チューニング可能なパラメータとその他のパラメータの組み合わせを使用して、パフォーマンスベンチマークのためにシステムをチューニングします。これらの値は、希望する結果を達成するためにシステムをチューニングする場合の例を示しています。
次の表は、UtraSPARC T1 ベースシステム (64 ビットシステム) 上のパフォーマンスとスケーラビリティーのベンチマークに使用される、Solaris 10 用のオペレーティングシステムチューニングを示しています。
表 4–2 パフォーマンスベンチマークのための 64 ビットシステムのチューニング
パラメータ |
スコープ |
デフォルト値 |
チューニング値 |
コメント |
---|---|---|---|---|
/etc/system |
65536 |
260000 |
オープンファイル記述子の制限を処理します。関連付けられたソケット、ファイル、パイプ (存在する場合) などで予測される負荷を考慮するべきです。 |
|
/etc/system |
1 | |||
/etc/system |
2 |
0 |
ストリームドライバのキューサイズを制御します。0 に設定すると無限大になるため、バッファー領域の不足によってパフォーマンスが影響されることはありません。クライアントにも設定します。sq_max_size を 0 に設定すると、ネットワークトラフィック負荷の高い本稼動システムにとって最適ではない可能性があることに注意してください。 |
|
0 | ||||
1 | ||||
/etc/system |
0 | |||
/etc/system |
2048 | |||
/etc/system |
2048 | |||
/etc/system |
384 | |||
ipge:ipge_dvma_thresh |
/etc/system |
384 | ||
/etc/system |
1 | |||
ndd /dev/tcp |
128 |
3000 | ||
ndd /dev/tcp |
1024 |
3000 | ||
ndd /dev/tcp |
4194304 | |||
ndd/dev/tcp |
2097152 | |||
ndd /dev/tcp |
8129 |
400000 |
送信バッファーを増やすため。 |
|
ndd /dev/tcp |
8129 |
400000 |
受信バッファーを増やすため。 |
IPGE ドライバのバージョンは 1.25.25 にしてください。
HTTP アクセスがログに記録されている場合は、ディスクに関する次のガイドラインに従ってください。
アクセスログをより高速なディスクまたは接続されたストレージに書き込みます。
複数のインスタンスを実行している場合は、インスタンスごとのログをできるだけ別々のディスクに移動します。
ディスクの読み取り/書き込みキャッシュを有効にします。ディスクの書き込みキャッシュを有効にすると、そのディスクに障害が発生した場合、一部の書き込みが失われる可能性があることに注意してください。
次のオプションを使用してディスクをマウントすることを検討します。これにより、ディスクパフォーマンスが向上する可能性があります。nologging、directio、noatime。
複数のネットワークインタフェースカードが使用されている場合は、ネットワーク割り込みがすべて同じコアに行かないようにする必要があります。割り込みを無効にするには、次のスクリプトを実行します。
allpsr=`/usr/sbin/psrinfo | grep -v off-line | awk '{ print $1 }'` set $allpsr numpsr=$# while [ $numpsr -gt 0 ]; do shift numpsr=`expr $numpsr - 1` tmp=1 while [ $tmp -ne 4 ]; do /usr/sbin/psradm -i $1 shift numpsr=`expr $numpsr - 1` tmp=`expr $tmp + 1` done done |
すべてのネットワークインタフェースを 1 つのグループに配置します。次に例を示します。
$ifconfig ipge0 group webserver $ifconfig ipge1 group webserver |
場合によっては、大きいページサイズの使用によってパフォーマンスが向上することがあります。32 ビットの Web Server を 4M バイトページで起動するには、次のコマンドを入力します。
LD_PRELOAD_32=/usr/lib/mpss.so.1 ; export LD_PRELOAD_32; export MPSSHEAP=4M; ./bin/startserv; unset LD_PRELOAD_32; unset MPSSHEAP
64 ビットサーバーの場合は、次のコマンドを入力します。
LD_PRELOAD_64=/usr/lib/64/mpss.so.1; export LD_PRELOAD_64; export MPSSHEAP=4M; ./bin/startserv; unset LD_PRELOAD_64; unset MPSSHEAP