この項では、Backup ソフトウェアに関する重要な注意事項とヒントを提供します。さらに、適宜、推奨事項も記載しています。
例 1-1 のスクリプトを使って ClearCase VOB (バージョンオブジェクトデータベース) をロックし、バックアップを行なってから、VOB のロックを解除します。カスタマイズしたスクリプトファイルは、Backup の save プログラムがインストールされているディレクトリ (たとえば、Solaris システム上では、save プログラムは /usr/sbin/nsr ディレクトリにインストールされる) に常駐させる必要があります。ClearCase VOB 用に構成された「Client」リソースの「Backup Command」属性にスクリプト名を入力します。スケジュールされたバックアップ処理の過程で、通常の save プログラム の代わりに Backup コマンドが呼び出されます。
#!/bin/sh
# export the SHELL that we are going to use
SHELL=/bin/sh
export SHELL
# export the correct PATH so that all the required binaries can be found
case $0 in
/* ) PATH=/usr/atria/bin:/bin:/usr/bin:¥Q/bin/dirname $0¥Q
c=¥Q/bin/basename $0¥Q
;;
* )PATH=/usr/atria/bin:/bin:/usr/bin:/usr/sbin:/usr/bin/nsr:/usr/sbin/nsr
c=$0
;;
esac
export PATH
# These are the valid statuses which save reports on completion of the backup
statuses="
failed.
abandoned.
succeeded.
completed savetime=
"
# Perform the PRECMD (Lock VOB)
/usr/atria/bin/cleartool setview -exec "/usr/atria/bin/cleartoollock -c ¥
`VOB backups in progress' -vob /cm_data/mis_dev" magic_view >
/tmp/voblock.log 2>&1
# Perform backup on client
save "$@" > /tmp/saveout$$ 2>&
# cat out the save output
cat /tmp/saveout$$
# search for the backup status in the output reported by save
for i in ${statuses}; do
result=¥Qgrep "${i}" /tmp/saveout$$¥Q
if [ $? != 0 ]; then
echo ${result}
fi
done
# Perform the POSTCMD (Unlock VOB)
/usr/atria/bin/cleartool setview -exec "/usr/atria/bin/cleartoolunlock - vob
/cm_data/mis_dev" ¥
magic_view > /tmp/vobunlock.log 2>&
# make sure to gracefully exit out of this shell script
exit 0
|
バックアップを実行させるためには、スクリプト内に save コマンドを組み込む必要があります。save プログラムと同じディレクトリ内にスクリプトファイルがないと、バックアップは失敗します。
Emass/Grau サイロと StorageTek サイロの場合は、/etc/init.d/S95networker 起動ファイルを次のように編集する必要があります。
最後の行の後に、次の指定を追加します。
'start') (echo 'starting Backup daemons:') > /dev/console |
Emass/Grau サイロの場合は、次の 8 行を追加します。
DAS_SERVER = name-of-DAS-server export DAS_SERVER DAS_CLIENT = name-of-system-as-defined-to-DAS-server export DAS_CLIENT DAS_MEDIUM = type-of-tape-drive-used (select from one of the following: 3480, OD-Thick, OD-Thin, DECDLT, 8MM, 4MM, D2, VHS, 3590, CD, TRAVAN, DTF, BETACAM, AUDIOTAPE) export DAS_MEDIUM ACI_MEDIA_TYPE = same-as-DAS_MEDIUM export ACI_MEDIA_TYPE |
StorageTek サイロの場合は、次の 4 行を追加します。
CSI_HOSTNAME = name-of-ACSLS-system export CSI_HOSTNAME /networker-binaries-path/mini_el & /networker-binaries-path/ssi & |
並列処理とデバイスの最大数は、使用している Backup 製品の種類と、有効なストレージノードの数によって決まります。表 1-1 にこれを示します。有効なストレージノードの数に関係なく、並列処理数の上限は 512、デバイス数の上限は 256 です。
表 1-1 並列処理数とデバイス数の上限|
Backup 製品 |
各並列処理またはデバイスに有効なストレージノードがある場合 |
ストレージノードがない場合 |
|---|---|---|
|
Server Edition |
並列処理数 : 32 最大数 = (32*ノード数) + 32 |
並列処理数 : 32 |
|
デバイス数 : 16 最大数 = (16*ノード数) + 16 |
デバイス数 : 16 |
|
|
NetWork Edition |
並列処理数 : 32 最大数 = (32*ノード数) + 32 |
並列処理数 : 32 |
|
デバイス数 : 16 最大数 = (16*ノード数) + 16 |
デバイス数 : 16 |
|
|
Power Edition |
並列処理数 : 32 最大数 = (32*ノード数) + 64 |
並列処理数 : 64 |
|
デバイス数 : 16 最大数 = (16*ノード数) + 32 |
デバイス数 : 32 |
Backup 5.0 クライアントソフトウェアがインストールされている Backup クライアント上のシステムクロックの設定が、Backup サーバーのシステムクロックの設定と 1 分以上ずれている場合は、スケジュールされたバックアップ処理の過程で savegrp プログラムが呼び出されると、次のメッセージが表示されます。
Warning: unsynchronized client clock detected |
システムクロック間の同期のずれが 2 分未満の場合は、上のメッセージは表示されますが、スケジュールは受け付けられます。ただし、古いリリースの Backup クライアントソフトウェアがインストールされているマシンでは、受け付けられません。この問題を解決するには、サーバーとクライアントのクロックの差が、1 分以内になるように同期させてください。
クライアントとやりとりする、認可されたサーバー名を入力するようにプロンプトが表示されたとき、バックアップサーバー名を指定しないと、すべてのバックアップサーバーにクライアントとのやりとりが認可されます。1 つまたは複数の認可されたバックアップサーバーのリストを指定しない場合は、どのバックアップサーバーにもクライアントとのやりとりが認可されます。
1 つの障害復旧を実行する場合、実行の前に事前構成を必要とする場合があります。
メディアデバイスが複数台ある場合は、障害復旧の開始前にデバイスを構成しなければなりません。Backup のインストールによって作成されるデフォルトのデバイスは、常に 4 mm のデバイスです。使用デバイスが 4 mm のデバイスでなければ、それを Backup から削除して、正しいデバイスタイプを作成する必要があります。
Backup をインストールし直したら、mmrecov プログラムを起動する前に、サーバーに対応するクライアントリソースを編集して、ブラウズポリシーと保持ポリシーを、両方とも 10 年間に設定します。こうすることにより、サーバーのレコードがすべて mmrecov プログラムによって復旧できます。この設定を行わないと、レコードはすべて復旧されますが、デフォルトのブラウズポリシーは 1 か月なので、保存期間が 1 か月を越えるレコードは破棄されます。
サーバーのファイルインデックスへのパスを新しい位置に移し替えた場合は、障害復旧の開始前に、クライアントインデックスパスのリソースを編集しなければなりません。その場合は、インデックスパスを障害発生前に使用してパスに変更します。 サービスを再起動して、Backup にインデックスパスが変更されたことを知らせます。最後に、/usr/sbin/nsr ディレクトリから nsrck -c コマンドを実行して、復旧されたレコードを格納する空のファイルインデックスを作成します。
同じ nsrjb コマンドで -o オプションを 2 回使用すると、最初の -o オプションは無視されます。たとえば、次のように入力したとします。
# nsrjb -o notreadonly -o notfull -S 2 |
-o notreadonly オプションは実行されません。実行させるには、このコマンドを次のように入力する必要があります。
# nsrjb -Y -o notreadonly -S n # nsrjb -Y -o notfull -S n |
セーブセット復旧機能は、現在、Windows 95 を動作させているコンピュータでは作動しません。将来、パッチによって、Windows 95 でのセーブセット復旧が可能になる予定です。
Windows NT クライアントでは、セーブセット復旧機能は使用できますが、クライアントのユーザーインタフェースが、復旧に必要なディスク領域の容量を正しく示さない場合があります。その場合は、間違った情報は無視して、復旧を続けてください。