Sun Java System Web Server 7.0 パフォーマンスのチューニング、サイジング、およびスケーリング

パフォーマンスベンチマークのための UltraSPARC® T1 ベースシステムのチューニング

チューニング可能なパラメータとその他のパラメータの組み合わせを使用して、パフォーマンスベンチマークのためにシステムをチューニングします。これらの値は、希望する結果を達成するためにシステムをチューニングする場合の例を示しています。

オペレーティングシステムと TCP 設定のチューニング

次の表は、UtraSPARC T1 ベースシステム (64 ビットシステム) 上のパフォーマンスとスケーラビリティーのベンチマークに使用される、Solaris 10 用のオペレーティングシステムチューニングを示しています。

表 4–2 パフォーマンスベンチマークのための 64 ビットシステムのチューニング

パラメータ 

スコープ 

デフォルト値 

チューニング値 

コメント 

rlim_fd_max

/etc/system

65536 

260000 

オープンファイル記述子の制限を処理します。関連付けられたソケット、ファイル、パイプ (存在する場合) などで予測される負荷を考慮するべきです。 

hires_tick

/etc/system

 

 

sq_max_size

/etc/system

ストリームドライバのキューサイズを制御します。0 に設定すると無限大になるため、バッファー領域の不足によってパフォーマンスが影響されることはありません。クライアントにも設定します。sq_max_size を 0 に設定すると、ネットワークトラフィック負荷の高い本稼動システムにとって最適ではない可能性があることに注意してください。

ip:ip_squeue_bind

   

 

ip:ip_squeue_fanout

   

 

ipge:ipge_taskq_disable

/etc/system

 

 

ipge:ipge_tx_ring_size

/etc/system

 

2048 

 

ipge:ipge_srv_fifo_depth

/etc/system

 

2048 

 

ipge:ipge_bcopy_thresh

/etc/system

 

384 

 

ipge:ipge_dvma_thresh

/etc/system

 

384 

 

ipge:ipge_tx_syncq

/etc/system

 

 

tcp_conn_req_max_q

ndd /dev/tcp

128 

3000 

 

tcp_conn_req_max_q0

ndd /dev/tcp

1024 

3000 

 

tcp_max_buf

ndd /dev/tcp

 

4194304 

 

tcp_cwnd_max

ndd/dev/tcp

 

2097152 

 

tcp_xmit_hiwat

ndd /dev/tcp

8129 

400000 

送信バッファーを増やすため。 

tcp_recv_hiwat

ndd /dev/tcp

8129 

400000 

受信バッファーを増やすため。 

IPGE ドライバのバージョンは 1.25.25 にしてください。

ディスク構成

HTTP アクセスがログに記録されている場合は、ディスクに関する次のガイドラインに従ってください。

ネットワーク構成

複数のネットワークインタフェースカードが使用されている場合は、ネットワーク割り込みがすべて同じコアに行かないようにする必要があります。割り込みを無効にするには、次のスクリプトを実行します。


allpsr=`/usr/sbin/psrinfo | grep -v off-line | awk '{ print $1 }'`
   set $allpsr
   numpsr=$#
   while [ $numpsr -gt 0 ];
   do
       shift
       numpsr=`expr $numpsr - 1`
       tmp=1
       while [ $tmp -ne 4 ];
       do
           /usr/sbin/psradm -i $1
           shift
           numpsr=`expr $numpsr - 1`
           tmp=`expr $tmp + 1`
       done
   done

すべてのネットワークインタフェースを 1 つのグループに配置します。次に例を示します。


$ifconfig ipge0 group webserver
$ifconfig ipge1 group webserver

Web Server の起動オプション

場合によっては、大きいページサイズの使用によってパフォーマンスが向上することがあります。32 ビットの Web Server を 4M バイトページで起動するには、次のコマンドを入力します。

LD_PRELOAD_32=/usr/lib/mpss.so.1 ; export LD_PRELOAD_32; export MPSSHEAP=4M; ./bin/startserv; unset LD_PRELOAD_32; unset MPSSHEAP

64 ビットサーバーの場合は、次のコマンドを入力します。

LD_PRELOAD_64=/usr/lib/64/mpss.so.1; export LD_PRELOAD_64; export MPSSHEAP=4M; ./bin/startserv; unset LD_PRELOAD_64; unset MPSSHEAP