重要なデータの消失から復旧するためには、さらに予防手段が必要です。つまり、障害復旧が起こる前に、ネットワーク上の各ディスクがどのようにパーティション分割され、フォーマットされているかを調べ、その情報を印刷して保存しておきます。障害によってディスクが損傷または破壊されたら、これらのディスク情報を使って、ディスクをディスククラッシュが生じる前の状態に作成し直します。各システムのディスクシステムとファイルシステムの配置がそれぞれ異なっている場合は、Backup で各システムをバックアップするたびに、同じ作業を繰り返します。
ディスク構成を作成し直す際に、復旧したデータをすべて収められるように、パーティションを大きくしなければならない場合があります。パーティションは、少なくともクラッシュの前と同じ大きさにします。
Backup サーバーのディスクがどのようにパーティション分割され、マウントされているかを調べるには、df を使います。ディスクのパーティション情報を印刷するには、それぞれのオペレーティングシステムの該当するコマンドを使います。ローカルなハードディスクを持っている Backup クライアントに対しても、同様の作業を行います。
df -k コマンドを使うと、次のような情報が得られます。
Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on /dev/dsk/c0t3d0s0 865678 624020 155098 80% / /dev/dsk/c0t1d0s6 265807 198729 40498 83% /usr /dev/dsk/c0t1d0s4 96103 57468 29025 66% /var swap 107756 8 107748 0% /tmp |
次に、dkinfo コマンドの使用例を示します。SunOS システムでは、このコマンドを使って、各ディスクがどのようにパーティション分割されているかを知ることができます。
例 1-2 の prtvtoc コマンドの使用例は、Solaris システムで各ディスクがどのようにパーティション分割されているかを示しています。デバイス名には、df コマンドで出力されたディスク情報のデバイス名をそのまま使用します。
* /dev/dsk/c0t1d0s3 partition map
*
* Dimensions:
* 512 bytes/sector
* 80 sectors/track
* 17 tracks/cylinder
* 1360 sectors/cylinder
* 3500 cylinders
* 1965 accessible cylinders
*
* Flags:
* 1: unmountable
* 10: read-only
*
* First Sector Last
* Partition Tag Flags Sector Count Sector Mount Directory
2 5 00 0 2672400 2672399
3 6 00 0 1434800 1434799 /export
4 7 00 1434800 205360 1640159 /var
5 6 00 1640160 463760 2103919 /opt
6 4 00 2103920 568480 2672399 /usr
|
ディスクが損傷している場合は、これらのディスク情報表示用のコマンドで得られたハードコピー情報を使って、ディスクを復元し、ファイルシステムを元の状態に復旧することができます。