Sun Java System Web Server 7.0 Update 5 リリースノート

Update 2 リリースの諸機能および拡張機能

Web Server Update 2 は、Web Server 7.0 のアップデートリリースです。Web Server 7.0、Web Server 7.0 Update 1 リリースの諸機能および拡張機能に加えて、Web Server 7.0 Update 2 リリースでは、次のような付加価値のある諸機能および拡張機能が製品に導入されています。

新機能および拡張機能については、次の節で説明します。

「PKCS11 バイパスのサポート」

「サービス管理機能 (SMF) のサポート」

「非同期アクセラレータキャッシュのサポート」

「拡張された Web コンテナ」

「改善された管理エクスペリエンス」

「Red Hat 4.0 64 ビットのサポート」

「NetBeans 6.5 IDE のサポート」

PKCS11 バイパスのサポート

この Web Server アップデートリリースには、SSL/TLS 処理の一部で PKCS#11 層をバイパスするよう NSS に指示するオプションが導入されています。PKCS#11 層をバイパスすると、パフォーマンスが向上します。デフォルトでは、PKCS#11 層はバイパスされます。サーバーの起動時に、サーバーはサーバーキーを格納している各トークンに問い合わせて、各トークンが PKCS#11 のバイパスをサポートできることを確認します。いずれのトークンもバイパスをサポートできない場合は、バイパスは無効になります。したがって、PKCS#11 のバイパスによるパフォーマンス向上の利点を最大限に活用するために、ユーザーによる操作は必要ありません。サーバーではバイパスが自動的に活用され、トークンが現在の構成で使用できない場合は自動的にバイパスが無効になります。詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 Update 5 Administrator’s Configuration File Reference 』を参照してください。

Web Server では、バイパスを有効または無効にするためのコマンド行インタフェース (CLI) および 管理コンソールのサポートが提供されています。 管理コンソールまたは CLI を使用して、PKCS11 のバイパスを有効または無効にする方法の詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 Update 5 Administrator’s Guide』「To Enable and Bypass PKCS#11 Tokens」を参照してください。

サービス管理機能 (SMF) のサポート

この Web Server アップデートリリースは、Java プラットフォーム向けの Solaris 10 サービス管理機能 (SMF) と統合されています。SMF は、Solaris Operating System の新機能で、各 Solaris システムのサービスおよびサービス管理のための基盤となる、統一されたモデルを作成します。また、Solaris 用に長時間動作するアプリケーションサービスを定義、配信、および管理するメカニズムです。サービスはサービスマニフェスト (サービスおよびそのサービスに関連付けられたインスタンスを記述する XML ファイル) で定義されます。

Web Server における SMF のサポートの詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 Update 5 Administrator’s Guide』「Integrating Service Management Facility for the Java Platform with Web Server」を参照してください。

非同期アクセラレータキャッシュのサポート

この Web Server のリリースでは、アクセラレータキャッシュから非同期に処理できる要求の処理がサポートされています。その結果、サーバーのパフォーマンスが向上します。付加価値のある機能は、次のとおりです。

拡張された Web コンテナ

この Web Server アップデートリリースでは、例外スタックトレースまたは JSP コンパイラエラーをブラウザに表示する機能が導入されています。以前の Web Server のリリースでは、要求時にサーブレットコンテナで例外が発生すると、内部アプリケーションの詳細は表示せずにクライアントで「サーバーエラー」が表示されます。この機能が有効と無効のいずれの場合でも、常に例外がエラーログに記録されます。


注 –

デフォルトでは、例外スタックトレースまたは JSP コンパイラエラーをブラウザに表示する機能は無効になっています。set-servlet-container-prop コマンドを使用するか、または管理コンソールの「サーブレットコンテナ」タブにある「表示例外」チェックボックスを使用すると、この機能を有効化できます。この機能は、開発の目的で役立ちます。本番稼動システムでは、この機能を無効にすることをお勧めします。


改善された管理エクスペリエンス

この Web Server のリリースでは、次の主要な機能が導入されたことにより管理エクスペリエンスが改善されました。

配備済み構成のロールバックのサポート

Web Server では、配備済みの構成のロールバックがサポートされています。現在、Web Server 管理では、管理者はすべての配備済み構成で自動的にバックアップを取得できます。管理 CLI を使用すると、バックアップの一覧表示および指定したバックアップの復元が可能です。

管理サーバーパスワードの設定のサポート

この Web Server のリリースでは、管理サーバーのユーザーパスワードをリセットできます。ただし、この機能は管理サーバーのノードにおいてローカルでのみ動作します。

CA 証明書の管理のサポート

管理コンソールを使用すると、CA 証明書、証明書チェーン、および CRL のインストール、削除、フィルタが可能です。さらに、サーバーは間もなく期限切れになる証明書についてユーザーに警告します。

Sun Connection への登録

管理コンソールまたは Update Center を使用すると、Web Server を Sun Connection に登録できます。Web Server を Sun Connection に登録することには、次のような利点があります。

  • パッチ情報およびバグのアップデート

  • ニュースおよびイベント

  • サポートおよびトレーニングの提供

管理機能の詳細については、『Sun Java System Web Server 7.0 Update 5 Administrator’s Guide 』を参照してください。

Red Hat 4.0 64 ビットのサポート

このリリースでは、Web Server の 64 ビットスタンドアロンバージョンがサポートされています。Web Server 7.0 64 ビット Linux は、別々のスタンドアロンのみのディストリビューションであり、Web Server 7.0 32 ビット Linux とは共存できません。Web Server 7.0 64 ビット Linux では、64 ビット Java 開発キット 5.0 アップデート 12 以上が必要です。管理サーバーとサーバーインスタンスのどちらも、64 ビットサーバーのみがサポートされています。Linux 用の Web Server 7.0 64 ビットでは、以前のリリースからの移行はサポートされていません。

NetBeans 6.5 IDE のサポート

この Web Server のアップデートリリースでは、NetBeans 6.5 IDE への接続がサポートされているため、ユーザーはアプリケーションの開発、デバッグ、および Web サーバーへの配備を行うことができます。NetBeans 6.5 IDE を使用すると、アップデートセンターから NetBeans のプラグインをダウンロードできます。


注 –

Web Server では、NetBeans 6.5 IDE のサポートに加えて、IDE の NetBeans 6.1、6.0、および 5.5.1 バージョンがサポートされています。