この章では、バージョン 4.0 の製品を N1 Service Provisioning System 4.1 へアップグレードする手順を示します。
4.0 以前のバージョンを使用している場合は、4.0 にアップグレードしてから、N1 Service Provisioning System 4.1 にアップグレードする必要があります。
この章の内容は次のとおりです。
バージョン 4.0 の Master Server と同じシステムにバージョン 4.1 の Master Server をインストールして、Master Server をアップグレードします。 このインストール方法は「サイドバイサイド方式」として知られています。 次に、バージョン 4.0 の Master Server のデータをバージョン 4.1 の Master Server へ移行します。 Master Server のデータの移行処理が完了したら、指示に従って Remote Agent と Local Distributor をアップグレードします。 CLI クライアントは、アップグレードする必要はありません。バージョン 4.1 の CLI クライアントをインストールし、バージョン 4.0 をアンインストールするだけで済みます。
Master Server アプリケーションのアップグレード方法は、通常のソフトウェアのアップグレード方法とは異なっています。 具体的には、新しいバージョンの Master Server を以前のバージョンの Master Server と同じシステム上にインストールし、以前のバージョンの Master Server のデータを新しいバージョンの Master Server へ移行します。
バージョン 4.0 の Master Server のデータをバージョン 4.1 へ移行すると、バージョン 4.1 の Master Server のデータがすべて削除されます。 新旧の Master Server は、移行スクリプトの働きにより、移行が完了するまで停止状態になります。 移行中、Master Server を使用することはできません。
「「Solaris OS、Red Hat Linux、IBM AIX システムへ N1 Service Provisioning System 4.1 をインストールする」」の手順に従って、バージョン 4.0 の Master Server がインストールされているシステムに N1 Service Provisioning System 4.1 Master Server をインストールします。 移行を開始する前に、新旧バージョンの Master Server を同一のマシンにインストールスル必要があります。
移行データのバックアップを作成する方法については、「「Master Server のバックアップを作成する」」を参照してください。
移行中にデータベースの最適化が行われないことを確認します。
データの移行中に、データベースの最適化を行う cron ジョブがスケジュールされていないかどうかチェックします。
Master Server ディレクトリを所有するユーザーとしてログインします。
移行スクリプトを開始します。
# /N1SPS4.1-home/server/bin/migrate/cr_4.0.2-4.1_migration.sh |
N1SPS4.1-home には、アプリケーションのインストールディレクトリを指定します。 デフォルトのディレクトリは /opt/SUNWn1sps/N1_Service_Provisioning_System_4.1 です。
画面の指示に従って、移行を完了します。
移行が完了すると、次のメッセージが表示されます。
Master Server migration completed successfully. |
Postgres データベース、Web インタフェース、Master Server のリスナーポート番号は、移行対象から除外されます。 N1 Service Provisioning System 4.1 Master Server は、インストール時に指定されたポート番号を使用します。
移行中にエラーが発生していないか、ログファイルをチェックします。
移行スクリプトにより、ログファイルの場所が表示されます。
「「Master Server のバックアップを作成する」」の指示に従って、新しい Master Server へ移行したデータのバックアップを作成します。
バージョン 4.0 の Master Server のデータをバージョン 4.1 へ復元することはできません。 バージョン 4.1 の Master Server のデータのバックアップを作成します。これは、必要に応じて使用できる、完全かつ厳密なデータバックアップです。
Master Server アプリケーションのアップグレード方法は、通常のソフトウェアのアップグレード方法とは異なっています。 具体的には、新しいバージョンの Master Server を以前のバージョンの Master Server と同じシステム上にインストールし、以前のバージョンの Master Server のデータを新しいバージョンの Master Server へ移行します。
以下の手順に従って、バージョン 4.1 の Windows Master Server をバージョン 4.0 の Master Server と同じマシン上にインストールします。
IPC デーモンサービスを停止するため、Windows 管理ツールの「サービス」アプリケーションを使って、バージョン 4.0 の Master Server を停止します。
バージョン 4.0 の Master Service、特に IPC デーモンとサーバーを手動で起動するように設定します。
「「Windows システムに N1 Service Provisioning System 4.1 Master Server をインストールする」」の指示に従って、バージョン 4.1 の Master Server をインストールします。
バージョン 4.0 の Master Server を所有するユーザーおよびグループの権限で、バージョン 4.1 の Master Server をインストールします。
同じシステム上で同時に複数のバージョンの Master Server を実行することはできません。 IPC デーモンサービスを停止または開始するため、Windows 管理ツールの「サービス」アプリケーションを使って、Master Server を開始したり停止したりできます。
バージョン 4.0 の Master Server のデータをバージョン 4.1 の Master Server へ移行します。
データの移行方法については、「「Windows Master Server 上のデータを移行する」」を参照してください。
(任意) バージョン 4.0 の Master Server をアンインストールします。
バージョン 4.0 の Master Server をもう使用しない場合は、「「Windows システム上のアプリケーションのアンインストール」」の手順に従ってアンインストールすることができます。
バージョン 4.0 の Master Server のデータをバージョン 4.1 へ移行すると、バージョン 4.1 の Master Server のデータがすべて削除されます。 新旧の Master Server は、移行スクリプトの働きにより、移行が完了するまで停止状態になります。 移行中、Master Server を使用することはできません。
「「サイドバイサイド方式で Windows Master Server をインストールする」」の手順に従って、以前のバージョンの Master Server がインストールされているシステムに N1 Service Provisioning System 4.1 Master Server をインストールします。 移行を開始する前に、新旧バージョンの Master Server を同一のマシンにインストールスル必要があります。
コマンドプロンプトウィンドウを開きます。
C:\Program Files\N1 Service Provisioning System\4.1\server\bin\migrate ディレクトリに移動します。
cd C:\Program Files\N1 Service Provisioning System\4.1\server\bin\migrate |
C:\Program Files\N1 Service Provisioning System\4.1\ は、Master Server のインストールディレクトリです。
次のように入力して、移行を開始します。
.\cr_migrate.cmd |
画面の指示に従って、移行を完了します。
移行が完了すると、次のメッセージが表示されます。
Master Server migration completed successfully. |
Postgres データベース、Web インタフェース、Master Server のリスナーポート番号は、移行対象から除外されます。 N1 Service Provisioning System 4.1 Master Server は、インストール時に指定されたポート番号を使用します。
移行中にエラーが発生していないか、ログファイルをチェックします。
移行スクリプトにより、ログファイルの場所が表示されます。
Remote Agent と Local Distributor のアップグレードには、Master Server の Web インタフェースを使用します。 アップグレードを完了するためには、「Update Entire N1 SPS network」ボタンを 2 回クリックする必要があります。
Remote Agent と Local Distributor のアップグレードを開始する前に、Master Server を移行します。
N1 Service Provisioning System 4.1 Master Server の Web インタフェースにログインします。
「Hosts」をクリックします。
マスターサーバーをクリックします。
「Update Entire N1 SPS network...」ボタンをクリックします。
ウィンドウが開き、アップグレード対象のホストが一覧表示されます。 アップグレードの進捗状況も表示されます。 処理が完了すると、次のメッセージが表示されます。
Host Update not yet complete. |
「Close」ボタンをクリックします。
アップグレードの第 2 段階を完了するには、「Update Entire N1 SPS network...」ボタンを再度クリックします。
ウィンドウが開き、アップグレード対象のホストが一覧表示されます。 アップグレードの進捗状況も表示されます。 処理が完了すると、各ホストのステータスが「Updated」になります。
「Close」ボタンをクリックします。
アップグレードは完了しました。
アップグレードした Remote Agent の準備を行います。
アップグレードした Remote Agent でプランを実行するには、Remote Agent の準備が必要です。 具体的な手順については、『『N1 Service Provisioning System 4.1 ユーザーガイド』』を参照してください。
次の表に、Master Server 上の移行データの種類を示します。
表 9–1 移行の概要
Master Server 上のデータ |
移行データか? |
移行方法 |
---|---|---|
PostgresSQL データ |
はい |
SQL スクリプト |
既存のコマンドに変更を加えるための CLI クライアントスクリプト |
いいえ |
|
CLI クライアントから直列化されたオブジェクトの移行 |
いいえ |
|
各ノードの config.properties ファイルへの変更内容の移行 |
はい |
ファイルに記載されているプロパティの移行は、「「プロパティファイルの移行の詳細情報」」に従って行われる |
リソースの移行 |
はい |
リソースディレクトリをコピーする |
centerrun.properties ファイルは config.properties ファイルへ移行されます。 移行中、バージョン 4.0 のファイル内の各プロパティ値がバージョン 4.1 の config.properties ファイル内のプロパティ値と比較されます。 値が同じであれば、そのプロパティは移行対象から除外されます。 値が異なっている場合、バージョン 4.0 の値がバージョン 4.1 の config.properties ファイルにコピーされます。 バージョン 4.0 のファイルには存在するのにバージョン 4.1 のファイルには存在しないプロパティがある場合、バージョン 4.0 の値がバージョン 4.1 のファイルに追加されます。 次のプロパティの値は、バージョン 4.1 の config.properties ファイルへ移行されません。
webserver.TomcatHome
rsrc.localrepo
db.port
hostdb.ms.ipaddress
hostdb.ms.port
note.mailsubject
net.server.nconn
net.server.type.1
net.server.ip.1
net.server.port.1
net.server.parms.1
note.url
pe.defaultUserToRunAs
hostdb.ms.connectiontype
pe.maxSimulPlans
バージョン 4.0 のプロパティファイルでこれらのプロパティの値を変更した場合、バージョン 4.1 の config.properties ファイルの値を手動で変更する必要があります。