GNOME 2.2 システム管理 (Linux 版)

GDM の構成

GDM ログイン画面の設定には、Login Screen Setup アプリケーションを使用します。Login Screen Setup を起動するには、「アプリケーション」、「System Tools」、「Login Screen Setup」の順に選択します。


注 –

GDM ログイン画面を設定するには、システム管理者または root アクセス特権が必要です。


以下の GDM の機能エリアが設定可能です。

一般的な設定

「一般」タブ付きセクションで、GDM ログイン画面の一般設定を行います。

表 5–1 に、構成可能な一般的な GDM 設定を示します。

表 5–1 一般的な GDM 設定

要素 

説明 

「Local」

ローカルシステムからログインするときのログイン画面で使用されるインターフェイスの種類を選択します。ドロップダウンリストから次のいずれかのオプションを選択します。 

  • 「Graphical greeter」:ローカルシステムからログインするときに、グラフィカルログイン画面を使用します。

  • 「Standard greeter」:ローカルシステムからログインするときに、標準の GNOME ログイン画面を使用します。

「Remote」

リモートシステムからログインするときのログイン画面で使用されるインターフェイスの種類を選択します。ドロップダウンリストから次のいずれかのオプションを選択します。 

  • 「Graphical greeter」:リモートシステムからログインするときに、グラフィカルログイン画面を使用します。

  • 「Standard greeter」:リモートシステムからログインするときに、標準の GNOME ログイン画面を使用します。

「Always use 24 hour clock format」

ログイン画面に、00.00 から 24.00 の形式で時刻を表示します。 

「Welcome string」

ローカルシステムからログインするときに、標準の GNOME ログイン画面に表示される開始メッセージを入力します。 


注 –

開始メッセージ内にシステム名を表示する場合は、このテキストボックスに %n を入力します。


「Remote welcome string」

リモートシステムからログインするときに、標準の GNOME ログイン画面に表示される開始メッセージを入力します。 

「Login a user automatically on first bootup」

システムをはじめて起動したときに、自動的にユーザにログインします。 

「Automatic login username」

ドロップダウンコンビネーションボックスに、システムがユーザに自動的にログインする際に使用されるユーザ名を入力します。 

「Login a user automatically after a specified number of seconds」

指定した時間が経過すると、自動的にユーザにログインします。 

「Timed login username」

ドロップダウンコンビネーションボックスに、システムが指定時間の経過後ユーザに自動的にログインする際に使用されるユーザ名を入力します。 

「Seconds before login」

スピンボックスに、ユーザに自動的にログインする前の待機時間を指定します。 

標準 GNOME ログイン画面の設定

「Standard greeter」タブ付きセクションでは、標準 GNOME ログイン画面の設定を行います。

表 5–2 に、設定可能な標準 GNOME ログイン画面の設定を示します。

表 5–2 標準 GNOME ログイン画面の設定

要素 

説明 

「ロゴ」

標準 GNOME ログイン画面にロゴとして表示する画像を選択する。画像を選択するには、画像のファイル名をドロップダウンコンビネーションボックスに入力する。または、「参照」をクリックしてダイアログを表示し画像を選択する

「Show choosable user images (face browser)」

ユーザの画像を標準 GNOME ログイン画面に表示する。このオプションが選択されると、ユーザはユーザ名を入力する代わりに画像を選択できる 

「No background」

標準 GNOME ログイン画面の背景に画像や色を表示しない 

「画像」

標準 GNOME ログイン画面の背景に画像を表示する。画像を選択するには、画像のファイル名をダイアログの右側にあるドロップダウンコンビネーションボックスに入力する。または、ダイアログの右側にある「参照」ボタンをクリックしてダイアログを表示し、画像を選択する

「カラー」

標準 GNOME ログイン画面の背景に色を表示する。「背景色」ボタンで色を指定する

「Scale background image to fit」

「画像」オプションを選択した場合に、標準 GNOME ログイン画面の背景に合わせて背景画像のサイズを変更する。画像の幅対高さの比率は維持される

「Only color on remote displays」

リモートシステムからログインしたときに、標準 GNOME ログイン画面の背景に色を表示する 

「背景の色」

背景の「カラー」オプションまたは「Only color on remote displays」オプションを選択した場合は、このボタンで色を指定する。カラーセレクタボタンをクリックして、「色の選択」ダイアログを表示する 。任意の色を「色の選択」ダイアログから選ぶ

グラフィカルログイン画面の設定

「Graphical greeter」タブ付きセクションでは、グラフィカルログイン画面の設定を行います。

表 5–3 に、設定可能なグラフィカルログイン画面の設定を示します。

表 5–3 グラフィカルログイン画面の設定

要素 

説明 

「Theme list」 

グラフィカルログイン画面に使用するテーマを選択する。ダイアログの右側にテーマのプレビューが表示される 

「新規テーマのインストール」

利用可能なテーマのリストにテーマを追加できる。新しいテーマは、tar および zip でアーカイブされたファイルである必要がある。つまり、新しいテーマは、.tar.gz ファイルになる。

新しいテーマをインストールするには、次の手順を実行する。 

  1. 「Install new theme」ボタンをクリックする。

  2. ダイアログでアーカイブファイルを選択する。ファイルを選択したら、「了解」をクリックする

「Delete theme」

テーマを削除するには、テーマを選択し、「Delete theme」ボタンをクリックする

セキュリティ設定

「Security」タブ付きセクションでは、GDM のセキュリティ設定を行います。

表 5–4 に、構成可能なセキュリティ設定を示します。

表 5–4 セキュリティ設定

要素 

説明 

「Allow root to login with GDM」

システム管理者または root アクセス特権を持つユーザが、GDM を使ってローカルシステムからログインできるようになる


注 –

プラグイン可能認証モジュール (Pluggable Authentication Modules: PAM) をサポートするシステムでは、このオプションは無視される。PAM ライブラリは、ユーザがローカルシステムに存在するかどうかを判断する


「Allow root to login remotely with GDM」

システム管理者または root アクセス特権を持つユーザが、GDM を使ってリモートシステムからログインできるようになる

「Allow remote timed logins」

GDM は、指定された時間が経過するとリモートシステムからユーザに自動的にログインできるようになる

「Show actions menu」

「アクション」メニューをログイン画面で使用できるようになる

「Allow configuration from the login screen」

「Configure the login manager」項目をログイン画面の「アクション」メニューで使用できるようになる

「Allow running XDMCP chooser from the login screen」

「Run XDMCP chooser」項目をログイン画面の「アクション」メニューで使用できるようになる

「Run XDMCP chooser」項目は、表示管理サービスを提供するホストの一覧を表示する。ユーザは、この一覧からセッションを管理するホストを選択できる

「Always disallow TCP connections to X server (disables all remote connections)」

ユーザは、リモートシステムから X ウィンドウシステムに接続できなくなる 

「Retry delay (seconds)」

ログインが失敗した後、ログイン画面の「ユーザ名」フィールドを再度アクティブにする前に待機する時間をスピンボックスに指定する


注 –

プラグイン可能認証モジュール (Pluggable Authentication Modules: PAM) をサポートするシステムでは、このオプションは無視される。


XDMCP の設定

「XDMCP」タブ付きセクションでは、X Display Manager Control Protocol (XDMCP) の設定を行います。

表 5–5 に、構成可能な XDMCP 設定を示します。

表 5–5 XDMCP の設定

要素 

説明 

「Enable XDMCP」

リモート X ウィンドウシステムディスプレイが、システムから X ウィンドウズシステムシステムセッションを要求できるようになる 

「Honour indirect requests」

ディスプレイマネージャを持たないリモート X ウィンドウシステムディスプレイが、現在のシステムから XDMCP 表示管理サービスを要求できるようになる 

「Listen on UDP port」

スピンボックスに、ユーザーデータグラムプロトコル (User Datagram Protocol: UDP)要求を受信するポート番号を指定する

「Maximum pending requests」

スピンボックスに、キューに入れるシステムからのセッション要求の最大数を指定する 


注 –

このオプションを使用すると、サービス攻撃の否定を回避できる。このオプションは、一度にセッションを要求できるディスプレイの数を指定する。このオプションは、GDM が許可するリモートセッションの総数を指定するわけではない


「Max pending indirect requests」

GDM は、システムからのセッション要求のキューを作成する。このスピンボックスで、キューに入れるディスプレイマネージャを持たないディスプレイからのセッション要求の最大数を指定する

「Maximum remote sessions」

スピンボックスで、GDM が許可するリモートセッションの総数を指定する

「Maximum wait time」

スピンボックスで、GDM がキューから要求を削除するまでの待機時間を指定する

「Maximum indirect wait time」

スピンボックスで、GDM が要求セッションを持つディスプレイのキューからディスプレイマネージャを持たないディスプレイを削除するまでの待機時間を指定する

「Displays per host」

スピンボックスで、GDM がホストから許可するセッションの総数を指定する

「Ping interval (minutes)」

GDM は、セッションがアクティブなままかどうかをチェックする。スピンボックスで、GDM からのチェックの間隔を指定する