Java Desktop System Release 2 システム管理

一般的な環境の設定

この節では、必須値またはデフォルト値を一般的な設定に割り当てる方法を説明します。

HTTP プロキシの設定

HTTP プロキシを設定するには、/system/http_proxy/ の設定キーの値を変更します。たとえば、HTTP プロキシホストに必須値を設定するには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory --type string --set /system/http_proxy/host proxy-name

HTTP プロキシホストにデフォルト値を設定するには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --type string --set /system/http_proxy/host proxy-name

ほかの HTTP プロキシ関連の環境を設定することもできます。ほかの HTTP プロキシ設定に関する情報については、system_http_proxy.schemas スキーマ定義ファイルを参照してください。

ワークスペース数の設定

ワークスペースの必須の数を設定するには、次のコマンドを使用します。

# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory --type int --set /apps/metacity/general/num_workspaces integer

ワークスペースのデフォルトの数を設定するには、次のコマンドを使用します。

# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --type int --set /apps/metacity/general/num_workspaces integer

ほかのウィンドウマネージャの環境を設定することもできます。ほかのウィンドウマネージャの設定に関する情報については、metacity.schemas スキーマ定義ファイルを参照してください。

キーボードショートカットの設定

キーボードショートカット設定を行うには、/apps/metacity/global_keybindings/panel_run_dialog にある設定キーの値を変更します。たとえば、「アプリケーションの実行」ダイアログを開くときに、ユーザーが Alt + F3 キーボードショートカットのみを使用するように設定したい場合があります。この必須値を設定するには、次のコマンドを実行します。

# gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory --type string --set /apps/metacity/global_keybindings/panel_run_dialog '<Alt>F3'

ほかのキーボードショートカット環境を設定することもできます。ほかのキーボードショートカットの設定に関する情報については、metacity.schemas スキーマ定義ファイルを参照してください。

パネルとパネルオブジェクトの設定

panel-default-setup.entries ファイルは、Java Desktop System 内のパネルについて、次の内容を指定します。

パネルおよびパネルオブジェクトを個別に設定するのは、複雑な作業になります。パネルやパネルオブジェクトを個別に設定するには、まず panel-default-setup.entries ファイルの構造を理解する必要があります。panel-default-setup.entries ファイルについては、パネルおよびパネルオブジェクトの個別指定 を参照してください。

パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定するには、設定ソース内の多数の設定値を設定する必要があります。パネル設定の値を設定する一番簡単な方法は、--dump および --load オプションを指定して、gconftool-2 コマンドを使用することです。パネルおよびパネルオブジェクトの設定方法の詳細については、パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定を参照してください。

パネルおよびパネルオブジェクトの個別指定

panel-default-setup.entries ファイルには、パネルおよびパネルの内容を指定する部分があります。また panel-default-setup.entries ファイルは、スキーマキーの値を指定します。panel-default-setup.entries ファイルは、/etc/gconf/schemas ディレクトリ内にあります。

panel-default-setup.entries ファイルの構造は、以下のとおりです。

  1. ファイル内のすべてのキーのベースパスを指定する、entrylist 要素。たとえば、以下の要素 (panel-default-setup.entries からの引用) は、キーのベースパスとして /apps/panel/default_setup を指定します。

    <entrylist base="/apps/panel/default_setup">

    たとえば、キー general/toplevel_id_listpanel-default-setup.entries 内で参照されている場合、キーのフルパスは /apps/panel/default_setup/general/toplevel_id_list です。

  2. デスクトップのパネル、アプレット、およびその他のパネルオブジェクトの一般的な構造を指定するキー。以下のキーが、デスクトップ内に表示されるパネル、パネルオブジェクト、およびアプレットの数を指定します。

    • general/toplevel_id_list

    • general/object_id_list

    • general/applet_id_list

    これらのキーは、各パネル、パネルオブジェクト、およびアプレットに識別子も割り当てます。たとえば、以下の panel-default-setup.entries のサンプルでは、デスクトップに 1 つのパネルが表示されるように指定しています。

    <entry>
          <key>general/toplevel_id_list</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/general/toplevel_id_list</schema_key>
          <value>
            <list type="string">
              <value>
                <string>bottom_panel</string>
              </value>
            </list>
          </value>
        </entry>

    panel-default-setup.entries ファイルでは、識別子 bottom_panel が画面の最下部のパネルを識別します。

  3. パネルのプロパティを指定するキー。パネル設定キーは、次のように設定されています。

    toplevels/panel-name/panel-property-key
    

    たとえば、toplevels/bottom_panel/size のキーはボトムパネルのサイズを指定します。

  4. パネルオブジェクト、パネルオブジェクトプロパティ、およびオブジェクトが存在するパネルを指定するキー。たとえば、以下の panel-default-setup.entries のサンプルでは、メインメニューオブジェクトが ボトムパネルの左側に表示されます。

    <entry>
          <key>objects/main_menu/object_type</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/object_type</schema_key>
          <value>
            <string>menu-object</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>objects/main_menu/toplevel_id</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/toplevel_id</schema_key>
          <value>
            <string>bottom_panel</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>objects/main_menu/position</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/position</schema_key>
          <value>
            <int>0</int>
          </value>
        </entry>
  5. アプレット、アプレット設定、およびアプレットが存在するパネルを指定するキー。たとえば、以下の panel-default-setup.entries のサンプルでは、Window List アプレットがボトムパネルに表示されます。

    <entry>
          <key>applets/window_list/object_type</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/object_type</schema_key>
          <value>
            <string>bonobo-applet</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>applets/window_list/toplevel_id</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/toplevel_id</schema_key>
          <value>
            <string>bottom_panel</string>
          </value>
        </entry>
        <entry>
          <key>applets/window_list/position</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/position</schema_key>
          <value>
            <int>3</int>
          </value>
        </entry>
    .
    .
    .
        <entry>
          <key>applets/window_list/bonobo_iid</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/bonobo_iid_type</schema_key>
          <value>
            <string>OAFIID:GNOME_WindowListApplet</string>
          </value>
        </entry>

    OAFIID は、アプレットの一意の識別子です。特定のアプレットの OAFIID を検索するには、/usr/lib/bonobo/servers ディレクトリ内にあるそのアプレットの .server ファイルを参照します。たとえば、以下の GNOME_Wncklet_Factory.server の抜粋では、Window List アプレットの OAFIID が示されます。

    <oaf_server iid="OAFIID:GNOME_WindowListApplet" 
    type="factory" location="OAFIID:GNOME_Wncklet_Factory">

パネルおよびパネルオブジェクトの環境を個別に設定

パネルやパネル内のオブジェクトの設定を行うには、次の手順を実行します。

  1. Java Desktop System セッションにログインし、必要に応じてパネルを設定します。

  2. --dump オプションを指定して gconftool-2 コマンドラインツールを使用し、使用しているパネル設定の XML 記述を含むファイルを生成します。--dump オプションは、ユーザーが指定した GConf リポジトリディレクトリ内にあるすべての設定キーを含む一覧を生成します。

    たとえば、以下のコマンドはデフォルトパネル設定の XML 記述を my-panel-setup.entries というファイルに作成します。

    # gconftool-2 --dump /apps/panel/profiles/default > my-panel-setup.entries

  3. my-panel-setup.entries ファイルをテキストエディタで開き、必要に応じて修正します。

    たとえば、デスクトップエントリファイルの場所を変更します。以下に、--dump オプションで生成されたファイルの抜粋を示します。

    <entry>
          <key>objects/object_16/launcher_location</key>
          <schema_key>/schemas/apps/panel/objects/launcher_location</schema_key>
          <value>
            <string>hadjaha-00adce02f7.desktop</string>
          </value>
        </entry>

    上のサンプルで、hadjaha-00adce02f7.desktop への参照を、広く使用可能な別のデスクトップエントリファイルに変更することも考えられます。

    --dump オプションでパネル設定を生成すると、パネルオブジェクトの位置は絶対的な位置になります。パネルオブジェクトの位置を絶対的な位置から相対的な位置に変更したい場合もあります。パネルの一番左端のオブジェクトの position 値は 0 です。その次のオブジェクトの position 値は 1 という具合になっています。オブジェクトをパネルの右側と相対する位置に置くには、right_stick キーを true に設定します。

  4. --load オプションを指定して gconftool-2 コマンドラインツールを使用し、デフォルトの設定ソースの値を my-panel-setup.entries ファイル内の値に設定します。たとえば、以下のコマンドは、デフォルトの設定ソースのキー値を my-panel-setup.entries 内の対応するキーの値に設定します。

    # gconftool-2 --direct --config-source xml:readwrite:/etc/gconf/gconf.xml.defaults --load my-panel-setup.entries