N1 Service Provisioning System 4.1 リファレンスガイド

CLI の操作

ユーザー名とパスワードまたはセッション ID による認証

コマンド行インタフェースのコマンドでは、一部を除いてユーザー名とパスワードまたはセッション ID による認証が必要です。


cr_cli -cmd [command] -u [user] -p [password]

注 –

コマンドのヘルプを参照する場合や使用可能なコマンドをすべて一覧表示する場合は、ユーザー名とパスワードは必要ありません。


セキュリティを強化したい場合は、ファイルにパスワードを設定してから、そのファイルをコマンドに渡します。 こうすることで、パスワードを含むファイルへのアクセスを制限するファイルシステムを使用できます。 認証が必要なコマンドをセキュアに入力するには、以下のメソッドを使用してください。 この手法の詳細については、「ファイルから CLI への引数の受け渡し」を参照してください。

パスワード付きファイルを作成し、そのファイルをコマンドに渡します。


cr_cli -cmd [command] -u [user] -p exp:[passwordfile] 

コマンドの一覧表示

すべての使用可能なコマンドを一覧表示するには、以下を入力します。


cr_cli -cmd -l

あるコマンド接頭辞を持つコマンドをすべて一覧表示するには、接頭辞の後にワイルドカード * を使用します。 たとえば、以下のコマンドはすべての hdb コマンドを一覧表示します。


cr_cli -cmd -l hdb.*

CLI のヘルプの参照

CLI についての一般的なヘルプにアクセスするには、以下のコマンドを入力します。


cr_cli -help

特定のコマンドのヘルプを参照するには、以下のコマンドを入力します。


cr_cli –cmd <commandname> –h 

CLI の構文

CLI の構文には以下が含まれます。

以下に一般的な CLI の構文の例を示します。

表 4–1 CLI コマンドの構文

cr_cli 

-cmd hdb.h.lo 

-ID 

NM:barolo7 

-u user -p password 

一行コマンド行インタフェースを呼び出す 

呼び出すコマンドの名前 

コマンドの引数 

値を必要とする引数に指定する値 

認証のためのユーザー名とパスワード。 セッション ID を代わりに指定することもできる 

CLI コマンドの出力書式の選択

CLI コマンドからの出力結果はいろいろな目的で使用されるため、情報を返すために CLI コマンドが使用する書式は調整できます。 CLI 出力書式は 2 種類あります。

標準出力書式

CLI は、以下の出力書式をサポートしています。

表 4–2 CLI 書式のオプション

書式のオプション 

結果 

string 

短い出力を行う。 事後処理に使用する 

serialized 

XML 直列化テキストを出力する。 別のスクリプトに情報を渡すときに使用する 

sink 

出力を破棄する。 UNIX システムでは /dev/null に出力される 

detail 

出力を表形式にフォーマットする。 詳細情報も含まれる 

出力書式を指定しない場合、コマンドはデフォルト書式で出力を行います。

あるコマンドのデフォルト出力書式を調べるには、以下のように -h をつけてコマンドを実行し、そのコマンドのヘルプ情報を参照してください。


cr_cli –cmd <commandname> –h 

デフォルト出力書式は、ヘルプの下部分にアスタリスクで囲んで表示されます。

コマンド固有の出力書式

-h 引数を使用すると、コマンドで使用可能なコマンド固有の出力書式も調べられます。表 4–3 に、コマンド固有の出力書式を示します。

表 4–3 CLI コマンドファミリのコマンド出力書式

コマンド書式 

説明 

cdb.detail 

コンポーネントの詳細テキストの出力 

cmp.detail 

比較の詳細テキストの出力 

hdb.detail 

ホストデータの詳細テキストの出力 

net.detail 

ネットワークデータの詳細テキストの出力 

net.summary 

ネットワークデータの概要の出力 

pdb.detail 

プランの詳細テキストの出力 

pe.detail 

プラン実行の詳細出力 

rule.detail 

通知規則の詳細テキストの出力 

udb.deep 

ユーザーとユーザーグループを説明する非常に詳細なテキストの出力 

udb.detail 

ユーザーとユーザーグループを説明する詳細テキストの出力 

udb.summary 

ユーザーとユーザーグループを説明する概要テキストの出力 

出力書式の指定

CLI コマンドの出力書式を指定するには、-o 引数をコマンドの最初の引数として使用します。 たとえば、hdb.h.la コマンドに対して string 出力書式を選択するには、以下のコマンドを実行します。


cr_cli -cmd hdb.h.la -o string -u [user] -p [password]

注 –

指定する出力書式は、この例のように、コマンドの後、他のすべての引数の前に入力してください。


出力データのファイルへの受け渡し

コマンドの結果データを外部ファイルに渡す場合は、-of オプションを使用できます。 -of を使用して、N1 Service Provisioning System software が実行コマンドからのデータを保存するファイルの名前をフル指定します。

たとえば、myhost という名前のホストの作成によって生じたデータを hostFile というファイルに渡すには、以下を入力します。


cr_cli -cmd hdb.h.add -of hostFile -u [user]
-p [password] -name myhost -tID NM:roxhost 

fileHost ファイルには、ホスト情報が detail 書式で記載されます (hdb.h.add コマンドのデフォルトフォーマッタ)。


注 –

-of オプションは、コマンドの後、他のすべての引数の前に入力してください。


それぞれの CLI 引数へのデータの受け渡し

データを外部ファイルから CLI に渡す場合は、file: オプションを使用できます。 たとえば、開始したばかりのセッションのセッション ID を格納して、コマンドの認証に使用できます。

セッション ID を session というファイルに保存するには、以下を入力します。


cr_cli -cmd udb.login -u [user] -p [password] > session 

次に、そのセッション ID を他のコマンドに渡すには、以下を入力します。


cr_cli -cmd hdb.h.la -s file:session

出力書式の変換

ファイルに渡したコマンドの出力書式を変換する場合は、reformat.util コマンドを使用できます。

util.reformat コマンドは、指定した出力ファイルからデータを読み取り、そのデータの書式をユーザーが選択した出力書式に変更します。

たとえば、ホストを作成して、hdb.h.add コマンドからの出力を 直列化書式で hostFile というファイルに格納しているとします。


cr_cli -cmd hdb.h.add -o serialized -u [user] 
-p [password] -name myhost -tID NM:roxhost > hostFile

前のコマンドの出力に対して util.reformat を実行し、 「それぞれの CLI 引数へのデータの受け渡し」 に説明のある file: オプションでデータを hostFile に渡して、detail 書式を使用するように指示できます。


cr_cli -cmd util.reformat -u [user] -p [password] 
-o hdb.detail -self file:hostFile

これにより、以下が返されます。


ID: 010010000204-1027365659275-00170-1199101891
Name: myhost
Description: 
Virtual: false
Hidden: false
Type ID: 010010001024-0000000000000-00001-0000000004
Attributes:
<Table is empty>
Applications:
<Table is empty>

ファイルから CLI への引数の受け渡し

入力ファイルから CLI に引数を渡す場合は、Expand オプションを使用できます。 このオプションを実行するには、CLI に渡す情報を入力するファイルを作成します。 各引数とその値は、それぞれ別の行にリストしてください。 また引数は、コマンドが必要とする順にリストしてください。 これらの引数をコマンドに渡すには、コマンドを呼び出し、exp: 引数を最初の引数として入力します。

たとえば、 exp: オプションと一緒に使用できる 2 つのファイル (file1.txtfile2.txt) があるとします。

file1.txt:


hdb.h.la
-u
[user]
exp: file2.txt

file2.txt:


-p
[password]

これらを実行するには、以下を入力します。


cr_cli -cmd exp:file1.txt

最初のファイルが次のファイルを呼び出し、コマンドを実行します。

説明と複数の語からなる名前

説明や空白を含む他の修飾子は、以下のように引用符で囲んでください。


"This is a multi-word description.”

空白をそれぞれバックスラッシュ (\) でエスケープすることもできます。

NM: を使用した ID の置換

作成するオブジェクトの大部分は、関連する ID 番号を持っています。 ID 番号は、リポジトリ内のユーザーアカウントやコンポーネントのようなエンティティの一意の識別子です。

ID 番号は一意なので便利ですが、引数としてコマンドに入力するのは大変です。 ID 番号ではなく名前を使用する場合は、NM: タグでコマンド行にオブジェクトの名前を記述することができます。

表 4–6 に、サポートされている NM: マッピングすべての包括的なリストを示します。

完全な ID 番号ではなくオブジェクト名を使用する場合は、以下の構文で CLI コマンドのオブジェクト ID を表します。


NM:<host|user|user group name|host type name|etc.>

空白は入れないでください。

NM: 構文を使用して、コンポーネントとプランを特定することもできます。 またオプションで、名前以外にバージョン番号を指定することも可能です。


plan = NM:<plan name>[:<version>]

例:


NM:simplePlan
NM:simplePlan:1.0

バージョン番号を指定しない場合、N1 Service Provisioning System software は最新バージョンのコンポーネントまたはプランを使用します。

オブジェクトの表示と非表示

リポジトリ内のオブジェクトは相互に深い関連性をもっているので、オブジェクトを削除することはできません。 ワークスペースを整理しておくために、現在使用していないオブジェクトを非表示にすることは可能です。


注 –

オブジェクトを非表示にしても、オブジェクトがアクティブでなくなったり、使用できなくなることはありません。 たとえば、コンポーネントが参照しているリソースが非表示になった場合でも、そのリソースは、次回のコンポーネント作成でも参照されます。 リソースは、無効にされたり削除されるのではなく、単に表示されなくなるだけだからです。


以下のオブジェクトは、表示または非表示を指定できます。