Sun Fire プラットフォームエージェントは、標準の Sun Management Center エージェントとは異なるインストール作業を必要とします。Sun Fire プラットフォームにはいくつかのドメインがあり、各ドメインには独自のハードウェア割り当てが行われています。各ドメインは Solaris オペレーティング環境のインスタンスを個別に実行します。各 Sun Fire ドメインは、ドメインエージェントを実行します。
全体として見た Sun Fire プラットフォームは、ドメインに割り当てられた、そのプラットフォーム内のすべてのハードウェアから構成されていることになります。プラットフォームは、そのプラットフォーム内の System Controller (SC) ボードによって制御されます。
Sun Management Center ソフトウェアは、Sun Fire サーバを管理するために Sun Fire サーバシステムコントローラおよび Sun Fire ドメインエージェントと通信を行う Sun Fire プラットフォームエージェントを使用します。このプラットフォームエージェントは、エージェントによって監視される、Sun Fire シャーシの外部に存在する Solaris ホストに導入する必要があります。プラットフォームエージェントホストシステムが適切にサイズ設定されていれば、単一のホストシステムに複数のプラットフォームエージェントを導入して複数の Sun Fire サーバを管理できます。
各プラットフォームエージェントは、平均して 5 から 9% の CPU と 15 から 18M バイトのメモリを消費します。同じホストシステム上に導入されたプラットフォームエージェントの CPU とメモリの消費は加法的で、ハードウェア要件を測る尺度として使用できます。エージェントは同じソフトウェアパッケージを共有するため、プラットフォームエージェントインスタンスが複数存在する場合のディスク容量要件は、少なくとも単一のプラットフォームエージェントインスタンスの場合の要件を超えます。
一般に、プラットフォームエージェントの CPU とメモリのリソース要件は管理対象となっている Sun Fire サーバ構成のサイズと複雑さに比例します。Sun Fire システムの構成が大きいほど、プラットフォームエージェントホスト上のプラットフォームエージェントリソースをより多く必要とします。
プラットフォームエージェントは、次に示すどちらのホストにもインストールできます。
Sun Management Center サーバレイヤホスト
Sun Management Center 専用のプラットフォームエージェントホスト
個々のホスト上にインストールできるプラットフォームエージェントの数は、そのホストが Sun Management Center サーバレイヤホストであるかプラットフォームエージェントレイヤホストであるかによって異なります。Sun Management Center の全体的なパフォーマンスと応答性を最大限に高めるには、サーバレイヤホストではなく専用のホストにプラットフォームエージェントを導入する必要があります。容量に余裕のあるマルチ CPU システムにサーバレイヤが導入されている場合は、プラットフォームエージェントをサーバレイヤホストで稼動させることができます。
次の図に、専用のプラットフォームエージェントホストへ導入した場合のアーキテクチャとサーバレイヤホストに導入した場合を示します。
Sun Fire プラットフォームエージェントは、デフォルトでは 1 時間ごとに管理情報を最新状態に更新します。同じホストに複数のプラットフォームエージェントが導入され、同時に初期化される場合、エージェントは立て続けにデータ更新をする傾向があります。同時更新を試みるプラットフォームエージェントが多すぎると、ホストシステムの全体的な応答性が悪影響を受けかねません。
同じホスト上の複数のプラットフォームエージェントによる同時オペレーションの可能性を減らすには、すべてのプラットフォームエージェントを同時に起動しないことです。
次の表に、一般的なハードウェア構成と、専用のホストシステムに導入できるプラットフォームエージェントの数を示します。
表 C–7 専用ホスト: Sun Fire プラットフォームエージェントの容量
代表的なハードウェア構成 |
プラットフォームエージェントの最大数 |
---|---|
シングル 500 MHz UltraSPARC IIe CPU、1G バイト RAM、1G バイトスワップを使用した Netra X1、Netra T1、または Sun Blade 100 |
5 〜 7 |
デュアル 450 MHz UltraSPARC II CPU、1G バイト RAM、1G バイトスワップを使用した Sun Enterprise 420R または Ultra 60 |
11 〜 15 |
デュアル 750 MHz UltraSPARC III CPU、1G バイト RAM、1G バイトスワップを使用した Sun Fire 280R、Netra T4、または Sun Blade 1000 |
14 〜 20 |
プラットフォームエージェントのリソース使用はさまざまに異なります。この表では、オペレーションのピーク時にシステム容量が不足しないように十分な容量を残すことができる許容値の範囲を示しています。Sun Fire プラットフォームの規模が大きいほど必要となるプラットフォームエージェントリソースも増えるため、単一のホストで実行できるプラットフォームエージェントはわずかとなります。逆に、Sun Fire プラットフォームが小さいほど必要となるプラットフォームエージェントリソースは少なくてすみ、単一のホストで多くのプラットフォームエージェントを実行できます。
Sun Management Center サーバレイヤを実行するホストシステムのハードウェアサイズ要件は、サーバレイヤによって管理されるプラットフォームエージェントの数とシステム内の管理アクティビティによって決まります。
Sun Management Center サーバレイヤと Sun Fire プラットフォームエージェント双方の稼動に対応できるのは、大規模のマルチ CPU システムの場合だけです。容量が小さいサーバレイヤホストにプラットフォームエージェントを導入すると、Sun Management Center の全体的なパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
1 日にホスト当たりで 1000 個未満のイベントに対応する適度なレベルの管理アクティビティの場合、Sun Management Center サーバレイヤホストに導入できるプラットフォームエージェントの最大数は管理対象となるエージェントの数とマシンクラスによって決まります。次の表に、一般的なシステム容量を示します。
表 C–8 サーバレイヤホスト: Sun Fire プラットフォームエージェントの容量
管理対象エージェントの数 |
プラットフォームエージェントの最大数 |
|
---|---|---|
Sun Enterprise 420R |
Sun Fire 280R |
|
100 |
6 |
7 |
300 |
5 |
7 |
500 |
4 |
6 |
750 |
利用不可 |
6 |
Sun Enterprise 420Rは、1G バイト RAM と 1G バイトスワップを使用したデュアル 450MHz UltraSPARC-II サーバレイヤホストを持つ Enterprise 420R または Ultra 60 システムを示します。
Sun Fire 280Rは、1G バイト RAM と 1G バイトスワップを使用したデュアル 750MHz UltraSPARC III サーバホストを持つ Sun Fire 280R、Sun Blade 1000、または Netra T4 システムを示します。
Sun Fire Sun Management Center インストールの手順については、『Sun Management Center 3.5 Software Supplement for Sun Fire 6800/4810/4800/3800 Systems』を参照してください。