この章では、OS プロビジョニングプラグインを使用して、RedHat Linux オペレーティングシステムをターゲットホストにインストールする方法について説明します。
この章では、次の内容について説明します。
OS プロビジョニングプラグインは RedHat Linux の Kickstart テクノロジを使用します。
RedHat Linux イメージサーバーを設定します。
RedHat Linux イメージを作成するか、イメージサーバーに既存のイメージを添付します。
ターゲットホストを作成します。
ターゲットホストに OS をインストールします。
OS プロビジョニングプラグインは、RedHat Linux の Kickstart 機能とともに、JumpStart Enterprise Toolkit (JET) テクノロジを通じて提供される機能を使用して、RedHat Linux オペレーティングシステム (OS) をプロビジョニングします。RedHat Linux サーバーを設定すると、OS をプロビジョニングするための Kickstart 処理を実行する JET モジュールが作成されます。JET についての詳細は、「JumpStart Enterprise Toolkit (JET) テクノロジ」を参照してください。
RedHat Linux ブートおよびインストールサーバーには次のソフトウェアが含まれています。
Linux (RedHat Advanced Server 3.0 および 4.0 でテスト済み) または Solaris OS
TFTP サーバー (tftp-server パッケージ)
NFS サーバー (nfs-utils パッケージ)
N1 SPS リモートエージェント (RA) (Linux 版)。詳細は、『Sun N1 Service Provisioning System 5.2 システム管理者ガイド』の「物理ホストを準備する」を参照してください。
RedHat Linux イメージサーバーを作成する前に、次の作業を行なっておく必要があります。
JET 以外のプロビジョニングの場合、ブートおよびインストールサーバーの RedHat Linux イメージへの NFS アクセス権の設定
この方法については、「NFS アクセス権を設定する」を参照してください。
ブートおよびインストールサーバー上の RedHat Linux イメージへの TFTP アクセス権の設定
この方法については、「RedHat Linux プロビジョニング用の TFTP アクセス権の設定」を参照してください。
RedHat Linux OS インストールイメージの作成
この方法については、「RedHat Linux のファイルをコピーする」を参照してください。
ディストリビューションは、このブートおよびインストールサーバーからサービスを受ける各サブネットに関して、NFS を介してアクセス可能である必要があります。
必ずブートおよびインストールサーバーに NFS ユーティリティーがインストールされていることを確認してください。
/etc/exports ファイルを編集し、次の例のような行を追加します。
/export 10.42.42.*(ro) |
NFS を有効にし、起動します。
RedHat AS 3.0 に適用される、次のようなコマンドを使用します。
#chkconfig --level 35 nfs on #service nfs restart |
RedHat Linux OS をプロビジョニングするために、TFTP アクセス権を使用できるようにネットワークを構成しておく必要があります。この節では、TFTP アクセス権を使用可能にする方法を 2 種類の異なる手順で説明します。
JET を使用して、RedHat Linux イメージサーバーを作成した場合、TFTP サービスは自動的にプロビジョニング用に構成されます。ただし、その場合でも、ブートおよびインストールサーバー上の TFTP ルートディレクトリに追加のディレクトリおよびファイルを作成またはコピーする必要があります。OS ディストリビューションは、このブートおよびインストールサーバーからサービスを受ける各サブネットに関して、NFS を介してアクセス可能である必要があります。
ブートおよびインストールサーバーに適切な TFTP サーバーソフトウェアがインストールされていることを確認してください。
TFTP ルートディレクトリの下に、次のディレクトリをコピーまたは作成します。
/tftpboot/pxelinux.0 – Linux PXE ブートストラップファイルは http://syslinux.zytor.com/pxe.php からダウンロードできます。
/tftpboot/pxelinux.cfg/ – このディレクトリには PXE 構成ファイルが含まれています。これらのファイルには、各ハードウェアプラットフォームおよび Linux ディストリビューションに固有のパラメータが含まれています。
PXE 構成ファイルの作成方法については、「RedHat Linux OS プロビジョニング用の PXE 構成ファイルを作成する」を参照してください。
この作業では、TFTP ルートディレクトリの 1 例として /tftpboot を使用します。
ディストリビューションは、このブートおよびインストールサーバーからサービスを受ける各サブネットに関して、NFS を介してアクセス可能である必要があります。
ブートおよびインストールサーバーに適切な TFTP サーバーソフトウェアがインストールされていることを確認してください。
/etc/xinet.d/tftp ファイルで server_args パラメータを探します。
これが、TFTP サーバーにより使用されるルートディレクトリを定義します。ディレクトリが存在しない場合は、ディレクトリを作成します。
この作業では例として /tftpboot を使用します。
TFTP を有効にし、xinetd デーモンを再起動します。
RedHat AS 3.0 で動作する、次の例のようなコマンドを使用します。
#chkconfig tftp on #service xinetd restart |
TFTP ルートディレクトリの下に、次のディレクトリをコピーまたは作成します。
/tftpboot/pxelinux.0 – Linux PXE ブートストラップファイルは http://syslinux.zytor.com/pxe.php からダウンロードできます。
/tftpboot/pxelinux.cfg/ – このディレクトリには PXE 構成ファイルが含まれています。これらのファイルには、各ハードウェアプラットフォームおよび Linux ディストリビューションに固有のパラメータが含まれています。
/tftpboot/pxelinux.cfg/v20z-config – V20z プラットフォームに固有のディレクトリ。
/tftpboot/vmlinuz – ディストリビューションの /images/pxeboot にある、インストールカーネル。
/tftpboot/initrd.img – ディストリビューションの /images/pxeboot にある、インストール RAM ディスク。
ここでは、製品媒体から RedHat Linux のファイルをコピーすることによって、その OS イメージを作成する手順を説明します。これらのコピーは、RedHat Linux OS または Solaris OS のいずれかが動作するシステムに配置できます。システムの CD-ROM ドライブに物理製品媒体を挿入し、プロビジョニングプラン用のイメージソースとして CD を指定することもできます。RedHat Linux ブートおよびインストールサーバーにコピーを配置する必要はありません。
ブートおよびインストールサーバーではないシステムにコピーを配置する場合は、次の条件が満たされる必要があります。
JET を使用する RedHat Linux プロビジョニングの場合は、ブートおよびインストールサーバーとターゲットホストが NFS 経由でコピーにアクセスできること。
JET を使用しない RedHat Linux プロビジョニングの場合は、ターゲットホストが NFS 経由でコピーにアクセスできること。
次の手順に従って、RedHat Linux ファイルのコピーを作成してください。
Linux ファイルを含めるディレクトリを作成します。
同じサーバーから複数のディストリビューションにサービスを提供するため、各ディストリビューション用に独立したディレクトリを作成します。
最初の CD-ROM または ISO イメージファイルをマウントします。
次のいずれかの例のようなコマンドを使用します。
#mount /dev/cdrom by default, will mount on /mnt/cdrom, check /etc/fstab #mount -o loop /path-to-first-iso /mnt/loop assumes /mnt/loop exists |
CD-ROM または ISO イメージファイルの内容を、手順 1 で作成したディレクトリにコピーします。
次のいずれかの例のようなコマンドを使用します。
#/bin/cp -avf /mnt/cdrom/* /export/RHEL3.0 #/bin/cp -avf /mnt/loop/* /export/RHEL3.0 |
ディストリビューションのすべての CD-ROM または ISO メディアに対して手順 2 と 3 を繰り返します。
RedHat Linux イメージをコピーしたあと、N1 SPS 環境内に RedHat Linux イメージサーバーを作成する必要があります。ブートおよびインストールサーバーを N1 SPS リモートエージェントにし、ブートおよびインストールサーバーをマスターサーバーに対するリモートエージェントとして追加します。
ブラウザインタフェースからサーバーを作成するには、次の手順に従います。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Linux Image Servers」セクションで「Create」をクリックします。
「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。
このプランに使用する変数を選択します。
既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxServer」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。
新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxServer」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。
「Create Set」をクリックします。
変数セットの名前を入力します。
必要に応じて、linuxHost 変数を、コマンド行インタフェースの位置に変更します。
デフォルトでは、仮想 Linux ホスト名は、-linux が追加されたターゲットホストのホスト名に設定されています。
installPath や boot_server_tftp_root_directory 変数の値は、変更しないでください。
変数セットを保存します。
「Plan Parameters」テーブルの「LinuxServer」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。
別のコンポーネントの変数設定を使用する場合は、「Import Set From Component」をクリックします。
「Import Variable Settings」ウィンドウが表示されます。
必要に応じて、変数設定のインポート元となるコンポーネントが入ったフォルダへ移動します。
コンポーネントのバージョンを選択します。
コンポーネントのバージョンが異なると、変数設定も異なる可能性があります。現在のコンポーネントおよびインポートする変数設定があるコンポーネントが共通の変数を使用していることを確認します。変数設定のインポート元のコンポーネントと、プランで使用するコンポーネントの間で共通に使用している変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。
「Import Variable Settings」をクリックします。
変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。
「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。
ファイルに保存されているコンポーネント変数設定を使用する場合は、次の手順に従います。
「Import Sets from File」テキストフィールドに、使用する変数設定ファイルへのパスを入力します。
ファイルシステムをブラウズして適切なファイルを探すには、「ブラウズ」ボタンをクリックします。
「Import」をクリックします。
変数設定がインポートされ、表形式で表示されます。
変数設定のインポート元のファイルと、プランで使用するコンポーネントの間で共通に使用している変数が存在しない場合、変数設定はインポートされません。
「Plan Details Run」ページの「Variable Settings」ドロップダウンリストから、インポートした変数設定を選択し、「Select」をクリックします。
Linux イメージサーバーを作成するホストを選択します。
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
イメージサーバーが正常に作成されたことを確認するには、プロビジョニングサーバーのウィンドウの左側にある「Hosts」リンクをクリックします。
-linux が付加された仮想ホストの名前が表示されます。たとえば、ホスト bikickstart にインストールした場合、仮想ホストは bikickstart-linux です。
この手順によって、ブートおよびインストールサーバーに SUNWjet と JetRedHat 、JetSuse パッケージがインストールされます。SUNWjet パッケージは、TFTP サーバーの設定と、JET ベースディレクトリ (デフォルトでは /opt/SUNWjet) ディレクトリの NFS 共有設定を行います。
OS プロビジョニングサーバーがブートおよびインストールサーバーと同じ物理ホスト上に存在する場合は、ターゲットホストへのプロビジョニングの前にそのシステムのインタフェースを構成する必要があります。OS プロビジョニングサーバーは、ブートおよびインストールサーバーのインタフェースを自動的には構成しません。
N1 SPS のブラウザインタフェースまたはコマンド行インターフェースから RedHat Linux イメージサーバーを作成できます。
ターゲットホストの位置を特定できるよう、kickstart ファイルは、RedHat Linux ブートおよびインストールサーバー上の NFS エクスポートディレクトリ (例: /export/kickstart) に配置する必要があります。
コマンド行からサーバーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxServer \ -name "linuxserver" -u admin -p admin -vars "boot_server_tftp_root_directory=/tftpboot" # cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin \ -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxServer-create \ -tar H:NM:bikickstart -comp - -vs linuxserver -pto 30 -nto 10 |
これらのコマンドによって、ブートおよびインストールサーバーに SUNWjet、JetRedHat、および JetSuse パッケージがインストールされます。SUNWjet パッケージは、TFTP サーバーの設定と、JET ベースディレクトリ (デフォルトでは /opt/SUNWjet) ディレクトリの NFS 共有設定を行います。
OS プロビジョニングサーバーがブートおよびインストールサーバーと同じ物理ホスト上に存在する場合は、ターゲットホストへのプロビジョニングの前にそのシステムのインタフェースを構成する必要があります。OS プロビジョニングサーバーは、ブートおよびインストールサーバーのインタフェースを自動的には構成しません。
RedHat Linux イメージサーバーを作成したあとには、プロビジョニングイメージおよびプロファイルを作成する必要があります。
JumpStart Enterprise Toolkit (JET) でイメージおよびプロファイルを生成する場合は、「JET による RedHat Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
イメージおよびプロファイルを手動で作成する場合は、「非 JET RedHat Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
JumpStart Enterprise Toolkit (JET) は、RedHat Linux OS のプロビジョニングに必要なプロファイルの作成作業を簡単にする一群のユーティリティーです。N1 SPS ブラウザインタフェースを使用して、ターゲットホストの Kickstart インストールを自動的に行うのに必要なプロファイルキーワードおよびプロファイル値を生成できます。
JET を使用せずに、手動でプロファイル値を作成する場合は、JET モジュールを使用しない RedHat Linux イメージおよびプロファイルを作成できます。 「非 JET RedHat Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
RedHat Linux イメージサーバーが存在し、そのサーバーで Linux オペレーティングシステムソフトウェアが使用できることを確認します。RedHat Linux イメージサーバーの作成方法の詳細については、「RedHat Linux サーバーの設定」を参照してください。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「RedHat Linux Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。
「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。
このプランに使用する変数を選択します。
既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。
新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。
「Create Set」をクリックします。
変数セットの名前を入力します。
変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。
次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。
変数名 |
説明 |
デフォルト値/例 |
---|---|---|
osp_server |
OS プロビジョニングサービスを表す仮想サーバー |
masterserver-osp (デフォルト) |
version |
このコンポーネントで配備する Linux のバージョン |
3U4 (例) |
architecture |
x86 などの、物理システムのアーキテクチャー 注 – この値は、プロファイルコンポーネントおよび OS イメージの名前に使用されます。プロビジョニングソフトウェアによって、この変数が検査、適用されることはありません。 |
x86 (デフォルト) |
installPath |
添付する RedHat Linux イメージの名前 |
Linux:[version]_:[architecture] 次に例を示します。Linux_3U4_x86 |
description |
このプロファイルに関する説明 (任意) |
test linux (例) |
min_disk_size |
RedHat Linux OS のプロビジョニングに必要な最小ディスク容量 |
10GB (デフォルト) |
boot_server_name |
RedHat Linux ブートおよびインストールサーバーの名前 |
masterserver (例) |
boot_server_subnet_address |
ブートおよびインストールサーバーがサービスを提供するサブネット |
10.10.31.0 (例) |
boot_server_subnet_ip_address |
サブネット上のブートおよびインストールサーバーの IP アドレス |
10.10.31.1 (例) |
image_subnet_mask |
プロビジョニングサブネットのネットマスク |
255.255.255.0 (デフォルト) |
kickstart_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の Kickstart ファイル ks.cfg の絶対パス。 JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
pxe_boot_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の pxelinux.0 ブートファイルの、/tftpboot ディレクトリからの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
pxe_configuration_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の PXE Linux 構成ファイルの、pxelinux.cfg ディレクトリからの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
linux_component_folder |
自動生成 Linux Provision コンポーネントフォルダの位置 |
/com/sun/n1osp/autogen-:[target(..):sys.hostName]-linux (デフォルト) |
image_path (JET プロファイルのみ) |
OS イメージへの NFS パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
nfs://10.10.31.1/export/install/RHEL3 (例) |
kernel (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内のカーネルへの相対パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
images/pxeboot/vmlinuz (デフォルト) |
initrd (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内の initrd への相対パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
images/pxeboot/initrd.img (デフォルト) |
変数セットを保存します。
「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。
「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の Linux イメージサーバーを選択します。
Linux イメージサーバーのホスト名は末尾が -linux になります。
必要に応じてプロファイル名を変更します。
必要に応じてプロファイルの説明を変更します。
使用する JET モジュールのリストを更新します。
JET 製品のモジュールは、JET サーバーのディレクトリ /opt/SUNWjet/Products にあります。
デフォルトでは、プラン変数 JET Modules Name(s) に、RedHat Linux プロファイルコンポーネントに含める 2 つの JET モジュールがあります。
base_config – RedHat Linux OS のインストールと構成を行います。base_config 変数の詳細については、「基本 RedHat Linux OS 構成変数」を参照してください。
spsra – Solaris システム上で N1 SPS リモートエージェント (RA) のインストールと構成を行います。spsra 変数の詳細については、「RedHat Linux リモートエージェントのコンポーネント変数」を参照してください。
base_config は、基本 RedHat Linux インストールを行うための必須 JET モジュールです。そのほかの /opt/SUNWjet/Products モジュールはすべて省略可能です。モジュール名をこのリストに追加することにより、モジュールのインストール関数と構成変数が、新しく作成された RedHat Linux プロビジョニングプロファイルに追加されます。
「Use the Jet Modules Specified Above」チェックボックスが選択されていることを確認します。
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
Linux イメージサーバーに対して Linux プロファイルが作成されたことを確認するには、N1 SPS ブラウザインタフェースの左側にある「Components」をクリックします。
/com/sun/n1osp/autogen-server-name-linux/provision/ フォルダに、provision コンポーネントがあります。server-name は、変数セットに指定した Linux サーバー名です。次に例を示します。 /com/sun/n1osp/autogen-Linux3U4_x86-linux/provision/。
LinuxImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxImage \ -name "redhat3" -u admin -p admin -vars "osp_server=masterserver-osp; \ version=RedHat3.0;architecture=x86; \ installPath=Linux:[version]_:[architecture];description=test linux; \ min_disk_size=10GB;boot_server_name=bikickstart; \ boot_server_subnet_address=10.42.42.0;boot_server_subnet_ip_address=10.42.42.3;\ kickstart_file=/export/el30.cfg;pxe_boot_file=linux-install/pxelinux.0; \ pxe_configuration_file=el30-console" |
JET モジュール情報を提供するには、次のエントリを含む /tmp/redhat-profile ファイルを作成します。
standard-jet Standard Linux base_config true
各行の意味は次のとおりです。
ファイルの最初の行は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Name」フィールドに対応します。
ファイルの 2 番目の行は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Description」フィールドに対応します。
ファイルの 3 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「JET Module Name」フィールドに対応します。
ファイルの 4 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Use the Jet Modules Specified Above」チェックボックスに対応します。
プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin \ -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxImage-create-profile \ -tar H:NM:bikickstart-linux -comp - -vs redhat3 -pto 30 -nto 10 \ -f /tmp/redhat-profile |
-u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。OS インストール後に N1 SPS リモートエージェントソフトウェアがターゲットホストで起動するには、このユーザーが存在する必要があります。
RedHat Linux イメージおよびプロファイルを手動で作成する場合は、JET モジュールを使用せずに、RedHat Linux イメージおよびプロファイルを作成できます。この節では、非 JET RedHat Linux イメージとプロファイルの作成方法を説明します。
JET を使用して、イメージおよびプロファイルを作成する場合は、「JET による RedHat Linux イメージとプロファイルの作成」を参照してください。
ターゲットホストに 非 JET RedHat Linux イメージを配備するには、手動で PXE 構成ファイルを作成する必要があります。このファイルには、各ハードウェアプラットフォームおよび RedHat Linux ディストリビューションに固有のパラメータが含まれます。
テキストエディタでファイルを作成し、次のテキストを入力します。
default el30 ks serial 0 9600 label el30 kernel vmlinuz append linksleep=30 ksdevice=eth0 console=ttyS1,9600 load_ramdisk=1 initrd=initrd.img network
各行の意味は次のとおりです。
先頭行 (default) は、ラベル el30 を使用し、Kickstart インストール (カーネルに ks を渡す) を行うことを示しています。
3 行目 (label) は、ラベル el30 の定義です。
4 行目 (kernel) は、読み込むカーネルの指定です。パスは pxelinux.0 に対して相対的です。
5 行目 (append) には、一連のネットワーク構成パラメータが含まれています。append パラメータはすべて同じ行に存在する必要があります。ここに示す固有のパラメータは次のとおりです。
linksleep=30 は、システムが動作していないと判断する前にカーネルに待機するよう通知します。ネットワークインタフェースの中には、アップ状態になるまで長い時間を要するものもあります。
ksdevice=eth0 は、eth0 インタフェースを使用してインストールを行うことを示しています。このパラメータが省略されている場合は、eth0 が想定されます。
console=ttyS1,9600 は、コンソールにインストール出力を表示するためのコンソールパラメータを指定しています。パラメータは、ターゲットハードウェアのプラットフォームに応じて異なります。
load_ramdisk は、RAM ディスクに initrd.img を使用することを示しています。RAM ディスクのパスは pxelinux.0 に対して相対的です。
initrd はネットワークインストールを実行することを示しています。
ブートおよびインストールサーバー上の TFTP ルートディレクトリの pxelinux.cfg サブディレクトリに、このファイルを保存します。
複数リリースの RedHat Linux OS のプロビジョニングを行えるようにする場合は、このファイルに、 rh30.cfg などの一意の名前を割り当てます。
RedHat Linux イメージサーバーが存在し、そのサーバーで Linux オペレーティングシステムソフトウェアが使用できることを確認します。RedHat Linux イメージサーバーの作成方法の詳細については、「RedHat Linux サーバーの設定」を参照してください。
PXE Linux 構成ファイルを作成し、ブートおよびインストールサーバー上の pxelinux.cfg ディレクトリにそのファイルを配置します。PXE Linux 構成ファイル例については、「RedHat Linux OS プロビジョニング用の PXE 構成ファイルを作成する」を参照してください。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「RedHat Linux Images」セクションで「Create Profile」をクリックします。
「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。
このプランに使用する変数を選択します。
既存の変数セットを使用するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから名前を選択します。
新しい変数セットを作成するには、「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行で「Select from List」をクリックします。
「Create Set」をクリックします。
変数セットの名前を入力します。
変数を確認し、必要に応じて変数を変更します。
次の表で、追加の変数とそのデフォルト値を説明します。
変数名 |
説明 |
デフォルト値/例 |
---|---|---|
osp_server |
OS プロビジョニングサービスを表す仮想サーバー |
masterserver-osp (デフォルト) |
version |
このコンポーネントで配備する Linux のバージョン |
3U4 (例) |
architecture |
x86 などの、物理システムのアーキテクチャー 注 – この値は、プロファイルコンポーネントおよび OS イメージの名前に使用されます。プロビジョニングソフトウェアによって、この変数が検査、適用されることはありません。 |
x86 (デフォルト) |
installPath |
添付する RedHat Linux イメージの名前 |
Linux:[version]_:[architecture] 次に例を示します。Linux_3U4_x86 |
description |
このプロファイルに関する説明 (任意) |
test linux (例) |
min_disk_size |
RedHat Linux OS のプロビジョニングに必要な最小ディスク容量 |
10GB (デフォルト) |
boot_server_name |
RedHat Linux ブートおよびインストールサーバーの名前 |
masterserver (例) |
boot_server_subnet_address |
ブートおよびインストールサーバーがサービスを提供するサブネット |
10.10.31.0 (例) |
boot_server_subnet_ip_address |
サブネット上のブートおよびインストールサーバーの IP アドレス |
10.10.31.1 (例) |
image_subnet_mask |
プロビジョニングサブネットのネットマスク |
255.255.255.0 (デフォルト) |
kickstart_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の Kickstart ファイル ks.cfg の絶対パスこのファイルは、ブートおよびインストールサーバーにアクセスできる必要があります。 JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
/tftpboot/v6x/as21.cfg (例) |
pxe_boot_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の pxelinux.0 ブートファイルの、/tftpboot ディレクトリからの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
v6x/pxelinux.0 (例) |
pxe_configuration_file (非 JET プロファイルのみ) |
ブートサーバー上の PXE Linux 構成ファイルの、pxelinux.cfg ディレクトリからの相対パス JET 生成プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
as21-console (例) |
linux_component_folder |
自動生成 Linux Provision コンポーネントフォルダの位置 |
/com/sun/n1osp/autogen-:[target(..):sys.hostName]-linux (デフォルト) |
image_path (JET プロファイルのみ) |
OS イメージへの NFS パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
kernel (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内のカーネルへの相対パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
initrd (JET プロファイルのみ) |
OS イメージ内の initrd への相対パス。 非 JET プロファイルの場合は、この変数に値を指定しないでください。 |
なし |
変数セットを保存します。
「Plan Parameters」テーブルの「LinuxImage」コンポーネント行にあるドロップダウンメニューから、直前に保存した変数セットを選択します。
「Plan Details Run」ページで、プロファイルの作成先の Linux イメージサーバーを選択します。
Linux イメージサーバーのホスト名は末尾が -linux になります。
「Use the Jet Modules Specified Above」のチェックボックスを選択解除します。
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
Linux イメージサーバーに対して Linux プロファイルが作成されたことを確認するには、N1 SPS ブラウザインタフェースの左側にある「Components」をクリックします。
/com/sun/n1osp/autogen-server-name-linux/provision/ フォルダに、provision コンポーネントがあります。server-name は、変数セットに指定した Linux サーバー名です。次に例を示します。/com/sun/n1osp/autogen-Linux3U4_x86-linux/provision/。
LinuxImage コンポーネントの変数セットを作成するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd cdb.vs.add -comp NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxImage \ -name "redhat3" -u admin -p admin -vars "osp_server=masterserver-osp;version=RedHat3.0; \ architecture=x86;installPath=Linux:[version]_:[architecture]; \ description=test linux;min_disk_size=10GB; \ boot_server_name=bikickstart;boot_server_subnet_address=10.42.42.0; \ boot_server_subnet_ip_address=10.42.42.3;kickstart_file=/export/el30.cfg;\ pxe_boot_file=linux-install/pxelinux.0;pxe_configuration_file=el30-console" |
JET 以外のモジュール情報を提供するには、次のエントリを含む /tmp/redhat-profile ファイルを作成します。
standard-nojet Standard Linux base_config false
各行の意味は次のとおりです。
ファイルの最初の行は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Name」フィールドに対応します。
ファイルの 2 番目の行は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Profile Description」フィールドに対応します。
ファイルの 3 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「JET Module Name」フィールドに対応します。
ファイルの 4 行目は、ブラウザインタフェースのプラン変数セクションの「Use the Jet Modules Specified Above」チェックボックスに対応します。
プランを実行するには、次の例のようなコマンドを入力します。
# cr_cli -cmd pe.p.run -u admin -p admin \ -PID NM:/com/sun/n1osp/untyped/LinuxImage-create-profile \ -tar H:NM:bikickstart-linux -comp - -vs redhat3 -pto 30 -nto 10 -f /tmp/redhat-profile |
-u オプションで指定したデフォルトの N1 SPS ユーザー値を書き留めます。OS インストール後に N1 SPS リモートエージェントソフトウェアがターゲットホストで起動するには、このユーザーが存在する必要があります。
プロファイルは、ターゲットホストに OS イメージをプロビジョニングするために使用されます。これらのプロファイルは、/com/sun/n1osp/autogen...provision フォルダにあります。新しい OS イメージが作成 (または添付) されるたびに、新しいプロファイルがプロビジョンフォルダに追加されます。
ブートおよびインストールサーバー上のネットワークインタフェースが適切に構成されていることを確認します。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Linux Images」セクションで「Provision OS」をクリックします。
provision コンポーネントが含まれる Linux フォルダに移動します。
たとえば、/com/sun/n1osp/autogen-bikickstart-linux/provision/LinuxRedHat3.0_x86 などのフォルダです。
コンポーネント名を選択します。
「Component Details」ページで Provision_start:Install プロシージャの横にある「Run action」をクリックします。
オペレーティングシステムのプロビジョニング先であるターゲットホストを選択します。
ターゲットホストのホスト名の末尾は -target です。
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
RedHat 4.0 OS をプロビジョニングしたが、インストールのあとターゲットホストが完全に再起動しない場合、setup_user_acct_spsra Remote Agent 変数が y に設定されているかどうか、また bootloader_append_base_config RedHat プロファイル変数が selinux=0 に設定されているかどうかを確認します。これらの変数がそれぞれの設定に反映されない場合は、変数の値を変更しターゲットホストを再インストールしてください。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「OS Provisioning Administration Tasks」セクションで「Status」をクリックします。
「Plans Details」ページの「Run」をクリックします。
「Plan Details Run」ページで、オペレーティングシステムのプロビジョニング先であるターゲットホストを選択します。
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
「Details」リンクをたどり、状態を表示します。
不要になった OS イメージやプロファイルは、N1 SPS 環境から定期的に削除するとよいでしょう。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「RedHat Linux Images」セクションで「Manage」をクリックします。
「Components Details」ページで「Uninstall: Delete」のチェックボックスを選択します。
「Run」をクリックします。
N1 SPS 環境から RedHat Linux OS イメージが削除されます。「View link for RedHat Linux Images」セクションのイメージリストから、削除したイメージが削除されています。
ブートおよびインストールサーバーから、RedHat Linux OS イメージが削除されるわけではありません。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「RedHat Linux Images」セクションで「Provision OS」をクリックします。
「Components」ページで、削除するプロファイルのチェックボックスを選択します。
「Delete」をクリックします。
クロスプラットフォームインストール (SPARC システムからの x86 プラットフォームへのインストールなど) を有効にするには、アーキテクチャー固有のインストーラを Linux Image サーバーにインポートする必要があります。
プロビジョニングソフトウェアのページの「Common Tasks」セクションで、「OS Provisioning」を選択します。
「OS Provisioning Common Tasks」ページの「Linux Image Servers」セクションで「Manage」をクリックします。
「Component Details」ページで import_product_media プロシージャーの横にある「Run action」をクリックします。
インストーラをインポートする Linux Image サーバーホストを選択し、「Run Selected Installations」をクリックします。
「Plans Run」ページで、プラン変数を次のように設定します。
変数 |
説明 |
サンプル値 |
---|---|---|
JET Module Name |
JET モジュールの名前 |
spsra |
Product Version |
N1 SPS インストーラのバージョン |
5.2 |
Architecture |
RA インストーラに適用されるアーキテクチャー |
x86 |
Media Path |
RA インストーラが含まれるディレクトリへのパス |
/net/myothersys/export/ra |
「Run Plan (includes preflight)」をクリックします。
インポートされた RA インストーラからインストールするには、RA をインストールする際に使用される RedHat Linux プロファイルで、「Install RA from snapshot (y,n)」の値が n に設定されている必要があります。「RedHat Linux リモートエージェントのコンポーネント変数」を参照してください。