Sun Java System Web Server 7.0 パフォーマンスのチューニング、サイジング、およびスケーリング

Solaris ファイルシステムのチューニング

ここでは、ファイルシステムのチューニングのために行うことのできる変更について説明します。この節は次の問題に対応したトピックを含みます。

次のパラメータの説明を注意して読んでください。その説明が状況に一致している場合は、調整を行うことを検討します。

ファイルシステムのページイン率が高い

Solaris 8 または 9 でファイルシステムのページイン率が高い場合は、segmap_percent の値を増やすと効果が得られる可能性があります。このパラメータは、/etc/system ファイルに次の行を追加することによって設定されます。

set segmap_percent=25

segmap_percent は、カーネルがファイルシステムキャッシュ用のアドレス空間にマップするメモリーのパーセンテージを調整します。デフォルト値は 12 です。つまり、カーネルは、ファイルシステムキャッシュ用にメモリーの最大 12% をマップするための十分な空間を予約します。4G バイトの物理メモリーを備えた負荷の高いマシンでは、60 までの値でパフォーマンス向上が確認されています。25 程度から始めて、この値を試すようにしてください。大量の物理メモリーを備えたシステムでは、カーネルメモリーの要件を大幅に増加させる場合があるため、この値は少しずつ増やすようにしてください。

ファイルシステムの状態監視の削減

UNIX ファイルシステム (UFS) ボリュームには、各ファイルがアクセスされた時刻が保持されています。次の変更を行なっても、ファイルを変更したときのアクセス更新時刻は無効にならず、ファイルにアクセスしたときのアクセス更新時刻だけが無効になることに注意してください。使用する環境でファイルのアクセス更新時刻が重要でない場合は、/etc/vfstab 内のデータボリュームのマウントポイントに noatime パラメータを追加することによって無効にすることもできます。次に例を示します。

/dev/dsk/c0t5d0s6 /dev/rdsk/c0t5d0s6 /data0 ufs 1 yes noatime

ビジー状態のディスクまたはボリュームのサービス時間が長い

Web Server の応答性は、ディスクサブシステムのパフォーマンスに大きく依存します。ディスクのビジー状態と、入出力要求が完了する速度を監視するには、iostat ユーティリティーを使用します (それぞれ、%b および svc_t 列)。ビジー状態が約 30% 未満のディスクではサービス時間は重要でありませんが、それよりビジー状態の高いディスクではサービス時間が約 20 ミリ秒を超えないようにするべきです。ビジー状態のディスクのサービス時間が長い場合は、ディスクのパフォーマンス向上が Web Server のパフォーマンス向上に大きく役立つ可能性があります。

最初の手順は、負荷を均衡させることです。一部のディスクがビジー状態にある一方で、ほかのディスクの負荷が軽い場合は、ビジー状態のディスクの一部のファイルをアイドル状態のディスクに移動します。不均衡がある場合は、通常、それを修正するほうが過負荷のディスクをチューニングしようとするよりはるかにメリットがあります。