–2 スイッチ経由でシェルフに接続されている Kickstart サーバー

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このマニュアルの残りの部分では、図 4–3 のように、Provisioning Server マシンとの接続が含まれる設定を仮定します。 この設定は 図 4–1 で示す 1 つに基づいていることに注意してください。 Kickstart サーバーは、2 番目の Ethernet インタフェースまたは端末サーバー経由で外部ネットワークからアクセスできます。 あるいは、Kickstart サーバーはコンソールデバイス (モニター) から直接アクセスできます。 シェルフに接続されているインタフェースには、有効なインターネットアドレスが接続 (plumb) され割り当てられる必要があります。

図 4–3 N1 Provisioning Server 環境における典型的な Kickstart サーバーの設定

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例 4–1 Kickstart サーバーの構成例

次に、Kickstart サーバーのネットワーク構成例を示します。


[root@ks-server root]# ifconfig -a
eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr 00:03:47:31:71:98  
          inet addr:10.5.140.151  Bcast:10.5.140.159  Mask:255.255.255.240
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:134432 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:114431 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:100 
          RX bytes:31829037 (30.3 Mb)  TX bytes:45777133 (43.6 Mb)
          Interrupt:10 Base address:0xc000 

eth1      Link encap:Ethernet  HWaddr 00:03:47:31:71:99  
          inet addr:10.40.40.1  Bcast:10.40.40.255  Mask:255.255.255.0
          UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
          RX packets:321940 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:1540859 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:100 
          RX bytes:48545214 (46.2 Mb)  TX bytes:2160671329 (2060.5 Mb)
          Interrupt:5 Base address:0xe000 

lo        Link encap:Local Loopback  
          inet addr:127.0.0.1  Mask:255.0.0.0
          UP LOOPBACK RUNNING  MTU:16436  Metric:1
          RX packets:538 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
          TX packets:538 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
          collisions:0 txqueuelen:0 
          RX bytes:42254 (41.2 Kb)  TX bytes:42254 (41.2 Kb)
[root@ks-server root]#

サーバーの 1 番目のインタフェース (eth0) は外部スイッチに接続されます。 サーバーはこのインタフェース経由でアクセスできます。 2 番目のインタフェース (eth1) はシェルフに直接接続されており、ネットワーク 10.40.40.0 の IP アドレス 10.40.40.1 が割り当てられています。


Kickstart サーバーの準備

Kickstart サーバーを設定する方法については、『Sun FireTM B100x and B200x Server Blade Installation and Setup Guide』の「Installing Linux From a PXE Boot Install Environment」の指示を参照してください。 第 4 章の最初から 4.4 節「Installing Linux on a Server Blade from a PXE Boot Server」の手順 5 までを参照します。


ヒント –

Sun FireTM B100x and B200x Server Blade Installation and Setup Guide』は次の Web サイトからダウンロードできます。


Linux インストールの構成

Red Hat ディストリビューションに付属しているデフォルトの構成ファイルは、適切な IP アドレスおよびパス名で修正する必要があります。 『Sun FireTM B100x and B200x Server Blade Installation and Setup Guide』の 4.4 節「Installing Linux on a Server Blade from a PXE Boot Server」の手順 5、6、および 7 を参照してください。 さらに重要なこととして、ディスクパーティションとパッケージ選択情報を N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition に合わせてカスタマイズする必要があります。

パッケージの選択

Linux イメージには、N1 Provisioning Server が必要とするいくつかのパッケージが含まれている必要があります。 このようなパッケージが確実に含まれるようにするために、パッケージ選択リストに N1 Required RPMS というエントリを追加します。 ファイル /<tftp_base_dir>/as-2.1/RedHat/base/comps を編集して、次の宣言を追加します。

1 N1 Required RPMS { 
    pdksh 
    tftp 
    tftp-server 
}

次のリストは、 ks.cfg ファイルで指定されるパッケージ選択の例です。

%packages 
@ Network Managed Workstation 
@ Software Development 
@ Base
@ Printing Support 
@ Network Support 
@ Messaging and Web Tools 
@ News Server 
@ NFS File Server 
@ Windows File Server 
@ Web Server 
@ Router /Firewall 
@ DNS Name Server 
@ Emacs 
@ Utilities 
@ Advanced Server 
@ N1 Required RPMS

標準以外のディスクサイズと Linux

実際のディスクサイズはベンダーによって異なります (バイトレベルで)。 したがって、普遍化するために、N1 Provisioning Server はすべてのディスクサイズが 30*10 ^9 バイト (つまり、30G バイト) であると仮定します。 しかし、B100n ブレードの実際のディスクサイズは 30*10 ^9 バイトよりも少しだけ多くなります (30005305344 バイト)。 したがって、30*10 ^9 バイトというディスクイメージはすべての B100n/B200n サーバーブレード上で動作することが保証されますが、実際のディスクサイズのディスクイメージは (この誤差のために) 一部のサーバーブレードで動作しない可能性があります。 作成したすべてのイメージに 30*10 ^9 バイトのディスクサイズを使用することによって、すべてのサーバーブレードにイメージを配備できることが保証されます。

Linux オペレーティングシステムは、データを格納するとき、ディスクの終わりの方にあるディスクブロックも使用します。 結果として、30*10 ^9 バイトのディスクのスナップショットを撮ると、ディスクの終わりの方にある重要なディスクブロックがスナップショットから漏れる可能性があります。 このようなイメージがプロビジョンされたブレードはブートに失敗します。 この問題を解決するには、ダミーのファイルシステム (超過分として約 10M バイト) をディスクの終わりの方に作成しておいて、スナップショットを撮る前にこのファイルシステムを除外します。

次に、このようなディスクパーティションの例を示します。


part /--asprimary --fstype ext3 --size 512 --grow --ondisk hda 
part swap --size 2048 --ondisk hda 
part /tmp --fstype ext3 --size 512 --ondisk hda 
part /dummy --fstype ext3 --size 10 --ondisk hda 

サイズが 10M バイトの /dummy という名前のファイルシステムがパーティション情報にあることに注目してください。