本書では、次の Java Desktop System リリース製品を対象に説明します。
Linux プラットフォーム用 Java Desktop System Release 2
次のハードウェア上で稼動する x86 プラットフォーム用 Solaris 9 オペレーティングシステム 9/04 向け Java Desktop System Release 2
Sun Microsystems Workstation W1100z
Sun Microsystems Workstation W2100z
Java Desktop System コンポーネントは、オープンソーススタンダードに基づいており、GNOME デスクトップ環境、StarSuite 統合オフィスツール、Mozilla ブラウザ、Evolution メールおよびカレンダクライアント、Java 2 Platform Standard Edition などを装備しています。Java Desktop System は、サーバー側管理ツールを備えており、ユーザーのデスクトップ環境を集中的に設定、導入、管理することができます。また Java Destop System は、開発者が Java をベースにした GNOME デスクトップ用アプリケーションを作成しやすいよう、高度な開発者ツールを装備しています。
このリリースの Java Desktop System
に含まれるものを表 1–1 および表 1–2 に示します。
表 1–2 Solaris リリースの内容
項目 |
説明 |
---|---|
ダウンロードパッケージ |
このリリースの Java Desktop System をインストールするために必要なすべてのファイルが含まれています。 |
Solaris DVD |
x86 プラットフォーム用 Solaris 9 オペレーティングシステム 9/04 をインストールするために必要なすべてのファイルが含まれています。 |
Java Desktop System DVD |
このリリースの Java Desktop System と管理者ツールをインストールするために必要なすべてのファイルが含まれています。 また、 |
次の表に、Java Desktop System Release 2 のリリース情報を示します。
表 1–3 Java Desktop System Release 2 のリリース情報
プラットフォーム |
説明 |
スケジュール |
---|---|---|
Linux |
すべての言語 |
2004 年 5 月 |
Solaris オペレーティングシステム |
すべての言語 |
2004 年 10 月 |
Solaris プラットフォーム用と Linux プラットフォーム用の Java Desktop System Release 2 には、いくつか違いがあります。このリリースのユーザーインタフェースの内容については、次のマニュアルで説明します。
表 1–4 Java Desktop System Release 2 の各リリースの相違点に関する情報
プラットフォーム |
関連情報の場所 |
---|---|
Linux |
『Java Desktop System Release 2 クイックスタート・ユーザーズガイド』 『GNOME 2.2 ユーザーズガイド (Linux 版)』 |
Solaris OS |
『Java Desktop System Release 2 ユーザーズガイド』 |
Java Desktop System における既知の問題点のうち、回避策がまだ見つかっていないものを次の表に示します。
トピック |
既知の問題点 |
---|---|
アクセシビリティ |
|
アプリケーション |
|
デスクトップ |
|
各国語化 |
|
Java Desktop System のユーザーマニュアルは、PDF および HTML バージョンで表示できます。
表 1–5 は、Java Desktop System Release 2 の各種リリース情報についてのユーザーマニュアルの利用方法をまとめたものです。
表 1–5 ユーザードキュメントの利用方法
プラットフォーム |
場所 |
---|---|
Linux |
|
Solaris オペレーティングシステム |
|
各国語版のユーザーマニュアルは、表 1–5 に記載されている場所から参照できます。
ドキュメント CD から各国語版のユーザーマニュアルを表示するには、次の手順を実行します。
ドキュメント CD をシステムの CD ドライブに挿入します。
好みの HTML ブラウザで README.html ファイルを開きます。
README.html の指示に従って、言語、トピック、希望するマニュアルを選択します。
http://docs.sun.com から各言語版のユーザーマニュアルを表示するには、次の手順を実行します。
次のページを開きます。
言語選択ボタンから、希望の言語を選択します。
言語選択ボタンは、そのページの「Search/browse within」領域の隣にあります。
希望のマニュアル名を「検索」フィールドに入力します。
表示されたリストから、希望のマニュアルを選択します。
製品 DVD から各国語版のユーザーマニュアルを表示するには、次の手順を実行します。
製品 DVD を、システムの DVD ドライブに挿入します。
Documentation フォルダを開きます。
好みの HTML ブラウザで README.html ファイルを開きます。
README.html の指示に従って、言語、トピック、希望するマニュアルを選択します。
このリリースの Java Desktop System には、次のデスクトップアプリケーション用のマニュアルが含まれていません。
Instant Messenger
このリリースの Java Desktop System には、次のパネルアプリケーション用のマニュアルが含まれていません。
アポイントとタスク
入力方式切り替え器
キーボードインジケータ
このリリースの Java Desktop System には、GNOME フリーソフトウェアコミュニティによって提供されるヘルプマニュアルを持つサンプルアプリケーションが含まれています。Sun Microsystems は、フリーソフトウェアコミュニティによって提供されるヘルプマニュアルの完全性または正確性については、責任を負いません。次に表に、Java Desktop System Help ブラウザから表示できる、マニュアルのサポート状況を示します。
ヘルプセクション |
マニュアルの状況 |
---|---|
GNOME デスクトップ |
Sun は、標準 Java Desktop System ソフトウェアパッケージの一部であるすべてのアプレットとアプリケーションについて、マニュアルを提供します。 Sun は、サンプルアプリケーションのマニュアルは提供しません。サンプルアプリケーションのリストについては、「1.6 サンプルアプリケーション」を参照してください。 |
追加マニュアル |
|
Sun は、サンプルアプリケーションの各国語版マニュアルは提供しません。
Sun は、ユーザーが批評および評価できるよう、Java Desktop System と共に各種サンプルアプリケーションを提供します。サンプルアプリケーションは、GNOME フリーソフトウェアコミュニティや Sun 以外の販売会社の製品です。Sun は、これらのサンプルアプリケーションについては、以下のいずれも提供しません。
支援技術機能
バグの修正
マニュアルまたはヘルプ
各国語化
技術サポート
次の表に、Sun がサンプルアプリケーションとして提供する GNOME フリーソフトウェアコミュニティからのアプリケーションを記載します。
アプリケーション |
説明 |
---|---|
|
フローチャート、地図、UML 図など、数多くの図を作成できる図形エディタ |
|
単語の定義および正確なスペルを調べることができるオンライン辞書 |
|
画像を管理するデジタルカメラブラウザ Linux リリースのみ。 |
|
ディスク状態の視覚的な描写を作成できる |
|
画像を編集する GNU 画像処理プログラム |
|
画像のサムネイルをデスクトップに表示する画像ビューアとブラウザ |
インタフェースエディタ |
GNOME アプリケーションのユーザーインタフェースを作成するプログラミングアプリケーション |
|
動画を再生できるマルチメディアプレイヤー Linux リリースのみ。 |
|
プロジェクトスケジュールの管理用ツール |
|
プログラマのための汎用的な拡張可能なエディタ |
|
テレビ会議アプリケーション Linux リリースのみ。 |
|
さまざまな地域の現在の天候を表示する天気予報プログラム |
Web Start |
事前に設定した内容を使用して Web ブラウザを起動する、Java アプリケーション |
次の表に、Sun がサンプルアプリケーションとして Java Desktop System Release 2 で提供する Sun 以外の製品を記載します。
Sun 以外の製品 |
説明 |
プラットフォーム |
---|---|---|
|
PDF (Portable Document Format) 形式のファイルを表示できる |
Linux システム |
|
Web 上で対話式にマルチメディアを再生できる |
Linux システムおよび Solaris システム |
|
一般に使用されている、さまざまな形式のメディアファイルを再生できる |
Linux システム |
Java Desktop System Release 2 の Solaris プラットフォーム上では、PDF ドキュメントビューア
を使用して PDF ドキュメントを 閲覧できます。PDF Document Viewer
を起動するには、「起動」 をクリックしてから 「アプリケーション」 -> 「グラフィックス」 -> 「PDF ドキュメントビューア」を選択します。
Java Desktop System Release 2 の Solaris プラットフォーム上では、Java メディアプレイヤー
を使用して RealPlayer がサポートしているいくつかのメディア形式を再生できます。Java Media Player
を起動するには、「起動」をクリックしてから「アプリケーション」 -> 「マルチメディア」-> 「Java メディアプレイヤー」を選択します。
Sun は、サンプルアプリケーションとして次のゲームを提供します。
Ataxx
Freecell
Klotski
Lines
Iagno
Mahjongg
Mines
Nect
Nibbles
Robots
Same GNOME
Spider
Stones
Tali
Tetravex
このセクションでは、Mozilla 1.7
用プラグインについて説明します。
Java プラグイン
は、Mozilla 1.7
ではデフォルトで有効になっています。Java プラグイン
が動作しない場合は、 /usr/sfw/lib/mozilla/plugins ディレクトリに次のファイルを示すシンボリックリンクを作成してください。
$JAVA_PATH/plugin/i386/ns610/libjavaplugin_oji.so
libjavaplugin_oji.so ファイルをコピーするのではなく、必ずシンボリックリンクを作成してください。libjavaplugin_oji.so をコピーすると、Java
はクラッシュします。
すべての Java プラグインを /usr/sfw/lib/mozilla/plugins ディレクトリにインストールしてください。
Mozilla 1.7
には、次の Sun 以外のプラグインも 使用できます。
Adobe Acrobat Reader
Macromedia Flash Player
RealPlayer
これらプラグインを使用できるプラットフォームについては、「1.6.2 Sun 以外のアプリケーション」を参照してください。
Mozilla
のプラグインについての詳細は、次の場所を参照してください。 http://plugindoc.mozdev.org/linux.html
Java Desktop System は、Unicode UTF-8 エンコーディングの言語をサポートする、Unicode 完全対応の多言語システムです。Java Desktop System は、UTF-8 以外の従来の言語のエンコーディングをサポートするための、コードセット変換も提供します。
Java Desktop System は、基底オペレーティングシステムの一部として、すべてのロケールの既定デスクトップとしてインストールされます。ただし、Sun では Java Desktop System 内の次のロケールを対象に、完全なグローバルサポートを提供します。
de_DE.UTF-8
fr_FR.UTF-8
es_ES.UTF-8
sv_SE.UTF-8
it_IT.UTF-8
ja_JP.UTF-8
ko_KR.UTF-8
zh_CN.UTF-8
zh_CN.GB18030
zh_TW.UTF-8
zh_TW.BIG5
Unicode 多言語コンピューティングへの移行によって影響を受けるデータは、様々な方法でインポートおよびエクスポートできます。
ファイルシステムタイプの FAT と VFAT は、Microsoft Windows に搭載したフロッピーディスク、zip ドライブ、リムーバブルハードディスクに主に使用されます。システム管理者は、マウントオプションの codepage と iocharset をこれらのファイルシステムタイプに設定する必要があります。たとえば、繁体字中国語版 Microsoft Windows からインポートする場合、繁体字中国語のファイル名を正しく表示するには、次の表のように設定する必要があります。
マウントオプション |
繁体字中国語の設定 |
---|---|
codepage |
950 |
iocharset |
big5 |
繁体字中国語の例を示す /etc/fstab のエントリは、以下のとおりです。
/dev/fd0h1440 |
/media/fd0h1440 |
vfat noauto,iocharset=big5,codepage=950 |
/dev/sda1 |
/media/iee1394disk |
vfat noauto,iocharset=big5,codepage=950 |
CIFS を使用して共有されるリモートの Microsoft Windows ファイルシステムや、SMB によって別のシステムからエクスポートされたファイルシステムにマウントするには、システム管理者がマウントオプションの codepage と iocharset を設定する必要があります。繁体字中国語版 Microsoft Windows で big5 にエンコードした従来のファイルをインポートした場合に、繁体字中国語のファイル名を正しく表示するには、iocharset パラメータを big5 に設定し、codepage を 950 に設定する必要があります。以下に /etc/fstab エントリの例を示します。
server:/data /data smbfs iocharset=big5,codepage=950,username=foo,password=bar |
Java Desktop System は、SMB を使用して UNIX および Linux システム上のファイルシステムにリモートアクセスできます。リモートファイルシステムをエクスポートするには、エクスポートサーバーが Samba またはそれに相当するプログラムを実行している必要があります。従来のデータが従来のエンコーディングで格納されている場合には、クライアント側でファイルシステムのエンコーディングを指定することができます。ファイル名のコードセット変換は、自動的に行われます。
Microsoft Office
ファイルは、Unicode でエンコードされています。StarSuite
アプリケーションは、Unicode でエンコードされたファイルを問題なく読み取りおよび書き込みできます。
Mozilla Composer
などの HTML エディタを使用して作成した HTML ファイルや、Web ブラウザによって保存された HTML ファイルには、通常、charset エンコーディングタグが含まれています。HTML ファイルは、HTML ファイル内のエンコーディングタグに基づいて、Mozilla Navigator
Web ブラウザで表示したり、Mozilla Composer
を使用してファイルを編集することができます。
HTML ファイルは文字化けする場合があります。この問題は、概ね次の理由によります。
charset エンコーディングタグが正しくない。
charset エンコーディングタグがない。
HTML ファイルの charset エンコーディングタグを見つけるには、次の手順を実行します。
Mozilla
を使用してファイルを開きます。
Ctrli を押すか「表示」をクリックして、「表示」メニューを開きます。
「ページ情報」をクリックします。
charset 情報は、「 一般」タブの下に次のように表示されます。Content-Type text/html; charset=us-ascii
文字列 charset=us-ascii が、ファイルの実際のエンコーディングと一致しない場合、そのファイルは壊れているように見えることがあります。HTML ファイルのエンコーディングを編集するには、次の手順を実行します。
Mozilla Composer
でファイルを開きます。
「ファイル」メニューを開きます。
「Save As Charset」を選択します。
正しいエンコーディングを選びます。Mozilla Composer
は、自動的にエンコーディングと charset タグを適切に変換します。
現在使用されている電子メールは、MIME charset タグでタグ付けされています。Java Desktop System のメールアプリケーションである Evolution
は、MIME charset タグを認識します。したがって、エンコーディングを変換する必要はありません。
プレーンテキストファイルには、charset タグがありません。ファイルが UTF-8 エンコーディングでない場合、エンコーディング変換を行う必要があります。たとえば、繁体字中国語の big5 でエンコードされているプレーンテキストを UTF-8 に変換するには、次のコマンドを実行します。iconv -f big5 -t UTF-8 inputfilename > outputfilename
次の表に、このリリースの Java Desktop System でサポートされる言語を示します。
サポートされる言語 |
---|
英語 |
フランス語 |
ドイツ語 |
イタリア語 |
日本語 |
韓国語 |
スペイン語 |
スウェーデン語 |
簡体字中国語 |
繁体字中国語 |
ブラジルポルトガル語はユーザーインタフェースのみがサポートされます。
Linux システム上で使用する Java Desktop System Release 2 向けの更新内容を、Java System Update Service
を使ってダウンロードすることができます。詳細については、以下のサイトを参照してください。
次の Web サイトでは、Java Desktop System のカスタマーサポートサービスについて説明しています: http://www.sun.com/service/sunjavasystem/javadesktopsystem.html
特定の製品に対して、Sun Microsystems は、Java Desktop System の一般インストール用のデスクトップクライアントソフトウェアを対象に、60 日間の無償インストールと設定サービスを提供します。このサービスの対象は、Sun が提供する標準パッケージを含む、改変されていない Java Desktop System ソフトウェアの標準インストールと設定に限ります。多少なりとも改変されたシステムは、このサービスの対象にはなりません。改変された Java Desktop System ソフトウェアに対してこのサービスを提供する契約が組み入れられた場合、その契約はいずれの当事者でも解除できるものとします。