Solaris Container Manager 1.1 インストールと管理

リソース変更ジョブによるプロジェクトの変更

リソース変更ジョブ機能を使用して、複数のホストに分散されている複数のプロジェクトのリソース制限を変更できます。これらのプロジェクトは、同じコンテナを使用している必要があります。リソース変更ジョブをすぐに実行して変更を同時に実装するか、後で実行するようにスケジュールを設定できます。


注 –

Solaris 10 では、コンテナが大域ゾーンに配備されている場合にのみ、リソース変更ジョブ機能によってリソース割り当てが変更されます。



注 –

CPU 予約数 (CPU シェア数) はすぐに変更されます。メモリーキャップの変更は、スワップに書き込む必要があります。メモリーキャップの変更が大きいと、その調整中にシステムパフォーマンスに影響します。


リソース変更ジョブ表には、次の情報が表示されます。

リソース変更ジョブ名

ジョブ作成時に指定されたジョブ名

ホスト

コンテナが関連付けられているホストの名前

スケジュール

ジョブの実行が予定されている間隔。1 回だけ、毎時、毎日、毎週、毎月のいずれかです。

状態

ジョブの状態。値は、待ち状態、成功、失敗のいずれかです。

次の例では、「Webserver」と「Rollup」という名前のプロジェクトを使用して、リソース変更ジョブ機能を使用して組織全体のシステムリソースを管理する方法を示します。この例では、オンラインストアで Web サイトからの注文を処理します。Webserver プロジェクトは、北米中の Web サーバーで使用されている CPU とメモリーリソースを管理するために作成されました。Rollup プロジェクトは、データベースに必要なリソースを管理するために作成されました。日中と夕方には、ユーザーが Web サイトで注文を行うので、Web サーバーのリソースの需要が高くなります。深夜 0 時を過ぎると、Web サーバーの需要が大幅に下がります。夜の間に、日中の売上に関するレポートを実行するようにデータベースのスケジュールが設定されています。

CPU 8 個、物理メモリーが 6000M バイトのシステムでこの 2 つのコンテナに必要なリソースを管理するには、次の表に示す合計 4 つのリソース変更ジョブを作成できます。

表 4–2 リソース変更ジョブのスケジュールの例

コンテナ名 

リソース変更ジョブ名 

開始時刻 

間隔 

リソース変更 

Webserver 

webserver-day 

午前 6 時 

日別 

CPU: 6 

メモリー: 2500M バイト 

Rollup 

rollup-day 

午前 6 時 

日別 

CPU: 1 

メモリー: 2000M バイト 

Webserver 

webserver-night 

深夜 0 時 

日別 

CPU: 1 

メモリー: 2000M バイト 

Rollup 

webserver-night 

深夜 0 時 

日別 

CPU: 6 

メモリー: 2500M バイト 

2 つのリソース変更ジョブが毎朝 6 時に実行され、Webserver と Rollup の各プロジェクトのリソースが変更されます。日中は、Web サーバーの需要が高いため、Webserver プロジェクトに CPU と物理メモリーリソースの大半が割り当てられています。毎日、深夜 0 時にほかの 2 つのリソース変更ジョブが実行され、需要の変化に応じてシステムのリソースが再割り当てされます。その日の売上を記録するためにデータベースにリソースが必要になり、Web サーバーの需要は低くなっているので必要なリソースは少なくなります。

この機能は、Sun Management Center のジョブ管理機能に似ていますが、Container Manager の GUI を使用して Container Manager のジョブをすべて管理できます。Sun Management Center のジョブ機能については、『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』「ジョブ管理の概念」を参照してください。

Procedureリソース変更ジョブを使用してプロジェクトを変更する

手順
  1. Container Manager の GUI が開いていない場合は、「Container Manager の GUI を起動する」に従って起動します。

  2. コンテナ表示を選択します。

  3. ナビゲーションウィンドウでプロジェクト名を選択します。

    プロジェクトはホストに関連付けられている必要があります。

  4. 右側の区画で「ジョブ」タブを選択します。

    「リソース変更ジョブ」表が表示されます。

    図 4–3 例: 「リソース変更ジョブ」表

    リソース変更ジョブの画面

  5. 表の中の「新規リソース変更ジョブ」ボタンをクリックします。

    リソース変更ジョブウィザードが表示されます。「概要」パネルが表示されます。

  6. リソース変更ジョブの名前を指定します。説明の入力は省略可能です。

    名前は 32 文字以内で入力します。空白文字、ハイフン (-)、下線 (_)、およびピリオド (.) の各文字は使用できます。空白文字は下線 (_) に変換されます。

    「ホストを選択」パネルが表示されます。選択したコンテナが関連付けられているすべてのホストの名前が「選択可能」リストに表示されます。このウィンドウで 1 つまたは複数のホストを選択し、そのリソース制限を変更できます。

  7. 「選択可能」リストでホストを選択し、「追加」をクリックして「選択」リストに追加します。「すべてを選択」を使用してすべてのホストを追加することもできます。

    ホスト名が「選択」フィールドに移動します。

  8. 新しい最小 CPU 予約数 (CPU シェア数) を指定します。メモリーキャップは省略可能です。

    新しいリソース制限は、前の手順で選択したすべてのホストに適用されます。

  9. リソース変更ジョブの開始日、開始時刻、および間隔を指定します。

    リソース制限の変更内容は、指定した日時に有効になります。

  10. 「概要」パネルで設定を確認します。修正するには、「戻る」ボタンをクリックします。変更を完了したら、「完了」をクリックします。

    ウィザードが終了します。ジョブが「ジョブ」表に追加されます。状態は、ジョブの実行が予定されている日時まで「待ち状態」になります。リソース制限の変更内容は、指定した日時に有効になります。

Procedure待ち状態のリソース変更ジョブを変更する

「ジョブ」表で状態が「待ち状態」のジョブを変更するには、次の手順に従います。

手順
  1. Container Manager の GUI が開いていない場合は、「Container Manager の GUI を起動する」に従って起動します。

  2. ナビゲーションウィンドウでコンテナ表示を選択します。

  3. 右側の区画で「ジョブ」タブを選択します。

  4. 「リソース変更ジョブ」表で、名前の横のチェックボックスを選択し、変更するジョブを選択します。

    チェックボックスにチェックマークが表示されます。

  5. リソース変更ジョブを更新ウィザードを起動するには、「リソース変更ジョブを更新」ボタンをクリックします。

    パネルを移動する詳細な手順については、「リソース変更ジョブを使用してプロジェクトを変更する」を参照してください。

  6. 変更を完了したら、「完了」をクリックします。

    ウィザードが終了します。ジョブの変更内容は保存されます。

Procedureリソース変更ジョブのログを表示する

完了した変更ジョブのログを表示するには、次の手順に従います。ジョブで複数のホストが変更された場合は、ホストごとのジョブの状態がログに記録されます。

手順
  1. Container Manager の GUI が開いていない場合は、「Container Manager の GUI を起動する」に従って起動します。

  2. ナビゲーションウィンドウでコンテナ表示を選択します。

  3. 右側の区画で「ジョブ」タブを選択します。

  4. 「リソース変更ジョブ」表で、名前の横のチェックボックスを選択し、ログを表示するジョブを選択します。

    チェックボックスにチェックマークが表示されます。

  5. 「ログを表示」ボタンをクリックします。

    リソース変更ジョブのログファイルが表示されます。