この節では、ファイルおよびフォルダの操作方法について説明します。
ファイルマネージャの一部の作業は、ドラッグ&ドロップで実行できます。ドラッグ&ドロップすると、マウスポインタは、実行する作業に関するフィードバックを示します。表 5–4 は、ドラッグ&ドロップで実行できる作業を説明します。また、ドラッグ&ドロップしたときに表示されるマウスポインタも示します。
表 5–4 ファイルマネージャでのドラッグ&ドロップ
ファイルマネージャでファイルやフォルダを選択する方法は、いくつかあります。表 5–5 では、ファイルマネージャウィンドウとデスクトップの背景から項目を選択する方法が説明されています。
表 5–5 ファイルマネージャ内の項目の選択
作業 |
アクション |
---|---|
項目の選択 |
その項目をクリックする |
一連の項目のグループを選択 |
アイコン表示で、選択する複数のファイルを囲むようにドラッグする リスト表示で、グループの最初の項目をクリックする。Shift キーを押したまま、グループの最後の項目をクリックする |
複数の項目を選択 |
Ctrl キーを押したままにする。選択する複数の項目をクリックする または、Ctrl キーを押したままで、選択する複数のファイルを囲むようにドラッグする |
フォルダ内のすべての項目を選択 |
「編集」-> 「すべて選択」を選択する |
項目のデフォルトのアクションを実行するには、その項目をダブルクリックします。ファイルマネージャで設定することにより、ファイルを 1 度クリックするだけでデフォルトのアクションを実行できます。
以降の節では、ファイルまたはフォルダを移動する方法について説明します。
ファイルまたはフォルダを表示区画内の別の場所にドラッグするには、次の手順を実行します。
ファイルマネージャウィンドウを開きます。「ファイル」-> 「新規ウィンドウ」を選択して、別のファイルマネージャウィンドウを開きます。
1 つ目のウィンドウで、ファイルまたはフォルダの移動元のフォルダを選択します。別のウィンドウで、ファイルまたはフォルダの移動先のフォルダを選択します。
移動するファイルまたはフォルダを、別のウィンドウの新しい場所にドラッグします。
ファイルまたはフォルダを現在の場所より 1 レベル下のフォルダに移動する場合は、新しいウィンドウを開きません。代わりに、ファイルまたはフォルダをドラッグして、同じウィンドウ内の移動先フォルダにドラッグします。
ファイルまたはフォルダを切り取って、それを別の場所に貼り付けることができます。次の手順を実行します。
移動するファイルまたはフォルダを選択して、「編集」-> 「ファイルの切り取り」を選択します。
ファイルまたはフォルダの移動先のフォルダを開き、「編集」-> 「ファイルの貼り付け」を選択します。
以降の節では、ファイルまたはフォルダをコピーする方法について説明します。
ファイルまたはフォルダをコピーするには、次の手順を実行します。
ファイルマネージャウィンドウを開きます。「ファイル」-> 「新規ウィンドウ」を選択して、別のファイルマネージャウィンドウを開きます。
1 つ目のウィンドウで、ファイルまたはフォルダのコピー元のフォルダを選択します。別のウィンドウで、ファイルまたはフォルダのコピー先のフォルダを選択します。
ファイルまたはフォルダをグラブし、Ctrl キーを押したままにします。ファイルまたはフォルダを別のウィンドウの新しい場所にドラッグします。
ファイルまたはフォルダを現在の場所より 1 レベル下のフォルダにコピーする場合は、新しいウィンドウを開きません。代わりに、ファイルまたはフォルダをグラブし、Ctrl キーを押したままにします。ファイルまたはフォルダを同じウィンドウの別の場所にドラッグします。
ファイルまたはフォルダをコピーして、それを別の場所に貼り付けることができます。次の手順を実行します。
コピーするファイルまたはフォルダを選択して「編集」-> 「ファイルのコピー」を選択します。
ファイルまたはフォルダのコピー先のフォルダを開き、「編集」-> 「ファイルの貼り付け」を選択します。
ファイルまたはフォルダの複製を現在のフォルダに作成するには、次の手順を実行します。
表示区画で、複製するファイルまたはフォルダを選択します。
「編集」-> 「複製」を選択します。または、表示区画でファイルまたはフォルダを右クリックして、「複製」を選択します。
ファイルまたはフォルダの複製が現在のフォルダに表示されます。
フォルダを作成するには、次の手順を実行します。
新たにフォルダを作成するフォルダを選択します。
「ファイル」-> 「フォルダの作成」を選択します。または、表示区画の背景で右クリックして、「フォルダの作成」を選択します。
「未タイトル」のフォルダが表示区画に追加されます。フォルダの名前が選択されています。
フォルダの名前を入力して、Return キーを押します。
ファイルまたはフォルダの名前を変更するには、次の手順を実行します。
表示区画で、名前を変更するファイルまたはフォルダを選択します。
「編集」-> 「名前の変更」を選択します。または、表示区画でファイルまたはフォルダを右クリックして、「名前の変更」を選択します。
ファイルまたはフォルダの名前が選択されています。
ファイルまたはフォルダの新しい名前を入力して、Return キーを押します。
頻繁に作成するドキュメントからテンプレートを作成できる。たとえば、請求書を頻繁に作成する場合は、空の請求書ドキュメントを作成して invoice.doc として $HOME/Templates フォルダに保存できます。
テンプレートフォルダには、ファイルブラウザウィンドウからもアクセスできます。「移動」-> 「テンプレート」を選択します。
テンプレート名が「ドキュメントの作成」メニューのサブメニュー項目として表示されます。
テンプレートフォルダにはサブフォルダを作成することもできます。サブフォルダはメニューのサブメニューとして表示されます。
テンプレートを共有することもできます。テンプレートフォルダから共有テンプレートを含むフォルダへのシンボリックリンクを作成します。
ドキュメントのテンプレートがある場合は、インストールされているテンプレートの 1 つを使用してドキュメントを作成できます。
ドキュメントを作成するには、次の手順を実行します。
新たにドキュメントを作成するフォルダを選択します。
「ファイル」-> 「ドキュメントの作成」を選択します。または、表示区画の背景で右クリックして、「ドキュメントの作成」を選択します。
使用可能なテンプレート名が、「ドキュメントの作成」メニューのサブメニュー項目として表示されます。
作成するドキュメントのテンプレート名をダブルクリックします。
ドキュメントの名前を変更して、適切なフォルダに保存します。
ファイルまたはフォルダをごみ箱に移動するには、次の手順を実行します。
表示区画で、ごみ箱に移動するファイルまたはフォルダを選択します。
「編集」-> 「ごみ箱へ移動」を選択します。または、表示区画でファイルまたはフォルダを右クリックして、「ごみ箱へ移動」を選択します。
あるいは、表示区画からデスクトップの背景上のごみ箱オブジェクトにファイルまたはフォルダをドラッグすることもできます。
ファイルまたはフォルダをリムーバルメディアからごみ箱に移動すると、そのファイルまたはフォルダはリムーバブルメディアの ごみ箱 に保存されます。リムーバブルメディアからファイルまたはフォルダを完全に削除するには、ごみ箱 を空にします。
ファイルまたはフォルダを削除する場合、そのファイルまたはフォルダはごみ箱に移動されず、ただちにファイルシステムから削除されます。「削除」メニュー項目は、Nautilus
「ファイルマネージャの設定」ダイアログで「ごみ箱を経由しない削除コマンドを含める」オプションを選択した場合にのみ利用可能です。
ファイルまたはフォルダを削除するには、次の手順を実行します。
表示区画で、削除するファイルまたはフォルダを選択します。
「編集」-> 「削除」を選択します。または、表示区画でファイルまたはフォルダを右クリックして、「削除」を選択します。
シンボリックリンクとは、別のファイルまたはフォルダを指す特殊な種類のファイルですシンボリックリンクに対してアクションを実行すると、そのアクションはシンボリックリンクが指すファイルまたはフォルダで実行されます。ただし、シンボリックリンクを削除した場合、リンクファイルが削除されるだけで、そのリンクが指すファイルは削除されません。
ファイルまたはフォルダのシンボリックリンクを作成するには、リンクを作成するファイルまたはフォルダを選択します。「編集」-> 「リンクを作成」を選択します。ファイルまたはフォルダのリンクが、現在のフォルダに追加されます。
あるいは、リンクを作成する項目をグラブし、Ctrl + Shift キーを押したままにします。リンクを配置する場所に項目をドラッグします。
デフォルトでは、エンブレムがシンボリックリンクに追加されます。
シンボリックリンクのアクセス権は、シンボリックリンクが指すファイルやフォルダによって異なります。
ファイルやフォルダのプロパティを表示するには、次の手順を実行します。
プロパティを表示するファイルやフォルダを選択します。
「ファイル」-> 「プロパティ」を選択します。
「プロパティ」ダイアログで、ファイルやフォルダのプロパティを表示します。
「閉じる」をクリックして、「プロパティ」ダイアログを閉じます。
アクセス権は、ファイルやフォルダそれぞれに割り当てられる設定で、ユーザーがそのファイルやフォルダに対して持つアクセス権を決定します。以下の表に、ファイルやフォルダに設定できるアクセス権とその効果を示します。
アクセス権 |
ファイル |
フォルダ |
---|---|---|
読み取り |
ファイルを読み取る権限 |
フォルダの内容を一覧表示する権限 |
書き込み |
ファイルを変更する権限 |
フォルダ内でファイルを作成や削除する権限 |
実行 |
ファイルをプログラムとして実行する権限この権限は、ファイルがプログラムまたはスクリプトの場合のみに関係します。 |
ディレクトリ内のファイルにアクセスする権限 |
複数のタイプのユーザーにアクセス権を設定できます。以下の表には、アクセス権を設定できるユーザーのタイプが示されています。
ユーザーのカテゴリ |
説明 |
---|---|
所有者 |
ファイルやフォルダを作成したユーザー |
グループ |
所有者が属するグループ |
その他のユーザー |
所有者が属するグループ外のユーザー全員 |
ファイルやフォルダのアクセス権を変更するには、以下の手順を実行します。
アクセス権を変更するファイルまたはフォルダを選択します。
「ファイル」-> 「プロパティ」を選択します。
「アクセス権」タブをクリックします。「アクセス権」タブセクションのドロップダウンリストとチェックボックスで、ファイルまたはフォルダのアクセス権を変更します。次の表に、「アクセス権」タブセクションのダイアログ要素を示します。
要素 |
説明 |
---|---|
「ファイルの所有者」 |
ファイルやフォルダの所有者を変更するには、その所有者をドロップダウンリストから選択する |
「ファイルのグループ」 |
ファイルやフォルダが所属するグループを変更するには、そのグループをドロップダウンリストから選択する |
「所有者」 |
ファイルやフォルダの所有者に適用するアクセス権を選択する |
「グループ」 |
ファイルやフォルダの所有者が属するグループに適用するアクセス権を選択する |
「その他」 |
所有者が属するグループ外のユーザー全員に適用するアクセス権を選択する |
「テキスト表示」 |
「読み取り」、「書き込み」、「実行」オプションから選択したアクセス権をテキスト形式で表示する |
「番号表示」 |
「読み取り」、「書き込み」、「実行」オプションから選択したアクセス権をテキスト形式で表示する |
「最終変更日時」 |
ファイルまたはフォルダが最後に変更された日時を表示する |
「閉じる」をクリックして、「プロパティ」ダイアログを閉じます。
ファイルやフォルダへノートを追加できます。以下の方法で、ファイルやフォルダへノートを追加します。
「プロパティ」ダイアログから
サイド区画の「ノート」から
ファイルやフォルダにノートを追加するには、次の手順を実行します。
ノートを追加するファイルやフォルダを選択します。
「ファイル」-> 「プロパティ」を選択します。
プロパティダイアログの「ノート」 タブをクリックします。「ノート」タブセクションで、ノートを入力します。
「閉じる」をクリックして、「プロパティ」ダイアログを閉じます。ノートエンブレムがファイルやフォルダに追加されます。
ノートを削除するには、「ノート」タブセクションからノートテキストを削除します。
ファイルやフォルダにノートを追加するには、次の手順を実行します。
ノートを追加するファイルやフォルダを表示区画で開きます。
サイド区画の上部分にあるドロップダウンリストから「ノート」を選択します。サイド区画を表示するには、「表示」-> 「サイド区画」を選択する。
サイド区画にノートを入力します。ノートエンブレムが表示区画のファイルまたはフォルダに追加され、ノートアイコンがサイド区画に追加されます。このアイコンをクリックすると、ノートを表示できます。
ノートを削除するには、サイド区画の「ノート」からノートテキストを削除します。
以下の項目は、ごみ箱に移動できます。
ファイル
フォルダ
デスクトップの背景オブジェクト
ごみ箱内のファイルを元に戻したい場合は、ごみ箱の内容を表示して、ごみ箱からファイルを取り出すことができます。ごみ箱を空にすると、ごみ箱の内容は永久に失われます。
ごみ箱の内容は、次の方法で表示できます。
ファイルマネージャウィンドウから
「移動」-> 「ごみ箱」を選択します。ごみ箱の内容がウィンドウに表示されます。
デスクトップの背景から
デスクトップの背景のごみ箱オブジェクトをダブルクリックします。
ごみ箱の内容は、次の方法で空にできます。
ファイルマネージャウィンドウから
「ファイル」-> 「ごみ箱を空にする」を選択する
デスクトップの背景から
ごみ箱オブジェクトを右クリックして、「ごみ箱を空にする」を選択する