Solaris、SPARC、および AMD64 プラットフォーム上で、Web Server を 64 ビットアプリケーションとして実行するように設定できます。
Web Server は、包括的なコマンド行インタフェースのサポート、統合された構成、ECC (Elliptic Curve Cryptography) のサポートによって強化されたセキュリティー、およびクラスタリングのサポートを提供します。また、これには堅牢な組み込み移行ツールも付属していて、Web Server 6.0 や Web Server 6.1 から Web Server 7.0 にアプリケーションと構成を移行する際に役立ちます。
Oracle iPlanet Web Server には次の新機能が含まれています。
Web Server の管理インフラストラクチャーは、最新の分散 JMX ( Java Management Extensions) テクノロジーに基づいています。JMX テクノロジは、デバイス、アプリケーション、およびサービス駆動型ネットワークの管理と監視のための分散ソリューション、Web ベースソリューション、モジュール化ソリューション、および動的ソリューションを構築するツールを提供します。JMX は、クラスタ化された複数の Web Server 配備をまたがってインスタンス、設定、および Web アプリケーションを管理および監視する際に役立ちます。
管理サーバーとは、管理アプリケーションの配備先となる、特別に設定された Web Server インスタンスのことです。サーバーファームの各ノード上では、管理インスタンスが 1 つずつ実行されます。これらのノードのうち、1 つのノードが管理サーバーとして設定され、残りは管理ノードとして設定されます。
Web ベースの管理サーバーは、共通のタスクによりアクセスしやすいように、かつ複雑なタスクをより実行しやすいように再設計されています。
管理サーバーには次の新機能が含まれています。
もっとも一般的なタスクを実行するための、Web ベースのウィザード
サーバー設定タスクやサーバー管理タスク向けの包括的なコマンド行インタフェース (CLI) のサポート
集約された設定ストア
Web Server の設定情報を複数のマシン上に配備する機能のサポート。この機能は、サーバーファームやサーバークラスタ内の Web Server をサポートするように拡張されています。
組み込み型のサーバークラスタ管理/監視機能
管理インタフェースを使って管理タスクを実行する方法の詳細にてついては、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Guide』を参照してください。
コマンド行インタフェースを使えば、サーバーを容易に設定および管理できます。
管理 CLI の主要機能は次のとおりです。
スクリプティング用の組み込み Java コマンド言語 (jacl) シェル
拡張可能な CLI。これにより、他社製のプラグインを使ってほかのコマンドを追加できるようになります
ローカルおよびリモートでの管理、設定、および 1 つ以上のサーバーインスタンスの管理に対するサポート
1 つ以上の文字を入力してから Tab キーを押すと、コマンドが自動的に補完されます
シングルモード、シェルモード、およびファイルモードを含む、使いやすい CLI ベースの操作モード
コマンドの詳細については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 CLI Reference Manual』を参照してください。
Web Server は Sun N1 Service Provisioning Server 5.2 と統合されています。Sun N1 Service Provisioning System はアプリケーションプロビジョニングツールであり、これを使えばカスタムスクリプトを使う必要がなくなります。Web Server は Sun N1 Service Provisioning System と統合されているため、管理者は、データセンター環境やサーバーファームで複数の Web Server をインストールするためのカスタムスクリプトを記述する必要がありません。
Web Server の設定ファイルは、管理を単純化するために再配置および統合化されています。
以前のバージョンの Web Server では、userdb 内の設定ファイルがすべてのインスタンスによって共有されていましたが、それらのファイル内に格納された情報がインスタンス固有のものであることがしばしばでした。Web Server 7.0 では、userdb ディレクトリの設定ファイルが削除されています。それらの機能は、config ディレクトリの server.xml ファイル内に組み込まれています。alias および httpacl ディレクトリの構成ファイルは、config ディレクトリに移動されています。これらの変更により、インスタンス固有の config ディレクトリ内のインスタンス固有の構成情報は強化されています。
構成ファイルについては、 『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Configuration File Reference』を参照してください。
Java Naming and Directory Interface (J.N.D.I.) API は、さまざまな企業のネーミング/ディレクトリサービスへのシームレスな接続を提供します。
Web Server は、すぐに使えてシームレスな JDBC (Java DataBase Connectivity)、テクノロジを提供し 、業界標準の JDBC ドライバからカスタマイズされた JDBC ドライバまでを幅広くサポートしています。
Web Server は、JDBC 接続プール、つまり特定のデータベースに対する再利用可能な一連の接続をサポートします。新しい接続をそれぞれ作成するには時間がかかるので、パフォーマンス向上のために、サーバーは利用可能な接続のプールを保持しています。アプリケーションが接続を要求すると、プールから 1 つの接続が取得されます。アプリケーションが接続を閉じると、接続はプールに返されます。
JDBC 接続プールの作成方法については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Guide』を参照してください。
Sun Java System Web Server 7.0 は、Web サーバーでの SSL のパフォーマンスを向上させる Sun Crypto Accelerator 4000、6000 のハードウェアアクセラレータボードをサポートしています。
Web サーバーの使用時に Sun Crypto Accelerator カードを初期化します。Sun Crypto Accelerator の詳細については、http://docs.sun.com/source/820-4144-11/ の「Sun Crypto Accelerator 6000 Board Version 1.1 User's Guide」を参照してください。
Web Server には、Java Web Services Developer Pack (Java WSDP) 2.0 テクノロジーと XML テクノロジーが含まれています。Java WSDP を使って開発された Web サービスは、wadm コマンドを使用することで Web アプリケーションとして Web Server 上に配備できます。
Web Server 7.0 は、XML 暗号、XML デジタル署名などのセキュリティー機能をサポートするほか、メッセージセキュリティープロバイダもサポートします。
Java WSDP 2.0 の詳細については、次のリソースを参照してください。
http://java.sun.com/webservices/jwsdp/index.jsp
Java WSDP 2.0 のサンプルは次の場所にあります。これらのサンプルは Web Server 7.0 に配備可能です。
http://java.sun.com/webservices/downloads/2.0_preview_webservicespack.html
Web Server は、クラスタベースのセッションレプリケーションおよびフェイルオーバーをサポートします。セッションレプリケーションとフェイルオーバーを使えば、あるサーバーインスタンスから同じサーバークラスタ内の別のインスタンスへ HTTP セッションをレプリケートすることで、Web アプリケーションの可用性を高めることができます。HTTP セッションはそれぞれリモートインスタンス上にバックアップコピーが作成されるため、クラスタ内のあるインスタンスが利用不可能になるようなサーバー障害が発生しても、セッションを問題なく継続できます。
軽量セッションレプリケーションサポートの詳細については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Guide』を参照してください。
Web Server 7.0 では、obj.conf 設定ファイルにおける正規表現と条件処理のサポートが強化されました。
主な拡張内容は次のとおりです。
正規表現のサポート
新しい URI で要求を再開するための restart SAF (Server Application Function)
式、変数、正規表現後方参照など、動的 SAF パラメータのサポート
条件処理用の <If>、<ElseIf>、および <Else> タグ
and、or、および not 演算子を使用した複合条件のサポート
要求および応答の本体をリライトするための、sed-request および sed-response フィルタ
これらの新機能を使えば、Apache HTTP サーバーからの mod_rewrite を使って定義できる規則と同様に、柔軟な URL リライティングとリダイレクションの規則を定義できます。mod_rewrite の場合とは異なり、Web Server 7.0 の正規表現と条件処理は要求処理の任意の段階で使用でき、他社製プラグインと合わせて使用することもできます。
正規表現や URL リライト機能の詳細については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Configuration File Reference』を参照してください。
以前のバージョンの Web Server の監視機能に加え、Web Server には次の拡張機能が追加されています。
サーブレット、JSP、および JSP 標準タグライブラリのコンテナ特性を監視する
管理サーバー内からプロセスおよび仮想サーバーの統計情報を監視する
Solaris 10 プラットフォームのシステム管理エージェントと統合する。Java Enterprise System Monitoring Framework (Java ES Monitoring Framework) と統合されています。このため、Web Server の監視情報が Java ES Monitoring Framework 内で利用可能になります。
Java Monitoring and Management Console (jconsole) スクリプト、Java ES Monitoring Framework、または JMX (Java Management Extensions) に準拠した任意のクライアントアプリケーションを使用して、監視データに管理 Beans (MBeans) としてアクセスする。
Web Server の監視機能の詳細については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Guide』を参照してください。
Sun Java System Web Server 7.0 は、コアサーバー内に逆プロキシ機能を統合します。
Web サーバーが逆プロキシ機能付きで構成されている場合、これは 1 つ以上のバックエンドサーバーのプロキシとして動作し、サーバーファーム内の単一のアクセスポイントまたはゲートウェイになります。逆プロキシの設定では、Web サーバーはブラウザクライアントから受信した HTTP 要求を適切なバックエンドサーバーに転送します。 バックエンドサーバーからの HTML 応答は、Web サーバーを介してブラウザに返されます。 このため、逆プロキシ機能を備えた Web サーバーは、ブラウザに対してバックエンドサーバーの存在を隠します。
Web Server は、逆プロキシを設定するための GUI および CLI サポートを提供します。
逆プロキシの構成の詳細については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Guide』の「Configuring Reverse Proxy in Web Server」を参照してください。
Web Server は、データの暗号化と検証、要求の認証、およびサーバープロセスの保護を可能にするさまざまなテクノロジーをサポートしています。セキュリティー機能の主な強化点は、次のとおりです。
Solaris 10 プラットフォームの暗号化フレームワークのサポート。たとえば、libpkcs11.so には、UltraSPARC T1 プロセッサハードウェアアクセラレーションのサポートが含まれています。
DoS (Denial of Service) 攻撃に対する保護の強化
ネイティブ sed(1) ベースの入力フィルタリングを使った、クロスサイトスクリプト保護 クロスサイトスクリプトの詳細については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Guide』の「Preventing Cross Site Scripting Attacks」を参照してください。
Web サービスのセキュリティー:
IETF XML デジタル署名
W3C XML 暗号
統合された P3P (Platform for Privacy Preferences) サポート
Web ベースの分散オーサリングおよびバージョン管理 (Web-based Distributed Authoring and Versioning、WebDAV) アクセス制御のサポート
LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) auth-db が拡張され、検索式とマッチング属性が設定可能になりました。
LDAP auth-db は Microsoft Active Directory との相互運用性をサポートします。
Tomcat またはその他の Java キーストアファイルベースリポジトリからの証明書の移行のサポート
動的に適用された証明書失効リスト (CRL) のサポート
統合された IPv6 のサポート
Sun Java System Web Server は常に、RSA キーをサポートしてきました。Web Server 7.0 では、RSA キーを引き続きサポートすることに加え、楕円曲線暗号方式 (ECC) を新たにサポートします。
ECC は、モバイルまたはワイヤレス環境向けの次世代の公開鍵暗号方式です。ECC は、非対称暗号を実行するために、一連のキーの生成、暗号化、および復号化のアルゴリズムに基づいています。
Web Server での ECC の使用方法の詳細については、『Oracle iPlanet Web Server 7.0.9 Administrator’s Guide』を参照してください。
Web Server 7.0 は Oracle Java Studio Enterprise 8.1 をサポートします。Oracle Java Studio ソフトウェアは、Java テクノロジーの開発者にとって強力で拡張可能な IDE であり、NetBeans ソフトウェアに基づき、Java プラットフォームに統合されています。
Web Server 用のプラグインは、次の方法で取得できます。
Sun Java System Web Server メディアキットの付属 CD から
Oracle Java Studio の付属 AutoUpdate 機能の使用
Sun Java System Web Server のダウンロードセンターから
Web Server 用の Oracle Java Studio 8.1 プラグインは、ローカル Web サーバーでのみ機能します。つまり、IDE と Web サーバーは、同一マシン上にインストールする必要があります。
Oracle Java Studio 8.1 の Web アプリケーション機能の使用については、次のチュートリアルを参照してください。
http://developers.sun.com/prodtech/javatools/jsenterprise/learning/tutorials/index.jsp
Oracle Java Studio 8 の詳細については、次のアドレスにアクセスしてください。
http://www.sun.com/software/sundev/jde/
Web Server は次の言語で使用できます。
フランス語
ドイツ語
スペイン語
日本語
簡体字中国語
繁体字中国語
韓国語