N1 Grid Service Provisioning System ユーザーズガイドおよびリリースノート (WebLogic 8 Plug-In 1.0)

WebLogic インフラストラクチャーの作成

「WebLogic 8 Common Tasks」ページを起点として、WebLogic サーバーおよびクラスタの作成と管理を行います。

ProcedureWebLogic 8 ドメインと Administration Server を作成する

アプリケーションをホストする Managed Server を設定する前に、ドメインおよび Administration Server を作成する必要があります。ドメインは、Administration Server により管理される一連の WebLogic サーバーです。ドメインに関するすべての情報は、Administration Server 上に格納される構成ファイルに含まれています。

AdminServer コンポーネントをインストールすることで新しいドメインを作成する場合、次の作業も行います。

この手順で新しいドメインを作成したり、また「markOnly」オプションを選択することでプロビジョニングシステム内で既存のドメインを登録することもできます。


注 –

本書では、AdminServer と Administration Server という類似した用語を使用します。事前にパッケージされた N1 Grid Service Provisioning System WebLogic 8 コンポーネントは、AdminServer コンポーネントと呼ばれます。AdminServer はプロビジョニングシステムコンポーネントを表し、Administration Server は WebLogic 8 環境上で動作するインストール済みアプリケーションを表します。


始める前に

WebLogic 8 ドメインを作成するには、ユーザーは、コンポーネントが含まれるフォルダ上の Run Component Procedures アクセス権を有するユーザーグループに属する必要があります。また、コンポーネントの配備先のホストセットに関しては、Allow on Host Set アクセス権も必要です。

手順
  1. WebLogic セッション変数 WL_DEFAULT_USER および WL_DEFAULT_PASSWORD が設定されていることを確認します。

    WebLogic セッション変数は、長さが 7 文字で、数字を含んでいる必要があります。

    セッション変数の詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 プランとコンポーネントの開発者ガイド』の第 5 章「セッション変数」を参照してください。

  2. ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで「WebLogic 8」をクリックします。

  3. 「Domain Management: Create」リンクをクリックします。

    プランの「Details」ページが表示されます。

  4. 「Run」をクリックします。

    「Run」ページが表示されます。

  5. 「Plan Parameters」領域で、配備する AdminServer コンポーネントの変数設定を選択します。

    • このコンポーネントに対して変数設定が指定されている場合、メニューから適切な設定を選択します。

    • メニューから設定が使用できない場合は、「Select From List」をクリックします。

      「Select Variable Settings From List」ウィンドウが表示されます。

      • 変数設定の新しいセットを作成するには、「Create Set」を選択します。

        次のリストに、AdminServer コンポーネントの変数のうち、更新する可能性が高い変数を示します。

        domainName

        必須。WebLogic のドメイン名です。

        adminPort

        必須。AdminServer の仮想ホストが使用するデフォルトの TCP ポートです。

        ドメインが作成される前には、このポートが使用可能であるかチェックされます。

        secureConnect

        任意。True Administration Server の接続に SSL ポートが使用可能であることを指定します。

        production

        必須。この変数は、管理サーバーを稼働モードで実行するかどうかを決定します。稼働のデフォルト値は false です。この値は true または false に設定できます。

        更新される頻度が少ない変数には、次のような構成変数が含まれます。

        adminManagedServer

        必須。ドメイン管理コンソールをホストする管理サーバーの名前。デフォルト値は myserver です。markOnly インストールを実行している場合は、この変数を、WebLogic インストール中に使用されるサーバー名に設定します。

        targetRefName

        必須。この変数は、ドメインの仮想ホストの名前になります。代入変数は、ホスト名とドメイン名の値に基づきます。この変数は、:[ target:sys.hostName]_weblogic_admin_ :[ domainName] という形式に従います。たとえば、sqa-420_weblogic_admin_wls となります。

      • 別のコンポーネントから変数コンポーネントを使用するには、「Import Set」をクリックします。

        変数セットのインポートの詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 オペレーションとプロビジョニングガイド』「プランを実行する」を参照してください。

  6. ターゲットホストを選択します。

    WebLogic ソフトウェアをインストールした時に作成された仮想ホストをターゲットとします。「WebLogic ソフトウェアをインストールする」の手順を参照してください。


    注 –

    ターゲットホストは、com.sun.weblogic#InstallHS ホストセットのメンバーである必要があります。


  7. 「Target Host Set」チェックボックスをオフにします。

  8. プロビジョニングシステム内の既存の WebLogic ドメインを取得する場合は、「markOnly」オプションを選択します。

  9. 「Run Plan (includes Preflight)」をクリックします。

Procedure異なるパスワードを使用して複数のドメインを作成する

同じユーザーとパスワードを使用して複数のドメインを作成できます。ただし、各ドメインに異なるパスワードを使用する場合は、各ドメインのインストール後に WebLogic ユーザーおよびパスワードセッション変数を更新する必要があります。

新しいドメインを作成するプランは、常にデフォルトのセッション変数名 WL_DEFAULT_USER および WL_DEFAULT_PASSWORD を使用します。

手順
  1. デフォルトの WebLogic セッション変数 WL_DEFAULT_USER および WL_DEFAULT_PASSWORD を使用して、新しいドメインと AdminServer をインストールします。

    「WebLogic 8 ドメインと Administration Server を作成する」を参照してください。

  2. ブラウザインタフェースの最上部の「Session Variables」をクリックして、「Session Variables」ページにアクセスします。

  3. 新しくインストールされた AdminServer の新しいセッション変数を作成します。

    これらの新しいセッション変数の値は、AdminServer のインストールに使用したデフォルトの変数と同じ値です。

    属性名 

    デフォルトのセッション変数名 

    新しいセッション変数名 

    adminUser

    WL_DEFAULT_USER

    WL_TEST_USR

    adminPassword

    WL_DEFAULT_PASSWORD

    WL_TEST_PWD

  4. 手順 1 で作成した AdminServer の「host Details」ページにアクセスし、「Edit」をクリックします。

  5. AdminServer のホストタイプ属性を更新します。

    たとえば、値 adminUser:[session:WL_TEST_USR] に置き換えます。

  6. 別のドメインをインストールする場合は「Session Variables」ページに戻り、デフォルトの WebLogic セッション変数を、インストールする次のドメインに使用する新しい値で更新します。

ProcedureWebLogic Managed Server を作成する

各ドメインで複数の Managed Server を実行し、アプリケーションをホストすることができます。WebLogic Managed Server は Server コンポーネントにより取得され、プロビジョニングシステム内に表示されます。本書全体を通じて、「Server」はプロビジョニングシステムコンポーネントを指しますが、「Managed Server」は WebLogic 8 環境で動作する Managed Server のインストール済みインスタンスを指します。

この手順で新しい Managed Server を作成したり、また「markOnly」オプションを選択することでプロビジョニングシステム内で既存の Managed Server を登録することもできます。


注 –

クラスタを作成する場合、クラスタを作成する「前」に、そのクラスタに属する Managed Server を作成する必要があります。


始める前に

WebLogic Managed Server を作成する前には、次の条件が満たされている必要があります。

手順
  1. ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで「WebLogic 8」をクリックします。

  2. 「Application Server Management: Create」リンクをクリックします。

    プランの「Details」ページが表示されます。

  3. 「Run」をクリックします。

    「Run」ページが表示されます。

  4. 「Plan Parameters」領域で、配備する ManagedServer コンポーネントの変数設定を選択します。

    Server コンポーネントは、WebLogic 8 環境内の Managed Server インスタンスを表します。

    • このコンポーネントに対して変数設定が指定されている場合、メニューから適切な設定を選択します。

    • メニューから設定が使用できない場合は、「Select From List」をクリックします。

      「Select Variable Settings From List」ウィンドウが表示されます。

      • 変数設定の新しいセットを作成するには、「Create Set」を選択します。

        次のリストに、ManagedServer コンポーネントの変数のうち、更新する可能性が高い変数を示します。

        変数セット名

        必須。作成する新しい変数セットの名前

        adminServerHostName

        必須。新しい Managed Server をホストする AdminServer 仮想ホストの名前。この値の形式は、remoteAgentName _weblogic_admin_domainName です。

        仮想ホストは「Hosts」ページにあります。仮想ホストのタイプは、com.sun.weblogic8#AdminServerHS です。

        targetName

        必須。新しい Managed Server の名前。この名前は、Managed Server 仮想ホストを作成するため targetRefName 変数で使用されます。

        startupScriptName

        必須。Managed Server の起動スクリプトの名前。

        起動スクリプトのデフォルト位置は /usr/local/bea/user_projects/servers/ domainName/ targetName です。この位置は、altServerRoot コンポーネント変数を設定することで変更できます。

        serverPort

        SSL を使用しない場合は必須。この変数のデフォルト値は 7010 です。このポートが使用できない場合、Managed Server は起動せず、エラーメッセージが表示されます。ポートを解放したあと、Managed Server の「component Details」ページで Start コンポーネントプロシージャーを実行することで Managed Server を起動できます。

        serverSslPort

        SSL を使用する場合は必須。この変数のデフォルト値は 7020 です。このポートは使用可能である必要があります。使用できない場合、Managed Server は起動せず、エラーメッセージが表示されます。ポートを解放したあと、Managed Server の「component Details」ページで Start コンポーネントプロシージャーを実行することで Managed Server を起動できます。

        production

        必須。この変数は、管理サーバーを稼働モードで実行するかどうかを決定します。稼働のデフォルト値は false です。この値は true または false に設定できます。

      • 別のコンポーネントから変数コンポーネントを使用するには、「Import Set」をクリックします。

        変数セットのインポートの詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 オペレーションとプロビジョニングガイド』「プランを実行する」を参照してください。

  5. ターゲットホストまたはターゲットホストセットを選択します。

    Managed Server はターゲットとする Remote Agent に常駐します。


    注 –

    ターゲットホストは、com.sun.weblogic#AdminServer ホストセットのメンバーである必要があります。


  6. 「Target Host Set」チェックボックスをオフにします。

  7. プロビジョニングシステム内で既存の WebLogic Managed Server を取得している場合は、「markOnly」オプションを選択します。

  8. 「Run Plan (includes Preflight)」をクリックします。

Procedureライセンスコンポーネントを作成する

この手順では、ライセンスコンポーネントの作成方法を説明します。ライセンスコンポーネントを作成したあとは、「ライセンスコンポーネントをインストールする」を参照してライセンスをインストールしてください。

手順
  1. ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで「WebLogic 8」をクリックします。

  2. 「License Management: Create」リンクをクリックします。

    コンポーネントの「Edit」ページが表示されます。

  3. 新しいライセンスコンポーネントの名前を入力します。

  4. (省略可能) コンポーネントのラベルと説明を入力します。

  5. ファイルシステム上に BEA ライセンスのコピーがあるホストを選択します。

  6. ホストのファイルシステムをナビゲートし、ライセンスファイルを選択します。

  7. 「Check In Selected Item」をクリックします。

    コンポーネントの「Check In」ページが表示されます。

  8. 編集アクセス権を持っているフォルダを選択します。

  9. 「Continue to Check In」をクリックします。

Procedureライセンスコンポーネントをインストールする

始める前に

ライセンスコンポーネントをインストールするには、プロビジョニングシステム内にライセンスコンポーネントが存在する必要があります。「ライセンスコンポーネントを作成する」を参照してください。

手順
  1. ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで「WebLogic 8」をクリックします。

  2. 「License Management: View All」リンクをクリックします。

    「Components」ページが表示されます。

  3. インストールするライセンスコンポーネントの行で「Details」をクリックします。

    コンポーネントの「Details」ページが表示されます。

  4. 「Component Procedures」テーブルで「Default: Install」プロシージャーを選択し、「Run」をクリックします。

    プランの「Run」ページが表示されます。

  5. ターゲットホストを選択します。

    AdminServer の仮想ホストをターゲットにします。


    注 –

    ライセンスのインストール用にコンポーネント変数を変更する必要はありません。


  6. (省略可能) 既存のライセンスを置き換える場合は、「Plan Variables」セクションで、「Replace Rather Than Merge With Existing License」オプションを選択します。


    注 –

    既存のライセンスを置き換えることを選択した場合、新しいライセンスを有効にするには、WebLogic ドメインを再起動する必要があります。


  7. 「Run Plan (includes Preflight)」をクリックします。

ProcedureWebLogic クラスタを作成する

次のような理由により、クラスタを作成しなければならない場合があります。

クライアントに対してはクラスタは 1 つの WebLogic Managed Server インスタンスとして表示されます。クラスタを構成するサーバーインスタンスは、同一マシン上で実行したり、複数のマシンに配置することができます。クラスタ内の各クラスタメンバーは、同じバージョンの WebLogic を実行する必要があります。

この手順で新しいクラスタを作成したり、また「markOnly」オプションを選択することでプロビジョニングシステム内で既存のクラスタを登録することもできます。

始める前に

WebLogic クラスタを作成する前には、クラスタ内で使用する WebLogic ドメイン、Administration Server および Managed Server を作成する必要があります。

WebLogic クラスタを作成するには、ユーザーは、コンポーネントが含まれるフォルダ上の Run Component Procedures アクセス権を有するユーザーグループに属する必要があります。また、コンポーネントの配備先のホストセットに関しては、Allow on Host Set アクセス権も必要です。

手順
  1. ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで「WebLogic 8」をクリックします。

  2. 「Cluster Management: Create」リンクをクリックします。

    プランの「Details」ページが表示されます。

  3. 「Run」をクリックします。

    「Run」ページが表示されます。

  4. 「Plan Parameters」領域で、配備する Cluster コンポーネントの変数設定を選択します。

    • このコンポーネントに対して変数設定が指定されている場合、メニューから適切な設定を選択します。

    • メニューから設定が使用できない場合は、「Select From List」をクリックします。

      「Select Variable Settings From List」ウィンドウが表示されます。

      • 変数設定の新しいセットを作成するには、「Create Set」を選択します。

        次のリストに、ManagedServer コンポーネントの変数のうち、更新する可能性が高い変数を示します。

        変数セット名

        必須。作成する新しい変数セットの名前

        targetName

        必須。新しいクラスタの名前。

        clusterAddress

        任意。この変数には、複数の IP アドレスに対応する DNS ホスト名、またはシングルアドレスホスト名や IP アドレスのコンマ区切りリストを使用できます。この変数には値は必要ありません。

        multicastAddress

        この変数は、クラスタメンバーが相互通信に使用できるアドレスを提供します。

      • 別のコンポーネントから変数コンポーネントを使用するには、「Import Set」をクリックします。

        変数セットのインポートの詳細については、『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 オペレーションとプロビジョニングガイド』「プランを実行する」を参照してください。

  5. ターゲットホストを選択します。

    Administrative Server にはクラスタのみをインストールできるため、ターゲットホストは AdminServer 仮想ホストです。

  6. 「Target Host Set」チェックボックスをオフにします。

  7. プロビジョニングシステム内で既存の WebLogic クラスタを取得している場合は、「markOnly」オプションを選択します。

  8. 「Run Plan (includes Preflight)」をクリックします。

Procedureクラスタメンバーを作成する

クラスタノードは、クラスタに割り当てられる Managed Server です。アプリケーションの可用性とスケーラビリティーを高めるために、クラスタメンバーを作成できます。

Managed Server がクラスタに参加すると、現在 Managed Server がターゲットであるアプリケーションは引き続きそのサーバーをターゲットとし、アプリケーションの配備状態は保存されます。クラスタメンバーを作成するプランは、自動的に Managed Server を停止し、それをクラスタに追加します。Managed Server が追加されたあと、プランは Managed Server を再起動します。

この手順で新しいクラスタメンバーを作成したり、また「markOnly」オプションを選択することでプロビジョニングシステム内で既存のクラスタメンバーを登録することもできます。

始める前に

クラスタメンバーを作成する前には、次の条件が満たされている必要があります。

クラスタメンバーを作成するには、ユーザーは、コンポーネントが含まれるフォルダ上の Run Component Procedures アクセス権を有するユーザーグループに属する必要があります。また、コンポーネントの配備先のホストセットに関しては、Allow on Host Set アクセス権も必要です。

手順
  1. ブラウザインタフェースの「Common Tasks」セクションで「WebLogic 8」をクリックします。

  2. 「Cluster Member Management: Join」リンクをクリックします。

    プランの「Details」ページが表示されます。

  3. 「Run」をクリックします。

    プランの「Run」ページが表示されます。

  4. クラスタに追加する Managed Server を選択します。

    • Managed Server の名前を入力するか、リストから選択して、ターゲットホストを選択します。


      注 –

      「Target Host Set」オプションは自動的に選択されます。1 つの Managed Server を選択する場合は、「Target Host Set」チェックボックスをオフにします。


    • メニューからターゲットホストセットを選択します。

  5. プラン変数 WebLogic Cluster Name に正しいクラスタ名が含まれていることを確認します。

  6. サーバーが再起動されたことを確認する前にプロビジョニングシステムが待機する期間を指定するには、「Seconds to Wait Before Failing Verify Step」フィールドに秒数を入力します。

  7. プロビジョニングシステム内で既存の WebLogic クラスタメンバーを取得している場合は、「markOnly」オプションを選択します。

  8. 「Run Plan (includes Preflight)」をクリックします。