ソフトウェアをインストールしてレポートを作成する前に、データの収集方法を理解しておく必要があります。Performance Reporting Manager のアドオンは、Sun Management Center 3.5 ソフトウェアによって提供される、エージェントマシン用の履歴ロギング機能を使用します。データ収集サービスはサーバー層で生成されます。収集されるデータタイプは、以下とおりです。
ハードウェアシステムデータ
ハードウェア構成データ
ソフトウェアパッケージデータ
ソフトウェアパッチデータ
パフォーマンスデータ
プロセスデータ
データはエージェントマシン上で記録されます。サーバー層のデータ収集サービスは、エージェントマシンから記録済みのデータを収集して、保存します。レポートに返されるデータは、サーバーまたはエージェントマシンに保存されたデータです。
Raw データとは、エージェントマシン上の履歴ログファイルに記録されたデータのことです。Sun Management Center 3.5 ベースの製品は、Raw データを記録する機能を備えています。このデータは、単一のマシン上だけでなく、グルーピング機能により複数のマシン上でも記録できます。グルーピング機能を使用すると、ユーザーが指定した間隔でデータが記録されます。グルーピング機能の詳細については、データプロパティ、および『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』の「グループ関連ジョブの管理」を参照してください。
Raw データは、総容量が巨大になるため、エージェントマシン上で 8 日間だけ保持され、これを過ぎると消去されます。たとえば、1 日目の Raw データは 9 日目にエージェントマシンから消去されますが、最終 8 日目まではいつでも使用することができます。データは、消去される前に、サマリーレコードとして保存されます。このプロセスの詳細については、ロールアッププロセス を参照してください。
Raw データは、消去される前に指定された間隔で要約、つまり「ロールアップ」されます。ロールアップデータとは、要約されたデータのことです。すべての Raw データは、消去される前に最小値、最大値、平均値が計算されます。これらの値は、いくつかの方法で保存されます。
時間データは、毎時間ごとに要約 (ロールアップ) されるデータです。この場合、時間ごとの raw データが処理されて、各時間に対する要約レコードが作成されます。たとえば、raw データを 5 分間隔で記録する場合、1 時間に合計 12 個の raw レコードが作成されます。1 時間後にデータをロールアップすると、12 個の raw レコードから時間内の最小値、最大値、平均値が算出されます。このように、12 個の raw レコードに対して 1 つの要約レコードが作成されます。時間データは、まずエージェントマシン上で計算されます。計算されたデータは、サーバーマシンに送られ、そこでデータベースに追加されます。
日次、週次、月次のデータについても、同様の方法で計算され、それぞれの最小値、最大値、平均値も計算されます。
時間単位のデータは 7 日間だけ保存されます。
日次データは 5 週間だけ保存されます。
週次データは 12 か月だけ保存されます。
月次データは 24 か月だけ保存されます。
データポーリングは、Performance Reporting Manager ソフトウェアのインストールと設定の終了後にサーバーを起動すると、開始します。Sun Management Center 3.5 サーバーは、エージェントマシンを毎時間ごとにポーリングして、マシン上に記録されたデータを収集します。以下は、記録されたデータがレポートに使用できるまでの時間です。
エージェントマシン上のデータは、さまざまな時間で収集されます。データ は、以下の時間間隔でエージェントマシン上に記録されます。
ハードウェアシステムデータとハードウェア – 12 時間ごと
パッチデータとパッケージデータ – 12 時間ごと
パフォーマンスデータ –「ジョブの管理」機能の「プロパティのロギング設定」ダイアログボックスで指定された間隔。このデータは履歴ログファイルに保存されます。
プロセスデータ– 15 分ごと
サーバー層のデータ収集サービスは、以下の方法でデータを収集します。
エージェントマシン – 現在のサーバーコンテキスト内にあり、Performance Reporting Manager ソフトウェアがインストール済みのエージェントマシンから、データが収集されます。エージェントマシンはサーバーのトポロジ内に含まれている必要があります。
パフォーマンスデータ – 毎時間ごとにロールアップデータが収集されます。