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Sun Java™ System Identity Manager 7.1 管理ガイド 

第 12 章
監査ログ

この章では、Sun JavaTM System Identity Manager 監査システムでのイベントの記録方法について説明します。説明する内容は次のとおりです。


概要

Identity Manager 監査の目的は、誰が何をいつどの Identity Manager オブジェクトに対して行なったかを記録することです。

監査イベントは、1 つ以上のパブリッシャーによって処理されます。デフォルトでは、Identity Manager はリポジトリパブリッシャーを使用してリポジトリに監査イベントを記録します。管理者は、監査グループを使用してフィルタすることにより、記録する監査イベントのサブセットを選択できます。各パブリッシャーには、最初に有効にされた 1 つ以上の監査グループを割り当てることができます。


ユーザーの違反の監視および管理の詳細については、第 11 章「アイデンティティー監査」を参照してください。



Identity Manager 監査の機能

ほとんどのデフォルトの監査は、内部 Identity Manager コンポーネントにより実行されます。ただし、ワークフローまたは Java コードからイベントを生成できるようにしているインタフェースもあります。

デフォルトの Identity Manager 監査インストゥルメンテーションでは、次の 4 つの主要領域に焦点が当てられます。


イベントの作成

Identity Manager は内部監査を扱いますが、場合によっては、カスタムワークフローから監査イベントをログする必要があります。

ワークフローからの監査

com.waveset.session.WorkflowServices アプリケーションを使用して、ワークフロープロセスから監査イベントを生成します。表 12-1 では、このアプリケーションで利用できる引数について説明しています。

表 12-1 com.waveset.session.WorkflowServices の引数 

引数

種類

説明

op

String

WorkflowServices の操作。audit に設定する必要があります。

type

String

監査対象のオブジェクトタイプの名前。

action

String

実行されたアクションの名前。

status

String

指定されたアクションのステータスの名前。

name

String

指定されたアクションの影響を受けるオブジェクトの名前。

resource

String

(オプション) 変更されるオブジェクトが置かれているリソースの名前。

accountId

String

(オプション) 変更されるアカウント ID。
これはネイティブなリソースアカウント名にします。

error

String

(オプション) 障害の発生時に付けられるローカライズされたエラー文字列。

reason

String

(オプション) ReasonDenied オブジェクトの名前。これは一般的な障害の原因を説明する、国際化されたメッセージにマップされています。

attributes

Map

(オプション) 追加または変更された属性の名前および値のマップ。

parameters

Map

(オプション) イベントに関連する追加の名前または値を最高 5 つまでマップします。

organizations

List

このイベントが配置される組織の名前または ID のリスト。これは、組織での監査ログの範囲設定に使用されます。このリストが存在しない場合、ハンドラは、種類と名前に基づいて組織を解決しようと試みます。組織を解決できない場合、イベントは最上位 (組織階層の最高レベル) に置かれます。

originalAttributes

Map

(オプション) 古い属性値のマップ。この名前は、attributes 引数でリストされた名前に一致している必要があります。値は、監査ログに保存したいと考える任意の以前の値になります。

デフォルトのオブジェクト、アクション、ステータスの名前のリストについては、表 12-18 を参照してください。

コード例 12-1 は単純なワークフローアクティビティーを示します。ここでは、ResourceAdministrator が実行した ADSIResource1 という名前のリソース削除アクティビティーのログを記録するイベントが生成されます。

コード例 12-1 単純なワークフローアクティビティー

<Activity name='createEvent'>

   <Action class='com.waveset.session.WorkflowServices'>

   <Argument name='op' value='audit'/>

   <Argument name='type' value='Resource'/>

   <Argument name='action' value='Delete'/>

   <Argument name='status' value='Success'/>

   <Argument name='subject' value='ResourceAdministrator'/>

   <Argument name='name' value='ADSIResource1'/>

   </Action>

   <Transition to='end'/>

</Activity>

コード例 12-2 では、承認プロセスで各ユーザーが適用した変更を詳細なレベルまで追跡するワークフローに、特定の属性を追加する方法を示しています。この追加は通常、ユーザーからの入力をリクエストする ManualAction のあとに行われます。

ACTUAL_APPROVER は、実際に承認を実行した人物に基づいて、フォームおよびワークフロー (承認テーブルから承認する場合) で設定されます。APPROVER は、それが割り当てられた人物を識別します。

コード例 12-2 承認プロセスでの変更追跡への属性の追加 

<Action name='Audit the Approval'    application='com.waveset.session.WorkflowServices'>

     <Argument name='op' value='audit'/>

     <Argument name='type' value='User'/>

     <Argument name='name' value='$(CUSTOM_DESCRIPTION)'/>

     <Argument name='action' value='approve'/>

     <Argument name='accountId' value='$(accountId)'/>

     <Argument name='status' value='success'/>

     <Argument name='resource' value='$(RESOURCE_IF_APPLICABLE)'/>

     <Argument name='loginApplication' value='$(loginApplication)'/>

     <Argument name='attributes'>

       <map>

          <s>fullname</s><ref>user.accounts[Lighthouse].fullname</ref>

          <s>jobTitle</s><ref>user.accounts[Lighthouse].jobTitle</ref>

          <s>location</s><ref>user.accounts[Lighthouse].location</ref>

          <s>team</s><ref>user.waveset.organization</ref>

          <s>agency</s><ref>user.accounts[Lighthouse].agency</ref>

      </map>

    </Argument>

    <Argument name='originalAttributes'>

      <map>

<s>fullname</s>

        <s>User's previous fullname</s>

        <s>jobTitle</s>

        <s>User's previous job title</s>

        <s>location</s>

        <s>User's previous location</s>

        <s>team</s>

        <s>User's previous team</s>

        <s>agency</s>

        <s>User's previous agency</s>      </map>

    </Argument>

    <Argument name='attributes'>

      <map>

         <s>firstname</s>

         <s>Joe</s>

         <s>lastname</s>

         <s>New</s>

      </map>

    </Argument>

    <Argument name='subject'>

       <or>

          <ref>ACTUAL_APPROVER</ref>

          <ref>APPROVER</ref>

      </or>

    </Argument>

    <Argument name='approver' value='$(APPROVER)'/>

</Action>


監査設定

監査設定は、1 つ以上のパブリッシャーと定義済みの複数のグループから構成されます。

監査グループは、オブジェクトタイプ、アクション、アクションの結果に基づいて、すべての監査イベントのサブセットを定義します。各パブリッシャーには 1 つ以上の監査グループが割り当てられます。デフォルトで、すべての監査グループにリポジトリパブリッシャーが割り当てられます。

監査パブリッシャーは、特定の監査出力先に監査イベントを配信します。デフォルトのリポジトリパブリッシャーは、監査レコードをリポジトリに書き込みます。それぞれの監査パブリッシャーには、実装専用のオプションを指定できます。監査パブリッシャーには、テキストフォーマッタを割り当てることができます。テキストフォーマッタは監査イベントのテキスト表現を提供します。

監査設定 (#ID#Configuration:AuditConfiguration) オブジェクトは、sample/auditconfig.xml ファイルで定義されます。この設定オブジェクトには、汎用オブジェクトである拡張機能があります。その最上位には次の属性があります。

filterConfiguration

filterConfiguration 属性は、1 つ以上のイベントがイベントフィルタを通過できるようにするために使用されるイベントグループをリストします。filterConfiguration 属性にリストされたそれぞれのグループには、表 12-2 にリストした属性が含まれます。

表 12-2 filterConfiguration の属性

属性

種類

説明

groupName

String

イベントグループ名

displayName

String

グループ名を示すメッセージカタログキー

enabled

String

グループ全体が有効か無効かを示すブール型のフラグ。この属性は、フィルタリングを行うオブジェクトを最適化します。

enabledEvents

List

グループがどのイベントを有効にするかを示す汎用オブジェクトのリスト。ログを有効にするには、イベントをリストする必要があります。リストされた各オブジェクトには次の属性が必要になります。

  • objectType (文字列) − objectType の名前。
  • actions (リスト) − 1 つ以上のアクションのリスト。
  • results (リスト) − 1 つ以上の結果のリスト。

コード例 12-3 に、デフォルトのリソース管理グループを示します。

コード例 12-3 デフォルトのリソース管理グループ

<Object name='Resource Management'>

  <Attribute name='enabled' value='true'/>

  <Attribute name='displayName'

             value='UI_RESOURCE_MGMT_GROUP_DISPLAYNAME'/>

  <Attribute name='enabledEvents'>

    <List>

      <Object>

        <Attribute name='objectType' value='Resource'/>

        <Attribute name='actions' value='ALL'/>

        <Attribute name='results' value='ALL'/>

      </Object>

      <Object>

        <Attribute name='objectType' value='ResourceObject'/>

        <Attribute name='actions' value='ALL'/>

        <Attribute name='results' value='ALL'/>

      </Object>

    </List>

  </Attribute>

</Object>

Identity Manager には、次のデフォルトのイベントグループが用意されています。

Identity Manager 管理インタフェースの「イベント監査」ページ (configure/auditeventconfig.jsp) から、それぞれのグループを設定できます。このページでは、成功のイベントや失敗のイベントをグループごとに設定できます。グループの enabledEvents の追加や変更は、このインタフェースではサポートされていませんが、Identity Manager デバッグページを使用して行うことができます。

デフォルトのイベントグループと、それによって有効にされるイベントについては、以降の節で説明します。

アカウント管理

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-3 デフォルトのアカウント管理イベントグループ

種類

アクション

Resource Account

作成、更新、削除、有効化、無効化、却下、承認、名前の変更

Identity Manager Account

作成、更新、削除、有効化、無効化、名前の変更

コンプライアンス管理

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-4 デフォルトのコンプライアンス管理イベントグループ

種類

アクション

AuditPolicy

すべてのアクション

ComplianceViolation

すべてのアクション

Remediation Workflow

すべてのアクション

設定管理

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-5 デフォルトの設定管理イベントグループ 

種類

アクション

Configuration

すべてのアクション

UserForm

すべてのアクション

Rule

すべてのアクション

EmailTemplate

すべてのアクション

LoginConfig

すべてのアクション

Policy

すべてのアクション

XMLData

Import

Log

すべてのアクション

Identity Manager ログイン/ログオフ

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-6 デフォルトの Identity Manager ログイン/ログオフイベントグループ

種類

アクション

User

ログイン、ログオフ、クレデンシャル有効期限

Administrator

ログイン、ログオフ、クレデンシャル有効期限

パスワード管理

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-7 デフォルトのパスワード管理イベントグループとイベント

種類

アクション

Resource Account

パスワードの変更/リセット

リソース管理

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-8 デフォルトのリソース管理イベントグループとイベント 

種類

アクション

Resource

すべてのアクション

Resource Object

すべてのアクション

ResourceForm

すべてのアクション

ResourceAction

すべてのアクション

AttrParse

すべてのアクション

ロール管理

このグループはデフォルトで無効になっています。

表 12-9 デフォルトのロール管理イベントグループとイベント

種類

アクション

Role

すべてのアクション

セキュリティー管理

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-10 デフォルトのセキュリティー管理イベントグループとイベント

種類

アクション

ObjectGroup

すべてのアクション

AdminGroup

すべてのアクション

Administrator

すべてのアクション

EncryptionKey

すべてのアクション

タスク管理

このグループはデフォルトで無効になっています。

表 12-11 タスク管理イベントグループとイベント 

種類

アクション

TaskInstance

すべてのアクション

TaskDefinition

すべてのアクション

TaskSchedule

すべてのアクション

TaskResult

すべてのアクション

ProvisioningTask

すべてのアクション

Identity Manager 外部での変更

このグループはデフォルトで無効になっています。

表 12-12 Identity Manager 外部での変更イベントグループとイベント

種類

アクション

ResourceAccount

NativeChange

Service Provider Edition

このグループはデフォルトで有効になっています。

表 12-13 Service Provider Edition イベントグループとイベント

種類

アクション

IDMXUser

作成、変更、削除、ユーザー名の復旧、チャレンジ応答、認証回答の更新、操作前と操作後のコールアウト

extendedTypes

com.waveset.object.Type クラスに追加する新しいタイプをそれぞれ監査できます。新しいタイプには一意の 2 文字のデータベースキーが割り当てられ、このキーはデータベースに格納されます。新しいタイプはすべて、さまざまな監査レポートインタフェースに追加されます。フィルタされずにデータベースにログされる新しいタイプは、監査イベントグループの enabledEvents 属性にそれぞれ追加する必要があります (enabledEvents 属性の説明を参照)。

関連付けられた com.waveset.objectType を持たない対象を監査したり、既存のタイプをさらに細かく表したりする必要が生じる場合があります。

たとえば、WSUser オブジェクトは、ユーザーのアカウント情報をすべてリポジトリに格納します。監査プロセスは、各イベントを USER タイプとしてマークを付けるのではなく、WSUser オブジェクトを 2 つの異なる監査タイプ (Resource Account および Identity Manager Account) に分割します。このようにオブジェクトを分割することにより、監査ログでの特定のアカウント情報が検索しやすくなります。

extendedObjects 属性に追加することによって、拡張された監査タイプを追加します。それぞれの拡張されたオブジェクトには、次の表にリストした属性が必要になります。

表 12-14 拡張されたオブジェクトの属性

引数

種類

説明

name

String

タイプの名前。これは AuditEvents の作成時とイベントフィルタリング中に使用されます。

displayName

String

タイプの名前を表すメッセージカタログキー。

logDbKey

String

ログテーブルにこのオブジェクトを格納するときに使用する 2 文字のデータベースキー。詳細については、「ログデータベースキー」を参照してください。

supportedActions

List

オブジェクトタイプがサポートするアクション。この属性は、ユーザーインタフェースから監査クエリーを作成するときに使用されます。この値が NULL である場合、すべてのアクションが、このオブジェクトタイプのクエリーで取り得る値として表示されます。

mapsToType

String

(オプション) 該当する場合、このタイプにマップされる com.waveset.object.Type の名前。この属性は、イベントでまだ指定されていない場合、オブジェクトの組織のメンバーシップを解決しようとするときに使用されます。

organizationalMembership

List

(オプション) このタイプのイベントにまだ組織のメンバーシップが割り当てられていない場合、このイベントを配置する組織 ID のデフォルトのリスト。

すべての顧客固有のキーには # の記号を先頭に付け、新しい内部キーが追加されたときにキーが重複するのを防止します。

コード例 12-4 に、拡張タイプの Identity Manager アカウントを示します。

コード例 12-4 拡張タイプの Identity Manager アカウント

<Object name='LighthouseAccount'>

   <Attribute name='displayName' value='LG_LIGHTHOUSE_ACCOUNT'/>

   <Attribute name='logDbKey' value='LA'/>

   <Attribute name='mapsToType' value='User'/>

   <Attribute name='supportedActions'>

      <List>

         <String>Disable</String>

         <String>Enable</String>

         <String>Create</String>

         <String>Modify</String>

         <String>Delete</String>

         <String>Rename</String>

      </List>

   </Attribute>

</Object>

extendedActions

監査アクションは通常、com.waveset.security.Right オブジェクトにマップします。新しい Right オブジェクトを追加するときに、一意の 2 文字の logDbKey を指定する必要があります。これはデータベースに格納されます。監査する必要のある特定のアクションに対応する権利がない状況に遭遇することがあります。extendedActions 属性のオブジェクトのリストに追加することにより、アクションを拡張できます。

それぞれの extendedActions オブジェクトは、表 12-15 で示した属性を含んでいる必要があります。

表 12-15 extendedAction の属性 

属性

種類

説明

name

String

アクションの名前。これは AuditEvents の作成時とイベントのフィルタ中に使用されます。

displayName

String

アクションの名前を表すメッセージカタログキー。

logDbKey

String

ログテーブルにこのアクションを格納するときに使用する 2 文字のデータベースキー。

詳細については、「ログデータベースキー」を参照してください。

すべての顧客固有のキーには # の記号を先頭に付け、新しい内部キーが追加されたときにキーが重複するのを防止します。

コード例 12-5 に、ログアウトのアクションを追加する例を示します。

コード例 12-5 ログアウトのアクションの追加

<Object name='Logout'>

  <Attribute name='displayName' value='LG_LOGOUT'/>

  <Attribute name='logDbKey' value='LO'/>

</Object>

extendedResults

監査のタイプおよびアクションを拡張する以外に、結果を追加できます。デフォルトで、成功と失敗の 2 つの結果があります。extendedResults 属性のオブジェクトのリストに追加することにより、結果を拡張できます。

それぞれの extendedResults オブジェクトは、表 12-16 で示した属性を含んでいる必要があります。

表 12-16 extendedResults の属性

属性

種類

説明

name

String

結果の名前。これは AuditEvents でのステータスの設定時とイベントのフィルタ中に使用されます。

displayName

String

結果の名前を表すメッセージカタログキー。

logDbKey

String

ログテーブルにこの結果を格納するときに使用する 1 文字のデータベースキー。予約済みの値については、「データベースキー」のタイトルの節を参照してください。

すべての顧客固有のキーには 0 〜 9 の範囲を使用して、新しい内部キーを追加するときにキーの重複を防止します。

publishers

パブリッシャーリストの各項目は汎用オブジェクトです。各パブリッシャーには次の属性があります。

表 12-17 publishers 属性

属性

種類

説明

class

String

パブリッシャークラスの名前。

displayName

String

パブリッシャーの名前を表すメッセージカタログキー。

description

String

パブリッシャーの説明。

filters

List

このパブリッシャーに割り当てられた監査グループのリスト。

formatter

String

テキストフォーマッタの名前 (存在する場合)。

options

List

パブリッシャーオプションのリスト。これらのオプションはパブリッシャーに固有のものです。このリストの各項目は、PublisherOption のマップ表現です。例については、sample/auditconfig.xml を参照してください。


データベーススキーマ

監査データの格納に使用する Identity Manager データベースには次の 2 つのテーブルがあります。

waveset.log

ここでは、waveset.log テーブルで使用されるさまざまな列名とデータ型をリストします。データ型は、Oracle データベース定義から取得され、データベースごとに若干異なります。サポートされるすべてのデータベースのデータスキーマ値のリストについては、付録 C 「監査ログデータベーススキーマ」を参照してください。

いくつかの列値は、領域を最適化するために、キーとしてデータベースに格納されます。キー定義については、「ログデータベースキー」の節を参照してください。

waveset.logattr

waveset.logattr テーブルは、イベントごとに組織のメンバーシップの ID を格納するために使用されます。このテーブルを使用して、組織別に監査ログの範囲が設定されます。


ログデータベースキー

objectType、アクション、actionStatus、および理由の列は、領域を節約するために、キーとしてデータベースに格納されています。

objectType、アクション、および結果

表 12-18 に、キーとしてデータベースに格納される objectType、アクション、および結果を示します。

表 12-18 キーとして格納される objectType、アクション、結果 

objectType 名

DbKey

アクション名

DbKey

結果名

DbKey

Account

AN

Approve

AP

Success

S

Administrator

AD

Bypass Verify

BV

Failure

F

AdminGroup

AG

Cancel Reconcile

CR

 

 

Attribute Definition

AF

challengeResponse

CD

 

 

Application

AP

Change Password

CP

 

 

Capability

US

Create

CT

 

 

Configuration

CN

Connect

CO

 

 

Discovery

DS

Delete

DL

 

 

EmailTemplate

ET

Deprovision

DP

 

 

Extract

ER

Disable

DS

 

 

ExtractTask

EX

Disconnect

DC

 

 

Identity Manager Account

LA

Enable

EN

 

 

IDMXUser

UX

Execute

LN

 

 

LoadConfig

LD

Export

EP

 

 

LoadTask

LT

Import

IM

 

 

LoginConfig

LC

List

LI

 

 

Policy

PO

Load

LD

 

 

Provisioning Task

PT

Login

LG

 

 

Resource

RS

Update

MO

 

 

Resource Account

RA

Logout

LO

 

 

Resource Form

RF

Native Changes

NC

 

 

Resource Object

RE

Post Operation

PT

 

 

RiskReportTask

RR

Pre Operation

PE

 

 

Role

RL

Provision

PV

 

 

Rule

RU

Reset Password

RP

 

 

User

US

Reprovision

RV

 

 

TaskDefinition

TD

Reject

RJ

 

 

TaskInstance

TI

Terminate

TR

 

 

TaskSchedule

TS

usernameRecovery

UR

 

 

TaskTemplate

TT

 

 

 

 

TaskResult

TR

 

 

 

 

UserForm

UF

 

 

 

 

WorkItem

WI

 

 

 

 

XMLDATA

XD

 

 

 

 

理由

表 12-19 に、キーとしてデータベースに格納される理由を示します。

表 12-19 キーとして格納される理由

理由名

説明

DbKey

PolicyViolation

ポリシー {0} の違反: {1}

PV

InvalidCredentials

無効な資格

CR

InsufficientPrivileges

不十分な特権

IP

DatabaseAccessFailed

データベースアクセスの失敗

DA

AccountDisabled

アカウントの無効

DI


監査ログの改ざんの防止

Identity Manager を設定して、次の形式の監査ログの改ざんを防止できます。

すべての Identity Manager 監査ログレコードには、サーバー単位の一意のシーケンス番号と、レコードおよびシーケンス番号の暗号化ハッシュが記録されています。改ざん検出レポートを作成するときに、サーバーごとに監査ログが走査され、次の点が調べられます。

改ざん防止ログの設定

改ざん防止ログを設定するには、次の手順に従います。

  1. 「レポート」>「新規」>「監査ログの改ざんレポート」を選択して、改ざんレポートを作成します。
  2. 改ざんレポート用の定義ページが表示されたら (図 12-1 参照)、レポートのタイトルを入力し、「保存」をクリックします。
  3. 図 12-1 監査ログの改ざんレポートの設定
    監査ログの改ざんレポートの設定

    次のオプションパラメータも指定できます。

    • 「レポートの概要」 − レポートの概要をわかりやすく記述します。
    • 「サーバー「<server_name>」の開始シーケンス」 − サーバーの開始シーケンス番号を入力します。
    • このオプションを使用すると、改ざんのフラグを付けることなく古いログエントリを削除でき、パフォーマンスが低下しないようにレポートの範囲を制限できます。
    • 「レポート結果を送信」 − 指定した電子メールアドレスへレポート結果を電子メールで送信できるようにします。
    • このオプションを選択すると、ページが更新され、電子メールアドレスを指定するようにリクエストされます。ただし、電子メールはテキストコンテンツにとって安全ではないことに留意してください。機密情報 (アカウント ID やアカウント履歴など) が漏洩する可能性があります。
    • 「デフォルトの PDF オプションを上書き」 − このレポートのデフォルトの PDF オプションを上書きします。
    • 「組織」 − このレポートにアクセスできる組織を選択します。
  4. 次に、「設定」>「監査」を選択して、「監査設定」ページを開きます (図 12-2 参照)。
  5. 図 12-2 改ざん防止監査ログ設定
    「監査設定」ページを使用して、監査イベントを設定します。

  6. 「カスタムパブリッシャーの使用」を選択し、「リポジトリ」パブリッシャーリンクをクリックします。
  7. 「改ざん防止監査ログ」のチェックボックスを選択し、「OK」をクリックします。
  8. 「保存」をクリックして、設定を保存します。
  9. このオプションをもう一度選択解除できますが、解除したエントリには、監査ログの改ざんレポートで、解除されていることを示すフラグが付けられます。これらのエントリを無視するようにレポートを再設定する必要があります。


カスタムパブリッシャーの使用

Identity Manager では、カスタム監査パブリッシャーへ監査イベントを送信できます。次のカスタムパブリッシャーを使用できます。

これらのパブリッシャーのソースコードはリファレンスキットにあります。リファレンスキットでは、Javadoc 形式で記されたインタフェースのマニュアルも用意されています。

パブリッシャーの開発

すべてのパブリッシャーは AuditLogPublisher インタフェースを実装します。インタフェースの詳細については、Javadoc を参照してください。開発者には、AbstractAuditLogPublisher クラスを拡張するようにお勧めします。このクラスは設定を解析し、すべての必要なオプションがパブリッシャーに用意されていることを確認します。リファレンスキットのパブリッシャーの例を参照してください。

パブリッシャーには引数なしコンストラクタが必要になります。

ライフサイクル

パブリッシャーのライフサイクルを、次の手順で説明します。

  1. オブジェクトがインスタンス化されます。
  2. setFormatter() メソッドを使用して、フォーマッタ (存在する場合) が設定されます。
  3. configure(Map) メソッドを使用して、オプションが指定されます。
  4. publish(Map、LoggingErrorHandler) メソッドを使用して、イベントが発行されます。
  5. shutdown() メソッドを使用して、パブリッシャーが終了します。

手順 1 〜 3 は、Identity Manager の起動時と監査設定の更新ごとに実行されます。シャットダウンが呼び出される前に監査イベントが生成されていない場合には、手順 4 は行われません。

configure(Map) は、同一のパブリッシャーオブジェクトでは 1 度だけ呼び出されます。パブリッシャーは、実行時の設定変更に備える必要はありません。監査設定が更新されると、まず現在のパブリッシャーが停止され、新しいパブリッシャーが作成されます。

手順 3 の configure() メソッドは WavesetException をスローする場合があります。この場合、パブリッシャーは無視され、パブリッシャーに対してほかの呼び出しは行われません。

設定

パブリッシャーにはオプションを付けないことも、1 つ以上のオプションを付けることもできます。getConfigurationOptions() メソッドは、パブリッシャーがサポートするオプションのリストを返します。オプションは、PublisherOption クラス (このクラスの詳細については Javadoc を参照) を使用してカプセル化されます。監査設定ビューアは、パブリッシャー用の設定インタフェースを構築するときに、このメソッドを呼び出します。

Identity Manager は、サーバーの起動時および監査設定の変更後に、configure(Map) メソッドを使用してパブリッシャーを設定します。

フォーマッタの開発

リファレンスキットには、次のフォーマッタのソースコードが収められています。

フォーマッタは、AuditRecordFormatter インタフェースを実装する必要があります。さらに、フォーマッタには引数なしコンストラクタが必要になります。詳細については、リファレンスキットに収録された Javadoc を参照してください。

パブリッシャー/フォーマッタの登録

#ID#Configuration:SystemConfiguration オブジェクトの監査属性は、登録済みのパブリッシャーとフォーマッタをすべて一覧表示します。これらのパブリッシャーとフォーマッタだけが、監査設定ユーザーインタフェースで使用できます。



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