Solstice Backup 5.1 障害復旧ガイド

重要な情報

この項で説明する手順によって、障害復旧に必要なブートストラップ情報と、ディスク構成情報を収集します。

ブートストラップ情報

スケジュールされたバックアップ処理においてサーバーをバックアップするたびに、ブートストラップと呼ばれる特殊なセーブセットが 1 つ作成されます。このブートストラップは、正しい障害復旧には不可欠です。ブートストラップには、Backup サーバーファイルインデックス、メディアデータベース、構成ファイルが入っています。


注意 - 注意 -

Backup がブートストラップ情報を保存するのは、スケジュールされたバックアップ処理の場合だけであり、手動バックアップの場合には保存されません。


Backup によって、日付、場所、セーブセット識別番号 (ID) から成る最新のブートストラップ情報が、印刷またはファイルに保存されます。スケジュールされたバックアップ処理が Backup によって行われるたびに生成されるブートストラップ情報の例を、例 1-1 に示します。ブートストラップ内容の印刷出力または電子的ファイルは、必ず安全な場所に保管しておいてください。

ブートストラップによって、前の月にバックアップされたブートストラップのセーブセットが一覧表示されます。次に例を示します。


例 1-1 ブートストラップ情報の例


August 20 03:30 1996 Backup bootstrap information Page 1
date    time    level   ssid            file    record  volume
8/19/96 2:29:08 9       1148868949      56      0       mars.005
8/20/96 2:52:25 9       1148868985      77      0       mars.001

Backup サーバーインデックスに対しては、savegrp コマンドを使って、スケジュールされたバックアップを行うこともできます。このコマンドは、また、プリンタまたは電子的ファイルに対してブートストラップ情報を送ります。次に、使用例を示します。


# savegrp -O -c server-name

savegrp -O コマンドを使うには、Backup サーバーでスーパーユーザーになっている必要があります。

ブートストラップデータを印刷またはファイルに保存する機能については、『Solstice Backup 5.1 管理者ガイド』を参照してください。

ブートストラップのセーブセット ID

ブートストラップをもっとも効率よく復旧するには、障害が起こる前にブートストラップ情報を保存しておきます。ただし、ブートストラップ情報が不明な場合は、最新のバックアップボリュームを探して、最新のブートストラップのセーブセット ID (または ssid) を見つけ出さなければなりません。scanner -B コマンドを使って、有効なブートストラップを探します。

ブートストラップの検索方法

最新の日付のブートストラップを検索したら、mmrecov コマンドを実行して、scanner コマンドによって表示されたセーブセットの ID とファイル番号を指定します。

最新のセーブセット ID は、次の手順で検索します。

  1. スケジュールされたバックアップ処理に使用した最新のメディアをサーバーデバイスに置きます。

  2. システムプロンプトで、最初に Backup をインストールしたディレクトリ (通常は /usr/sbin/nsr) に移動します。

  3. scanner -B コマンドを使って、メディア上の最新のブートストラップを検索します。次に例を示します。


    # /usr/sbin/nsr/scanner -B /dev/rmt/0hbn
    

    scanner -B コマンドによって、バックアップボリュームで検索された最新のブートストラップのセーブセット情報が次のように表示されます。


    scanner: scanning 8mm tape jupiter.001 /dev/rmt/0hbn
    
    scanner: Bootstrap 1148869870 of 8/21/96 7:45:15 located on volume
    jupiter.001, file 88

ディスク情報

重要なデータの消失から復旧するためには、さらに予防手段が必要です。つまり、障害復旧が起こる前に、ネットワーク上の各ディスクがどのようにパーティション分割され、フォーマットされているかを調べ、その情報を印刷して保存しておきます。障害によってディスクが損傷または破壊されたら、これらのディスク情報を使って、ディスクをディスククラッシュが生じる前の状態に作成し直します。各システムのディスクシステムとファイルシステムの配置がそれぞれ異なっている場合は、Backup で各システムをバックアップするたびに、同じ作業を繰り返します。


注意 - 注意 -

ディスク構成を作成し直す際に、復旧したデータをすべて収められるように、パーティションを大きくしなければならない場合があります。パーティションは、少なくともクラッシュの前と同じ大きさにします。


Backup サーバーのディスクがどのようにパーティション分割され、マウントされているかを調べるには、df を使います。ディスクのパーティション情報を印刷するには、それぞれのオペレーティングシステムの該当するコマンドを使います。ローカルなハードディスクを持っている Backup クライアントに対しても、同様の作業を行います。

df -k コマンドを使うと、次のような情報が得られます。


Filesystem            kbytes    used   avail capacity  Mounted on
/dev/dsk/c0t3d0s0     865678  624020  155098    80%    /
/dev/dsk/c0t1d0s6     265807  198729   40498    83%    /usr
/dev/dsk/c0t1d0s4      96103   57468   29025    66%    /var
swap                  107756       8  107748     0%    /tmp

次に、dkinfo コマンドの使用例を示します。SunOS システムでは、このコマンドを使って、各ディスクがどのようにパーティション分割されているかを知ることができます。


% dkinfo sd0a
	SCSI CCS controller at addr f8800000, unit # 24
	1151 cylinders 9 heads 80 sectors/track
	33120 sectors (46 cyls)
	starting cylinder 0
% dkinfo sd0b
	1151 cylinders 9 heads 80 sectors/track
	197280 sectors (274 cyls)
	starting cylinder 46

例 1-2prtvtoc コマンドの使用例は、Solaris システムで各ディスクがどのようにパーティション分割されているかを示しています。デバイス名には、df コマンドで出力されたディスク情報のデバイス名をそのまま使用します。


例 1-2 prtvtoc コマンドによる出力例


* /dev/dsk/c0t1d0s3 partition map
*
* Dimensions:
*     512 bytes/sector
*      80 sectors/track
*      17 tracks/cylinder
*    1360 sectors/cylinder
*    3500 cylinders
*    1965 accessible cylinders
*
* Flags:
*   1: unmountable
*  10: read-only
*
*                          First     Sector    Last
* Partition  Tag  Flags    Sector     Count    Sector  Mount Directory
       2      5    00          0   2672400   2672399
       3      6    00          0   1434800   1434799   /export
       4      7    00    1434800    205360   1640159   /var
       5      6    00    1640160    463760   2103919   /opt
       6      4    00    2103920    568480   2672399   /usr

ディスクが損傷している場合は、これらのディスク情報表示用のコマンドで得られたハードコピー情報を使って、ディスクを復元し、ファイルシステムを元の状態に復旧することができます。