Sun N1 Service Provisioning System 5.2 インストールガイド

第 2 章 Sun N1 Service Provisioning System 5.2 のシステム要件

この章では、Sun N1 Service Provisioning System 5.2 をインストールして使用する上でのシステム要件を示します。この章の内容は、次のとおりです。

オペレーティングシステム要件

Sun N1 Service Provisioning System 5.2 のマスターサーバー、リモートエージェント、ローカルディストリビュータ、および CLI Client は、次のオペレーティングシステムを実行しているサーバーにインストールできます。

表 2–1 Sun N1 Service Provisioning System 5.2 でサポートされているオペレーティングシステム

Sun N1 Service Provisioning System のアプリケーション 

サポートされているオペレーティングシステム 

マスターサーバー 

  • SPARC® ベースサーバーで稼働している Solaris 8 OS

  • SPARC または x86 ベースサーバーで稼働している Solaris 9 および Solaris 10 OS

  • Red Hat Linux Advanced Server 2.1 (32 ビット)

  • Red Hat Linux Advanced Server 3 (32 ビット、64 ビット)

  • Red Hat Linux Advanced Server 4 (32 ビット、64 ビット)

  • Microsoft Windows 2000 Server と Microsoft Windows 2000 Advanced Server

ローカルディストリビュータ、リモートエージェント、および CLI Client 

  • SPARC ベースサーバーで稼働している Solaris 7 および Solaris 8 OS

  • SPARC または x86 ベースサーバーで稼働している Solaris 9 および Solaris 10 OS

  • Red Hat Linux Advanced Server 2.1 (32 ビット)

  • Red Hat Linux Advanced Server 3 (32 ビット、64 ビット)

  • Red Hat Linux Advanced Server 4 (32 ビット、64 ビット)

  • IBM AIX 5.1、5.2、および 5.3

  • SUSE Linux Enterprise Server 8 および SUSE Linux Enterprise Server 9 (32 ビット)

  • PA-RISC ベースサーバー上の HP-UX 11i V1

  • Microsoft Windows 2000 Server と Microsoft Windows 2000 Advanced Server

  • Microsoft Windows Server 2003: Standard、Enterprise、または Web Edition

  • Microsoft Windows Standard 2003 x64 Edition または Microsoft Windows Enterprise x64 Edition

オペレーティングシステムの構成

プロビジョニングシステムをインストールおよび実行するには、これ以降の節の説明どおりにシステムを構成する必要があります。

Solaris システムの構成要件

マスターサーバーを実行している Solaris システムでは、次の /etc/system 設定が必要です。


注 –

Solaris 9 または Solaris 10 OS を使用している場合は、shmsys:shminfo_shmminshmsys:shminfo_shmseg の値を変更できません。Solaris 10 OS を使用している場合は、shmsys:shminfo_shmmaxshmsys:shminfo_shmmnisemsys:seminfo_semmns、および semsys:seminfo_semvmx の値を変更できません。

これらの設定のデフォルト値のまま使用できます。


表 2–2 Solaris /etc/system 設定

変数 

最小値 

shmsys:shminfo_shmmax

0x20000000 [10 進の 536870912 (512MB)。ただし、この数字は Solaris 8 オペレーティングシステムでは 16 進で示す必要があります。]

shmsys:shminfo_shmmin

shmsys:shminfo_shmmni

shmsys:shminfo_shmseg

semsys:seminfo_semmni

32 

semsys:seminfo_semmns

512 

semsys:seminfo_semmsl

17 

semsys:seminfo_semvmx

537 

/etc/system 設定を変更する手順は、『Solaris カーネルのチューンアップ・リファレンスマニュアル』を参照してください。

Solaris 10 の構成要件

Solaris 10 環境では、インストール環境の所有者であるユーザーに応じて、/etc/system 設定の代わりに資源制御が行われます。次の表は、最小値を示しています。

表 2–3 Solaris 10 の資源制御設定

変数 

最小値 

project.max-shm-memory

512 

project.max-sem-ids

32 

process.max-sem-nsems

17 

Procedure資源制御をリセットする必要があるかどうかを判定する

  1. プロジェクト ID を確認します。


    $ id -p
    
  2. project.max-shm-memory project.max-sem-ids、および process.max-sem-nsems の現在の値が、プロジェクト ID 値 1 に対する値であることを確認します。


    # prctl -P -n project.max-shm-memory -i project 1
    # prctl -P -n project.max-sem-ids -i project 1
    # prctl -P -n process.max-sem-nsems -i process $$
  3. 資源制御を設定します。

    現在の値が必要な最小設定を満たしていない場合は、prctl コマンドまたは projmod コマンドを使用します。prctl コマンドで行った変更は、システムを再起動すると無効になります。再起動後も変更を維持するには、projmod コマンドを使用する必要があります。

    • prctl コマンドを使用する場合


      # prctl -n project.max-shm-memory -v 536870912 -r -i project 1
      # prctl -n project.max-sem-ids -v 32 -r -i project 1
      # prctl -n process.max-sem-nsems -v 17 -r -i process $$
    • projmod コマンドを使用する場合


      # projmod -a -K "project.max-shm-memory=(priv,512mb,deny)" default
      # projmod -a -K "project.max-sem-ids=(priv,32,deny)" default
      # projmod -a -K "process.max-sem-nsems=(priv,17,deny)" default

Linux システムの構成要件

bc コマンドは、Sun N1 Service Provisioning System をインストールするときにユーザーのパスにある必要があります。bc コマンドが存在しないと、インストールが終了し、bc のインストールを要求するメッセージが表示されます。bc-1.06-5.rpm パッケージまたはこれ以降のバージョンのパッケージをインストールしてください。

SUSE Linux 8 サーバー上の NFS マウントしたディレクトリに Sun N1 Service Provisioning System をインストールし、接続のセキュリティーを確保するために SSH または SSL を使用する場合は、nolocks で NFS クライアントを構成するか NFS サーバーを構成してロックを許可してください。NFS クライアントまたは NFS サーバーのどちらも正しく設定されていない場合は、Sun N1 Service Provisioning System アプリケーションは起動しません。

Linux マスターサーバーのインストールプログラムは、次のシステムパラメータをチェックし、最小値が満たされていない場合はエラーを表示して終了します。

表 2–4 Linux のマスターサーバーシステムの設定 (32 ビット、64 ビット)

システムのパラメータ 

最小値 

/proc/sys/kernel/shmallshmall

536870912 (512M バイト) 

/proc/sys/kernel/shmmaxshmmax

536870912 (512M バイト) 

また、Linux の 64 ビットプラットフォームでは、/proc/sys/kernel/sem ファイルでセマフォ設定を次の値に変更する必要があります。


4000  512000  512  4096

この数値は、次の 4 つの値と同じです。

必要なオペレーティングシステムパッチ

次に、サポートされる各オペレーティングシステムに必要なパッチを示します。

表 2–5 サポートされるオペレーティングシステムに必要なパッチ

OS のバージョン 

必要なパッチ 

Solaris 7 

106980-16 

106541-16 

107544-03 

106950-13 

106327-08 

106300-09 

Solaris 8、SPARC ベースサーバー 

111310-01 

109147-28 

111308-04 

112438-03 

108434-15 

108435-15 

111111-04 

112396-02 

110386-03 

111023-03 

111317-05 

113648-03 

115827-01 

116602-01 

108987-13 

108528-29 

108989-02 

108993-33 

109326-14 

110615-10 

Solaris 9、SPARC ベースサーバー 

114356-06 

Solaris 9、x86 ベースサーバー 

114357–06 

Solaris 10、SPARC ベースサーバー 

なし 

Solaris 10、x86 ベースサーバー 

なし 

   

IBM AIX 5.1 

AIX 5.1–5.1.4.0 メンテナンスレベル: APAR IY44478 

IBM AIX 5.2 

AIX 5.2–5.2.1.0 メンテナンスレベル: APAR IY44479 

IBM AIX 5.3 

AIX 5.3.1.0 メンテナンスレベル: APAR IY58143 

   

Red Hat Linux Advanced Server 2.1 (32 ビット) 

なし 

Red Hat Linux Advanced Server 3 (32 ビット、64 ビット) 

なし 

Red Hat Linux Advanced Server 4 (32 ビット、64 ビット) 

なし 

   

SUSE Linux Enterprise Server 8 (32 ビット) 

なし 

SUSE Linux Enterprise Server 9 (32 ビット) 

なし 

   

PA-RISC ベースシステム上の HP-UX 11i V1 

PHNE_23502 

PHKL_24253 

PHKL_24254 

PHKL_24255 

PHKL_24256 

PHKL_24257 

PHKL_24751 

PHNE_25084 

PHCO_25226 

PHKL_25227 

PHKL_25367 

PHCO_25452 

PHKL_25468 

PHKL_25614 

PHKL_25728 

PHKL_25729 

PHKL_25840 

PHKL_25842 

PHKL_25871 

PHKL_27091 

PHKL_27092 

PHKL_28489 

PHNE_29887 

PHCO_29960 

PHSS_30049 

   

Windows 2000 Server または Windows 2000 Advanced Server 

Service Pack 3 

Windows Server 2003 

なし 

Windows Server 2003 x64 

なし 

ハードウェア要件

マスターサーバーのハードウェア要件

サポートされているオペレーティングシステムにマスターサーバーをインストールするためのハードウェア要件を次の表に示します。

表 2–6 マスターサーバーのハードウェア要件
 

Solaris 

Red Hat Linux 

Windows 

ハードウェア 

SPARC または x86 ベース [Solaris 8 OS の場合、SPARC のみ]

x86 ベース 

x86 ベース 

CPU 

450 MHz シングルまたはマルチ CPU 

1 GHz シングルまたはマルチ CPU 

1 GHz シングルまたはマルチ CPU 

RAM 

1G バイト以上の RAM 

1G バイト以上の RAM 

1G バイト以上の RAM 

ハードディスクの空き容量 

2G バイト 

2G バイト 

2G バイト 

ローカルディストリビュータ、リモートエージェント、および CLI Client のハードウェア要件

サポートされているオペレーティングシステムにローカルディストリビュータ、リモートエージェント、および CLI Client をインストールするためのハードウェア要件を次の表に示します。

表 2–7 ローカルディストリビュータ、リモートエージェント、および CLI Client の ハードウェア要件
 

Solaris 

Red Hat Linux 

IBM AIX 

Suse Linux 

HP-UX 

Windows 

ハードウェア 

SPARC または x86 ベース [Solaris 7 および Solaris 8 OS の場合は、SPARC のみ]

x86 ベース 

pSeries 

x86 ベース 

PA-RISC ベース 

x86 ベース 

CPU 

400 MHz シングルまたはマルチ CPU 

1 GHz シングルまたはマルチ CPU 

400 MHz シングルまたはマルチ CPU 

400 MHz シングルまたはマルチ CPU 

400 MHz シングルまたはマルチ CPU 

1 GHz シングルまたはマルチ CPU 

RAM 

256M バイト 以上の RAM 

1G バイト以上の RAM 

256M バイト 以上の RAM 

1G バイト以上の RAM 

256M バイト 以上の RAM 

1G バイト以上の RAM 

ハードディスクの空き容量 

1G バイト 

1G バイト 

1G バイト 

1G バイト 

1G バイト 

HD 上に 1G バイトの空き領域 

ディレクトリ容量の要件

次の表に、/var または /var/tmp ディレクトリに必要な最低の容量を示します。

表 2–8 /var または /var/tmp ディレクトリに必要な最低の容量

 

Solaris 

Red Hat Linux 

IBM AIX 

HP UX 

マスターサーバー 

500M バイト 

300M バイト 

なし 

なし 

CLI 

350M バイト 

100M バイト 

100M バイト 

300M バイト 

リモートエージェント 

100M バイト 

100M バイト 

100M バイト 

300M バイト 

ローカルディストリビュータ 

100M バイト 

100M バイト 

100M バイト 

300M バイト 

一般システム要件

この節では、Sun N1 Service Provisioning System 5.2 をインストールして使用するための一般的なシステム要件を示します。

サポートされる Web ブラウザ

次に、Sun N1 Service Provisioning System 5.2 ブラウザインタフェースの Web ブラウザ要件を示します。

表 2–9 ブラウザインタフェースの Web ブラウザ要件

プラットフォーム 

ブラウザ 

Solaris、Red Hat、SUSE、HP-UX 

Netscape NavigatorTM 7.1、MozillaTM 1.4

Windows 

Netscape Navigator 7.1、Mozilla 1.4、Internet Explorer 5.5、Internet Explorer 6.0 

AIX 

Mozilla 1.4 


注 –

一部の Web プロキシサーバーは、ポップアップウィンドウをブロックするように構成されます。Sun N1 Service Provisioning System 5.2 を正しく動作させるためには、ポップアップウィンドウを表示させる必要があります。ポップアップウィンドウをブロックする Web プロキシサーバーを実行したり、ポップアップウィンドウをブロックするようにブラウザを設定したりしないでください。


正しく動作するように、Sun N1 Service Provisioning System 5.2 は cookie を使用する機能に依存しています。cookie を使用できるようにブラウザを設定してください。

SSH の要件

Linux および UNIX システム上で SSH を使用してセキュリティー保護された接続を行う場合は、SSH を使用する各サーバーに SSH プロトコルバージョン 2 をインストールする必要があります。

Jython の要件

CLI Client で Jython を使用する場合は、Jython バージョン 2.0 以上をインストールする必要があります。Jython の詳細については、http://www.jython.org を参照してください。

ロケールの要件

Sun N1 Service Provisioning System 5.2 は、各国語環境でインストールして使用できるように国際化されています。Sun N1 Service Provisioning System 5.2 は、ASCII 以外の文字も受け付けます。ソフトウェアで ASCII 以外の文字をサポートする必要がある場合は、次の要件を満たす必要があります。