Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

用語集

この用語集には、このマニュアルで使われている用語と定義を収録してあります。ほとんどの用語は、Backup 製品固有のものです。

ASM

Application Specific Module の略。ディレクティブの中で使われ、一連のファイルまたはディレクトリをバックアップしてして復旧する方法を指定するプログラム。たとえば compressasm は、ファイルの圧縮と解凍に使われる Backup のディレクティブである。

Backup クライアント

データをバックアップし、復旧するために Backup サーバーにアクセスするマシン。ワークステーション、PC、またはファイルサーバーがクライアントになれる。

Backup サーバー

ネットワーク上で Backup ソフトウェアが実行されるマシン。クライアントファイルインデックスが格納されており、同じネットワークとメディアデータベース上のクライアントとストレージノードに対してバックアップサービスと復旧サービスを提供する。

root

1. 「root」というユーザー名とユーザー ID を持つ UNIX のスーパーユーザーアカウント。

2. システムディレクトリ構造で最上ノードにある、スーパーユーザーのホームディレクトリ。

SNMP

Simple Network Management Protocol (簡易ネットワーク管理プロトコル) の略。マネージャ (モニターまたは管理ステーションとも呼ばれる) と管理対象のオブジェクトとの間の通信を定義する。Backup では、SNMP を使って Backup イベントを知らせるメッセージを管理者に送る。SNMP は、エンドユーザーを管理するシステムではなく、ネットワーク管理のためのメカニズムまたは定義である。

アーカイブ

Backup がディレクトリまたはファイルをアーカイブボリューム上にバックアップし、そのあとグルーミングして、ディスクスペースを解放する処理。データがアーカイブされると、1 つまたは複数のストレージボリュームに書き込まれ、自動的に再利用の対象にならないようにマークが付けられる。クライアントからアーカイブファイルを削除することによって、ディスクスペースを解放できる。「グルーミング」を参照。

アーカイブプール

アーカイブセーブセットだけから成るボリュームプール。これとは別のボリュームプールであるアーカイブクローンプールは、アーカイブセーブセットのクローンだけから成っている。

アーカイブボリューム

Backup でのアーカイブデータの保存に使われる、テープまたはその他のストレージメディア。バックアップボリューム、またはマイグレート記憶領域に対する用語。

アクティブグループ

自動起動の属性が有効になっている、アクティブなグループ。

異機種混在ネットワーク

異なるプラットフォームとオペレーティングシステムを使用する複数のシステムで構成され、相互に通信を行なっているネットワークのこと。

イネーブラコード

ソフトウェアを有効にするために Sun が提供する特殊なコード。製品を長期使用するためのライセンスを得るには、ソフトウェアを登録し、 Sun から返送された認証コードを入力しなければならない。

オートチェンジャ

機械的なアームを使って、1 つのデバイス内にあるさまざまなコンポーネント (スロット、メディアドライブ、メディアアクセスポート、トランスポート) 間でメディアを移動させるメカニズム。オートチェンジャは、バックアップおよび復旧時に、メディアのロードとマウントの機能を自動化できる。オートチェンジャという語は、ジュークボックス、カルーセル、ライブラリ、ニアラインストレージ、データホイール、オートローダといった、さまざまなバックアップデバイスを指す。

オペレータ

サーバーの状態の監視、バックアップボリュームのサーバーデバイスへのロード、および Backup を使用した日常の作業担当者。

階層型ストレージ管理 (HSM)

Hierarchical Storage Management の略。あるストレージメディアから別のストレージメディアにデータを移すデータ管理方法。データは、通常、高価で高速なアクセスメディアから、安価で低速なメディアへと移される。

クライアントファイルインデックス

バックアップされたすべてのファイルまたはファイルシステムを追跡管理するための、Backup サーバーによって保守される情報のデータベース。Backup サーバーは、1 台のクライアントマシンに対して 1 つのクライアントインデックスファイルを管理する。

グループ

指定された時刻にファイルのバックアップを開始する 1 つのクライアント、またはクライアントのグループ。

グルーミング

アーカイブ動作が正常に完了したあと、元のファイルをローカルディスクから削除する処理。

クローン

Backup が、保存されたデータ (セーブセット) とまったく同じコピーを作成する処理。Backup では、個々のセーブセットでも、バックアップボリュームの全体でもクローンを作成できる。クローン作成では、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースの両方に、追跡可能な情報のエントリが残される。この点が、オペレーティングシステムやハードウェアデバイスによるコピー操作とは異なる。

クローンボリューム

複製されたボリューム。Backup では、バックアップクローン、マイグレートクローン、アーカイブクローンの 3 種類のクローンボリュームを追跡できる。種類の異なるセーブセットを同じクローンボリューム上で混在させることはできない。

コマンド行インタフェース

Backup ソフトウェアとのインタフェースで、シェルプロンプトに入力されるコマンド文がベースとなる。「シェルプロンプト」を参照。

サーバー

オンラインインデックスを備えていて、Backup ソフトウェアを実行しているネットワーク上のマシン。ネットワーク上のクライアントに、バックアップサービスと復旧サービスを提供する。

サイロ

数百または数千のボリュームを格納できる倉庫。サイロのボリュームは、スロット番号ではなくバーコードによって識別される。これらのボリュームは、サーバーマシンにあるサイロ管理ソフトウェアによって制御される。サーバーマシンは、Backup サーバーマシンである必要はない。

シェルプロンプト

シェルウィンドウ上でコマンドを入力する位置を示す記号または文字。「コマンド行インタフェース」を参照。

自動メディア管理

ラベル付け、マウント、およびラベルなしとみなされるボリュームへの上書きの処理を Backup で自動的に行うための機能。さらに Backup では、再使用の対象となるボリュームを自動的に再利用する。

スケジュール変更

「Schedule」リソースに指定されている特定の日付のバックアップのレベルを変更するための Backup の機能。この機能の使用法については、nwadmin プログラムのオンラインヘルプを参照。

スタンドアロンデバイス

データバックアップ用のドライブを 1 台だけ備えているストレージデバイス。

ステージング

あるストレージメディアから別のストレージメディアにデータを移す処理。たとえば、バックアップ、アーカイブ、またはマイグレートによって生成されたセーブセットをディスクファイルからテープに移すこと。

ストレージデバイス

バックアップ、復旧、またはその他の Backup 動作の際に、データを読み取り、書き込むためのハードウェア。

ストレージノード

サーバーに物理的に接続されているストレージデバイスで、制御元の Backup サーバーによってそのバックアップ動作が管理される。

セーブセット

1 つのクライアントマシンからストレージメディア上にバックアップされたファイルグループ、またはファイルシステム。

セーブセット ID

Backup が各セーブセットに割り当てる内部的な識別番号。

セーブセット状態

セーブセットの状態を表すもので、復元可能、復旧可能、再利用可能のいずれか。セーブセット状態によって、セーブセットが正常にバックアップされているかどうかがわかる。

セーブセットの復旧

指定したセーブセットを Backup サーバー上に復旧すること。

セーブストリーム

バックアップの際にストレージボリュームに書き込まれるデータとセーブセット情報。セーブストリームは、1 つのセーブセットから作られる。

相互運用性

複数のベンダー製の複数のマシン間で有効な通信を行うための、ソフトウェアとハードウェアの能力。

属性

リソースの持つ 1 つの機能。具体的には、リソースが提供するサービスまたは情報である。

多重化

複数のセーブセットのデータを、別のストレージデバイス上の 1 つのストレージボリュームに書き込む Backup 機能。

注釈

あとでデータを容易に特定できるようにするため、Backup 管理者またはユーザーが、アーカイブ用のセーブセットに付けておく短い説明。検索しやすくするため、注釈はメディアデータベースに保存される。1,024 文字以内でなければならない。

通知

重要な Backup イベントを知らせるため、Backup 管理者に対して送信されるメッセージ。

ディレクティブ

Backup に対する命令で、ディレクティブファイルに対して行うべき特定の処理内容の指定。

ディレクティブに従った復旧

あるクライアントマシンで作成されたデータを復旧して、これを別のクライアントマシン上に作成し直す復旧方法。

データベース

複数の目的のために複数のユーザーをサポートする、関連のあるデータのコレクション。

デーモン

明示的には起動されるものではないが、ある指定された条件が起こるまでは休止したまま待機しているプログラム。

デバイス

Backup サーバーに接続され、メディア上のデータを保存する装置。スタンドアロンマシンのデバイスと、オートチェンジャ内のデバイスがある。

取り出し

Backup が前にアーカイブしたファイルとディレクトリの場所を探し、コピーして再取得する処理。

パス名

ファイルにアクセスするための、オペレーティングシステムに対する 1 組の命令。絶対パス名は、ルートディレクトリを出発点としてディレクトリツリー内を下方にたどりながらファイルを探す場合に指定する。相対パス名は、現在のディレクトリを出発点としてファイルを探す場合に指定する。

バージョン

バックアップ可能なファイルからなる、日付スタンプの付いたコレクション。

バックアップ、手動

ユーザーがクライアントの save プログラムから要求するバックアップ。これに関係するファイル、ファイルシステム、ディレクトリをユーザーが指定する。手動バックアップでは、ブートストラップセーブセットは生成されない。

バックアップサイクル

あるレベルのフルバックアップから次のレベルのフルバックアップまでの期間。

バックアップグループ

それぞれのスケジュールされたバックアップが同時に開始される、Backup クライアントから成るグループ。

バックアップレベル

スケジュールされたバックアップまたは手動バックアップにおいて、Backup が保存するデータの量を決めるレベル。

フルバックアップでは、ファイルに変更があるかどうかにかかわらず、すべてのファイルが保存される。

1 から 9 までのレベルのバックアップでは、あるレベルよりも低いレベルの前回のバックアップ以後に変更されたファイルをバックアップする。

差分 (incr) バックアップでは、前回のバックアップ以後に変更されたファイルだけを保存する。

バックアップボリューム

Backup によるバックアップデータの保存に使われる、テープまたはその他のストレージメディア。アーカイブボリュームまたはマイグレート記憶領域に対する用語。

ファイルシステム

1. 特定のディスクパーティション、またはその他のマウントポイントに置かれているファイルツリー。

2. すべてのファイルのセット全体。

3. ファイルを格納する手段。

ブートストラップ

ブートストラップセーブセットは、Backup による障害復旧手順には不可欠である。メディアデータベース、リソースデータベース、サーバーインデックスの 3 つのコンポーネントから成り、Backup サーバーに常駐する。サーバーインデックスは、スケジュールされたバックアップによってバックアップされたすべてのサーバーファイルをリストにしたファイルである。

プール

選択されたボリュームにバックアップデータをソートするための機能。ボリュームプールは、特定のデータがバックアップされているいくつかのバックアップボリュームから成る。

復旧

クライアントのファイルシステムとデータベースのイメージを、Backup サーバーマシンで作成し直す復旧の方法。

ブラウズポリシー

バックアップデータのエントリをクライアントファイルインデックス内に残しておく期間を決めるポリシー。

並列処理

Backup サーバーが、同時に複数のクライアントのセーブセットをバックアップするための、あるいは 1 つのクライアントの複数のセーブセットを同時にバックアップするための Backup 機能。並列処理は、バックアップだけでなく復旧にも使用できる。

保持ポリシー

セーブセットのエントリをメディアデータベースに残しておく期間を決めるポリシー。

ボリューム

磁気テープ、光ディスク、ディスクファイルなど、メディアの物理的ユニット。

マイグレート

ファイルをクライアントのローカルディスクから、より低速で安価なメディアに移す HSM の動作。

マイグレート記憶領域

マイグレートされたデータを保存するメディア。

マシン

ファイルサーバー、コンピュータサーバー、ディスク付きのワークステーション、ディスクなしのワークステーションなどのコンピュータ。

メディア

バックアップデータを書き込む物理的な記憶媒体。Backup では、バックアップメディアとしてテープ、磁気ディスク、光ディスク、ファイルをサポートしている。

メディアデータベース

ストレージボリュームの位置と、Backup サーバーによって管理されるすべてのデータとボリュームのライフサイクル状況を示すインデックス付きエントリが記録されているデータベース。

メディアマネージャ

バックアップボリュームに関連付けられているセーブセットを追跡するための Backup のコンポーネント。

リソース

管理するうえで必要なもの、あるいはユーザーが指定しておくべきもの。たとえば、ストレージデバイス、バックアップスケジュール、イベント通知など。Backup 管理プログラムでは、リソースはウィンドウに表示される。リソースの中で属性を指定する。

リモートデバイス

Backup のストレージノードに接続されているストレージデバイス。

レジストリ

Windows NT オペレーションの中心となる構成情報を格納したデータベース。Windows NT の設定値をすべてここに集中させて、システム設定、セキュリティ設定、ユーザーアカウント設定を制御し、セキュリティを管理する。