GNOME 2.2 システム管理 (Linux 版)

パネルとパネルオブジェクト設定の実行

panel-default-setup.entries ファイルは、GNOME デスクトップ内のパネルについて、次の内容を指定します。

パネルおよびパネルオブジェクトを個別に設定するのは、複雑な作業になります。パネルやパネルオブジェクトを個別に設定するには、まず panel-default-setup.entries ファイルの構造を理解する必要があります。panel-default-setup.entries の詳細については、次の節を参照してください。

パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定するには、構成ソース内の多数の設定値を設定する必要があります。パネル設定の値を設定する一番簡単な方法は、--dump および --load オプションを指定して、gconftool-2 コマンドを使用することです。パネルおよびパネルオブジェクトの設定方法の詳細については、パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定を参照してください。

パネルおよびパネルオブジェクトの個別指定

panel-default-setup.entries ファイルには、パネルおよびパネルの内容を指定する部分があります。また panel-default-setup.entries ファイルは、スキーマキーの値を指定します。panel-default-setup.entries ファイルは、/etc/gconf/schemas ディレクトリ内にあります。

panel-default-setup.entries ファイルの構造は、以下のとおりです。

  1. GNOME デスクトップ内のパネル、アプレット、およびその他のパネルオブジェクトの一般的な構造を指定するキー。以下のキーが、GNOME デスクトップ内に表示されるパネル、パネルオブジェクト、およびアプレットの数を指定します。

    • /apps/panel/default_setup/general/toplevel_id_list

    • /apps/panel/default_setup/general/object_id_list

    • /apps/panel/default_setup/general/applet_id_list

    これらのキーは、各パネル、パネルオブジェクト、およびアプレットに識別子も割り当てます。たとえば、以下の panel-default-setup.entries のサンプルでは、GNOME デスクトップに表示されるパネルは 1 つです。

    <entry>
          <key>toplevel_id_list</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/general/toplevel_id_list</schema_key>
          <value>
            <list type="string">
              <value>
                <string>bottom_panel</string>
              </value>
            </list>
          </value>
        </entry>

    panel-default-setup.entries ファイルでは、識別子 bottom_panel がボトムエッジパネルを識別します。

  2. パネルのプロパティを指定するキー。パネル設定キーは、次のように構成されています。

    /apps/panel/default_setup/toplevels/panel-name/panel-property-key
    

    たとえば、キー /apps/panel/default_setup/toplevels/bottom_panel/size は、ボトムパネルのサイズを指定します。

  3. パネルオブジェクト、パネルオブジェクトプロパティ、およびオブジェクトが存在するパネルを指定するキー。たとえば、以下の panel-default-setup.entries のサンプルでは、メインメニューオブジェクトが ボトムパネルの左側に表示されます。

    <entrylist base="/apps/panel/default_setup/objects/main_menu">
       <entry>
          <key>object_type</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/object_type</schema_key>
          <value>
            <string>menu-object</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>toplevel_id</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/toplevel_id</schema_key>
          <value>
            <string>bottom_panel</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>position</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/position</schema_key>
          <value>
            <int>0</int>
          </value>
        </entry>
    .
    .
    .
      </entrylist>
  4. アプレット、アプレット設定、およびアプレットが存在するパネルを指定するキー。たとえば、以下の panel-default-setup.entries のサンプルでは、 Window List アプレットがボトムパネルに表示されます。

    <entrylist base="/apps/panel/default_setup/applets/window_list">
        <entry>
          <key>object_type</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/object_type</schema_key>
          <value>
            <string>bonobo-applet</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>toplevel_id</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/toplevel_id</schema_key>
          <value>
            <string>bottom_panel</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>position</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/position</schema_key>
          <value>
            <int>2</int>
          </value>
        </entry>
    .
    .
    .
        <entry>
          <key>bonobo_iid</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/bonobo_iid_type</schema_key>
          <value>
            <string>OAFIID:GNOME_WindowListApplet</string>
          </value>
        </entry>
      </entrylist>

    OAFIID は、アプレットの一意の識別子です。特定のアプレットの OAFIID を検索するには、/usr/lib/bonobo/servers ディレクトリ内にあるそのアプレットの .server ファイルを参照します。たとえば、以下の GNOME_Wncklet_Factory.server の抜粋では、Window List アプレットの OAFIID が示されます。

    <oaf_server iid="OAFIID:GNOME_WindowListApplet" 
    type="factory" location="OAFIID:GNOME_Wncklet_Factory">

パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定

パネルやパネル内のオブジェクトの設定を行うには、次の手順を実行します。

  1. GNOME セッションにログインし、必要に応じてパネルを設定します。

  2. --dump オプションを指定して gconftool-2 コマンドラインツールを使用し、お使いのパネル構成の XML 記述を含むファイルを生成します。--dump オプションは、ユーザが指定した GConf リポジトリディレクトリ内にあるすべての設定キーを含む一覧を生成します。

    たとえば、以下のコマンドはデフォルトパネル構成の XML 記述を my-panel-setup.entries というファイルに作成します。

    # gconftool-2 --dump /apps/panel/profiles/default> my-panel-setup.entries

  3. my-panel-setup.entries ファイルをテキストエディタで開き、必要に応じて修正します。

    たとえば、デスクトップエントリファイルの場所を変更したりします。以下に、 --dump オプションで生成されたファイルの抜粋を示します。

    <entry>
          <key>objects/object_16/launcher_location</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/launcher_location</schema_key>
          <value>
            <string>hadjaha-00adce02f7.desktop</string>
          </value>
        </entry>

    上のサンプルで、 hadjaha-00adce02f7.desktop への参照を、広く使用可能な別のデスクトップエントリファイルに変更することも考えられます。

    --dump オプションでパネル構成を生成すると、パネルオブジェクトの位置は絶対的な位置になります。パネルオブジェクトの位置を絶対的な位置から相対的な位置に変更したい場合もあります。パネルの一番左端のオブジェクトの position 値は 0 です。その次のオブジェクトの position 値は 1 という具合になっています。オブジェクトをパネルの右側と相対する位置に置くには、right_stick キーを true に設定します。

  4. --load オプションを指定して gconftool-2 コマンドラインツールを使用し、デフォルトの構成ソースの値を my-panel-setup.entries ファイル内の値に設定します。たとえば、以下のコマンドは、デフォルトの構成ソースのキー値を my-panel-setup.entries 内の対応するキーの値に設定します。

    # gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --load my-panel-setup.entries