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Sun Java Enterprise System 2003Q4 配備実例集: 評価のシナリオ  

第 7 章
プロキシ認証の設定

この章では、ポータルデスクトップ、メッセージングサービス、およびカレンダサービスに対して、プロキシ認証を設定する方法について説明します。

この章で説明する内容は、次のとおりです。


プロキシ認証について

デフォルトのポータルデスクトップには、Messaging Server および Calendar Server によって提供される、サービスに接続する「メール」チャネルおよび「カレンダー」チャネルが備えられています。ユーザーがポータルデスクトップを更新するたびに、「メール」チャネルおよび「カレンダー」チャネルは、それぞれのバックエンドサービスに接続し、メールおよびカレンダ情報を取得します。

これらのチャネルに対してプロキシ認証を設定することにより、ポータルデスクトップにメールおよびカレンダ情報をより完全に表示できます。また、ユーザーが、Messenger Express および Calender Express をポータルデスクトップから直接起動できるようにします。

プロキシ認証を有効にするには、次の設定を行う必要があります。

プロキシユーザーアカウントは、エンドユーザーの代わりに信頼されたエージェントとして機能します。Messaging Server および Calendar Server のプロキシユーザーアカウントは、エンドユーザーパスワードの認証なしでエンドユーザー認証を得るために存在します。

ポータルサーバーの「メール」および「カレンダー」チャネルの「SSO アダプタ」テンプレートを使用して、プロキシユーザーの名前とパスワードを登録した場合、ポータルデスクトップにアクセスしたエンドユーザーは、再度ログインすることなく、デスクトップからメールサービスおよびカレンダサービスを起動できます。


ポータル「カレンダー」チャネルのプロキシ認証用の設定

サンプルポータル「カレンダー」チャネル用にプロキシ認証を有効にするには、Identity Server コンソールから SSO アダプタサービスを設定します。

SSO アダプタサービス用にポータル「カレンダー」チャネルを設定するには
  1. Web ブラウザで、次の URL を開きます。
  2. http://allinone.example.com:81/portal/

    Identity Server のログインページが開きます。

  3. Identity Server のログインページで、次の値を入力します。
    • ユーザー名: amadmin
    • パスワード: password
    • 「ログイン」をクリックします。Identity Server コンソールウィンドウが表示されます。

  4. 「サービス設定」タブをクリックします。
  5. Identity Server のサービスが表示されます。

  6. 左区画をスクロールダウンします。「SSO アダプタ」を選択し、SSO アダプタ名に続く矢印記号をクリックします。
  7. 表示が更新されます。右区画に、SSO アダプタサービスのプロパティが表示されます。表示は、図 7-1 のようになります。

    図 7-1 SSO アダプタプロパティ
    画面例、左区画に、「SSO アダプタ」が選択されている。 右区画、「グローバル」という見出しの下の、「SSO アダプタのテンプレート」フィールド内の設定プロパティが選択されています。

  8. SUN-ONE-CALENDAR 設定プロパティを編集します。「グローバル」プロパティセクションに、「SSO アダプタのテンプレート」フィールドがあります。SUN-ONE-CALENDAR 設定プロパティを含む行をクリックします。この行が図 7-1 で選択されています。
  9. 「グローバル」プロパティリストの下にある編集可能なフィールドに、編集可能な行のコピーが表示されています。この編集可能なフィールドを使用して、テキストを編集します。


    ヒント

    テキストエディタを使用して変更を行います。プロパティのリストの下にある編集可能なフィールドに移動し、プロパティの文字列全体を選択します。選択したプロパティの文字列を右クリックし、「コピー」を選択します。

    テキストエディタのウィンドウにテキストを貼り付け、手順 5 で説明している変更を行います。


    1. merge=host& を検索します。値を default=host& に変更します。
    2. merge=port& を検索します。値を default=port& に変更します。
    3. merge=clientPort& を検索します。値を default=clientPort& に変更します。
    4. enableProxyAuth=false& を検索します。値を enableProxyAuth=true& に変更します。
    5. proxyAdminUid=[PROXY-ADMIN-UID]& を検索します。値を proxyAdminUid=calmaster& に変更します。
    6. proxyAdminPassword=[PROXY-ADMIN_PASSWORD]& を検索します。値を proxyAdminPassword=password& に変更します。
    7. userAttribute=uid を検索します。値を userAttribute=uid& に変更します。
    8. 最後に & を追加します。

    9. プロパティの文字列の最後に、次の名前と値がペアになったエントリを追加します。
    10. host=allinone.example.com&
      clientPort=89&
      port=89

      エントリの最後に & はありません。


      ヒント

      テキストエディタを使用して手順 5 で説明されている変更を行った後に、エディタのテキストを選択してコピーします。テキストを、Identity Server コンソールウィンドウの、編集可能なフィールドに貼り付けます。


  10. 編集可能なフィールドのテキストを編集した後で、「追加」をクリックします。
  11. 新しい行が「SSO アダプタのテンプレート」フィールドに追加されます。元の行が変更または削除されていないことを確認します。

  12. 元のパラメータ行を選択し、「消去」をクリックします。
  13. 元の行が削除されます。

  14. 「保存」をクリックして、変更を適用します。


ポータル「メール」チャネルのプロキシ認証用の設定

サンプルポータル「メール」チャネル用にプロキシ認証を有効にするには、Identity Server コンソールから SSO アダプタサービスを設定します。

SSO アダプタサービス用にポータル「メール」チャネルを設定するには
  1. SUN-ONE-MAIL IMAP 設定プロパティを編集します。「グローバル」プロパティセクションで、default|imap:///?configName=SUN-ONE-MAIL 設定プロパティを含むエントリをクリックします。
  2. 「グローバル」プロパティリストの下にある編集可能なフィールドに、編集可能なエントリのコピーが表示されています。編集可能なフィールドでテキストを編集します。


    ヒント

    テキストエディタを使用して変更を行います。プロパティのリストの下にある編集可能なフィールドに移動し、プロパティの文字列全体を選択します。選択したプロパティの文字列を右クリックし、「コピー」を選択します。

    テキストエディタのウィンドウにテキストを貼り付け、手順 1 で説明している変更を行います。


    1. merge=host& を検索します。値を default=host& に変更します。
    2. merge=clientPort& を検索します。値を default=clientPort& に変更します。
    3. enableProxyAuth=false& を検索します。値を enableProxyAuth=true& に変更します。
    4. proxyAdminUid=[PROXY-ADMIN-UID]& を検索します。値を proxyAdminUid=admin& に変更します。
    5. proxyAdminPassword=[PROXY-ADMIN_PASSWORD]& を検索します。値を proxyAdminPassword=password& に変更します。
    6. default=domain を検索します。値を default=domain& に変更します。
    7. 最後に & を追加します。

    8. プロパティの文字列の最後に、次の名前と値がペアになったエントリを追加します。
    9. host=allinone.example.com&
      clientPort=88

      エントリの最後に & はありません。


      ヒント

      テキストエディタを使用して手順 1 で説明されている変更を行った後に、エディタのテキストを選択してコピーします。テキストを、Identity Server コンソールウィンドウの、編集可能なフィールドに貼り付けます。


  3. 編集可能なフィールドのテキストを編集した後で、「追加」をクリックします。
  4. 新しい行が「SSO アダプタのテンプレート」フィールドに追加されます。元の行が変更または削除されていないことを確認します。

  5. 元のパラメータ行を選択し、「消去」をクリックします。
  6. 元の行が削除されます。

  7. 「保存」をクリックして、変更を適用します。
  8. Sun ONE Application Server ディレクトリに移動します。
  9. cd /var/opt/SUNWappserver7/domains/domain1/server1/bin

  10. Application Server を停止し、再起動します。
  11. ./stopserv

    ./startserv

    Application Server の再起動により、Portal Server も再起動されます。


プロキシ認証用の Messaging Server の設定

プロキシ認証用に Messaging Server を設定するには
  1. Sun ONE Messaging Server ディレクトリに移動します。
  2. cd /opt/SUNWmsgsr/sbin

  3. 次の configutil コマンドを実行してメール設定を行います。
  4. ./configutil -o store.admins admin

    su mailsrv

    ./configutil -o service.http.allowadminproxy -v yes

    最初の configutil コマンドは、Messaging Server メッセージストアを管理ユーザー ID で管理できるようにします。メッセージストアには、特定の Messaging Server インスタンス用のユーザーメールボックスが含まれます。2 番目の configutil コマンドは、管理プロキシ認証ができるようにします。

  5. Sun ONE Messaging Server を停止します。
  6. ./stop-msg

  7. Sun ONE Messaging Server を再起動します。
  8. ./start-msg


プロキシ認証用の Calendar Server の設定

プロキシ認証用に Calendar Server を設定するには
  1. cd を実行して Calendar Server ディレクトリに移動します。
  2. cd /etc/opt/SUNWics5/config

  3. 次のように、/ics.conf ファイルを編集します。
    1. service.http.allowadminproxy パラメータを検索します。コメントが外れていることを確認します。値が yes に設定されていることを確認します。
    2. service.http.allowadminproxy="yes"

    3. service.admin.calmaster.userid パラメータを検索します。コメントが外れていることを確認します。値が calmaster に設定されていることを確認します。
    4. service.admin.calmaster.userid="calmaster"

    5. service.admin.calmaster.cred パラメータを検索します。コメントが外れていることを確認します。値が password に設定されていることを確認します。異なるパスワードを使用している場合、自分のパスワードに必ず置き換えてください。
    6. service.admin.calmaster.cred="password"

  4. cd を実行して Sun ONE Calendar Server ディレクトリに移動します。
  5. cd /opt/SUNWics5/cal/sbin

  6. Sun ONE Calendar Server を停止します。
  7. ./stop-cal

  8. Sun ONE Calendar Server を再起動します。
  9. ./start-cal


プロキシ認証の確認

ここでは、ポータルデスクトップにログインし、Messenger Express および Calendar Express にアクセスできることを確認します。

プロキシ認証が機能することを確認するには
  1. Web ブラウザで、次の URL を開きます。
  2. http://allinone.example.com:81/portal

    これによりサンプルポータルデスクトップが開きます。


    ヒント

    使用しているホストおよびドメインに必ず置き換えてください。


  3. このサンプルポータルデスクトップでは、「メンバーログイン」フィールドを使用してログインします。次の値を入力します。
    • ユーザー名: scott
    • パスワード: password
  4. サンプルデスクトップが更新されます。「カレンダー」チャネルおよび「メール」チャネルは、Java Enterprise System ユーザーに対して適切な情報を表示します。表示は、図 7-2 のようになります。
  5. 図 7-2 サンプルポータルデスクトップ
    画面例、「ユーザー情報」チャネルは、ユーザー名 Scott McDuke を表示する。 「カレンダー」チャネルはテストイベントを表示する

  6. 「カレンダーを起動」をクリックします。
  7. Calender Express のメインウィンドウが表示されます。これにより、プロキシ認証が Sun ONE Calendar Server に対して正常に設定されていることが確認されます。

  8. 「メールを起動」をクリックします。
  9. Messenger Express のメインウィンドウが開きます。これにより、プロキシ認証が Sun ONE Messaging Server に対して正常に設定されていることが確認されます。

  10. 「ログアウト」をクリックします。

評価の配備例は以上で完了です。



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