Solaris Container Manager 1.1 インストールと管理

プロジェクトの種類

新規コンテナを作成するときは、プロジェクトの種類を選択する必要があります。プロジェクトは、ネットワーク全体で関連する作業を管理するための識別子 (ID) です。コンテナ内で実行されるプロセスはすべてプロジェクト ID が同じで、コンテナによってプロジェクト ID で使用されるリソースが追跡されます。コンテナの種類は、コンテナの作成時に選択します。

すべてのコンテナには、変更できないプロジェクト名があります。ホストでコンテナが有効になると、そのホストの /etc/project ファイルにこのプロジェクト名が追加されます。このエントリは、そのホストでコンテナが有効である間、維持されます。

1 つのホストで同じプロジェクト名のプロジェクトを同時に 2 つ有効にすることはできません。コンテナ内で実行されるプロセスはプロジェクト ID で追跡されるので、ホスト上のプロジェクト名はすべて固有である必要があります。

ユーザーベースまたはグループベースのプロジェクトを作成するとき、ユーザー名またはグループ名がプロジェクト名の一部に使用されます。ユーザーベースのコンテナの場合、プロジェクト名は user.username の書式で指定します。グループベースのコンテナの場合、プロジェクト名は group.groupname になります。したがって、ユーザーベースまたはグループベースのプロジェクトを作成するときは、/etc/project ファイルのデフォルトコンテナのエントリと重複するユーザー名またはグループ名を使用できません。詳細は、「デフォルトのコンテナ 」を参照してください。

アプリケーションベースのコンテナを作成するときは、任意のプロジェクト名を指定します。新規プロジェクトウィザードでは、異なるアプリケーションベースのプロジェクトに重複するプロジェクト名を指定できます。ただし、プロジェクト名が同じ 2 つのアプリケーションベースのプロジェクトを同じホストで同時に有効にすることはできません。コンテナを別のホストで有効にする場合にのみプロジェクト名を再利用してください。同じプロジェクト名のプロジェクトがあるホストでプロジェクトを有効にしようとすると、有効化に失敗します。

3 つのプロジェクトの種類の詳細と、選択したときの変更内容を次の表に示します。

表 3–2 プロジェクトの種類の詳細

プロジェクトの種類 

OS バージョン 

詳細 

ユーザーベース 

Solaris 8 

Solaris 8 でサポートされている唯一のプロジェクトの種類です。 

/etc/project ファイルのプロジェクト名は user.username になります。プロジェクトはユーザーの一次デフォルトプロジェクトになります。

 

Solaris 9 および Solaris 10 

/etc/project ファイルのプロジェクト名は user.username になり、このプロジェクトに後で加わることができる UNIX ユーザーの一覧が指定されます。

有効な書式は username です。

グループベース 

Solaris 9 および Solaris 10 

/etc/project ファイルのプロジェクト名は group.groupname になります。

有効な書式は groupname です。

アプリケーションベース 

Solaris 9 および Solaris 10 

プロジェクト名には、アプリケーション名またはその他の任意の名前を使用できます。指定した名前が /etc/project ファイルに追加されます。

一致式を指定して、一致するプロセスをプロジェクト名に自動的に移動できます。一致式では、大小文字が区別されます。 

プロセスの実行に使用される、対応する username または groupname を指定する必要があります。