Sun Studio 12 インストールリファレンスガイド (英語、日本語、簡体字中国語)

第 2 章 コマンドとインストーラの説明

この章には、次の事項に関する詳細情報が含まれています。

prepare_system コマンド

prepare_system コマンドを使用すると、Sun Studio 12 ソフトウェアを実行するシステムに必須ソフトウェアがインストールされているかどうかを確認し、不足しているソフトウェアをインストールできます。システムの確認は root 権限がなくても行うことができますが、不足しているソフトウェアをインストールするには root 権限が必要です。

構文

prepare_system [-d directory] [-R altroot] [-C | -s netbeans | java | patches | all_patches | jdk_patches | all | print_needed_steps ]

-d directory

-s オプションを指定して不足しているソフトウェアをインストールするとき、ソフトウェアのインストール先ディレクトリを指定する場合はこのオプションを使用します。このオプションを指定しなかった場合、ソフトウェアは標準の場所にインストールされます。

-R altroot

デフォルトの「/」以外のルートディレクトリを指定する場合に、このオプションを使用します。使用するディレクトリのフルパス名を altroot として定義します。パッケージのシステム情報ファイルを含むすべてのファイルが、指定した altroot で始まるディレクトリツリーに再配置されます。

-C

システムに必須ソフトウェアがインストールされているかどうかを確認します。不足している必須ソフトウェアがある場合はそのリストが表示され、ない場合はその旨のメッセージが表示されます。NetBeans C/C++ Development Pack 5.5.1 がインストールされている場合、netbeans は不足しているものとして表示されます。このオプションでは、JDK ソフトウェアに必要なパッチの有無の確認または報告は行われません。

-s netbeans | java | patches | all_patches | jdk_patches | print_needed_steps

netbeans を指定すると、NetBeans 5.5.1 IDE および NetBeans C/C++ Development Pack 5.5.1 update 1 がインストールされます。Netbeans C/C++ Development Pack 5.5.1 がインストールされている場合、NetBeans C/C++ Development Pack 5.5.1 update 1 に置き換えられます。

java を指定すると、J2SE Development Kit (JDK) 5.0, Update 9 がインストールされます。

patches を指定すると、Sun Studio 12 ソフトウェアに必要なオペレーティングシステムのパッチがインストールされます。

all_patches を指定すると、Sun Studio 12 ソフトウェアに必要であるか、推奨されるオペレーティングシステムのパッチがインストールされます。

jdk_patches を指定すると、JDK ソフトウェアに必要なパッチがインストールされます。Solaris 10 1/06 プラットフォームでは、これらのパッチのうち 2 つはカーネルのパッチです。このオプションを使用する前に、詳細については、http://sdc.sun.co.jp/sunstudio/documentation/ss12/release_notesML.htmlSun Studio 12 リリースノート (英語、日本語、簡体中国語) を参照してください。

all を指定すると、NetBeans 5.5.1 IDE と NetBeans C/C++ Development Pack 5.5.1 update 1、JDK ソフトウェア、および Sun Studio 12 ソフトウェアに必要なオペレーティングシステムのパッチがインストールされているかどうかが確認され、不足している場合はインストールされます。

print_needed_steps は、インストーラによって使用されるオプションで、不足しているソフトウェアが、マシンが認識できる形式で一覧表示されます。

batch_installer コマンド

Sun Studio 12 ソフトウェアをインストールするもっとも簡単な方法は、バッチインストーラを使用する方法で、これはソフトウェアのコンポーネントをすべてインストールします。

構文

batch_installer [-R altroot] [-d installation_directory] [-a architecture] [-p netbeans | java | patches | all_patches | jdk_patches | all] [--copy-prerequisites] [--show-sla] [--accept-sla] [--no-links] [-no-prodpatch] [--zone=all|this] [-J extra_java_args]

-R altroot

デフォルトの「/」以外のルートディレクトリを指定する場合に、このオプションを使用します。 使用するディレクトリのフルパス名を altroot として定義します。パッケージのシステム情報ファイルを含むすべてのファイルが、指定した altroot で始まるディレクトリツリーに再配置されます。

-d installation_directory

Sun Studio 12 ソフトウェアのインストールディレクトリを指定します。デフォルトのインストールディレクトリ (Solaris プラットフォームでは /opt、Linux プラットフォームでは /opt/sun) 以外のディレクトリにインストールする場合に、このオプションを使用します。

-a client_architecture

バッチインストーラが、ソフトウェアを使用するクライアントシステムとは異なるアーキテクチャーを持つサーバーに Sun Studio 12 ソフトウェアをインストールできるようにします。x86 ベースのクライアントで使用するために、SPARC ベースのサーバーにソフトウェアをインストールするには、client_architectureintel-S2 を指定します。SPARC ベースのクライアントで使用するために、x86 ベースのサーバーにソフトウェアをインストールするには、client_architecturesparc-S2 を指定します。

-p netbeans | java | patches | all_patches | jdk_patches | all

netbeans を指定すると、NetBeans 5.5.1 IDE および NetBeans C/C++ Development Pack 5.5.1 update 1 がインストールされます。Netbeans C/C++ Development Pack 5.5.1 がインストールされている場合、NetBeans C/C++ Development Pack 5.5.1 update 1 に置き換えられます。

java を指定すると、J2SE Development Kit (JDK) 5.0, Update 9 がインストールされます。

patches を指定すると、Sun Studio 12 ソフトウェアに必要なオペレーティングシステムのパッチがインストールされます。

all_patches を指定すると、Sun Studio 12 ソフトウェアに必要であるか、推奨されるオペレーティングシステムのパッチがインストールされます。

jdk_patches を指定すると、JDK ソフトウェアに必要なパッチがインストールされます。Solaris 10 1/06 プラットフォームでは、これらのパッチのうち 2 つはカーネルのパッチです。このオプションを使用する前に、詳細については、http://sdc.sun.co.jp/sunstudio/documentation/ss12/release_notesML.htmlSun Studio 12 リリースノート (英語、日本語、簡体中国語) を参照してください。

all を指定すると、NetBeans 5.5.1 IDE と NetBeans C/C++ Development Pack 5.5.1 update 1、JDK ソフトウェア、および Sun Studio 12 ソフトウェアに必要なオペレーティングシステムのパッチがインストールされているかどうかが確認され、不足している場合はインストールされます。

--copy-prerequisites

Sun Studio 12 ソフトウェアを実行するクライアントシステムで、prepare_system コマンドの実行時に必須ソフトウェアを使用できるように、サーバーに必須ソフトウェアをコピーします。ソフトウェアは、Sun Studio 12 のインストールディレクトリ内の prepare_system_prerequisites ディレクトリにコピーされます。たとえば、Sun Studio 12 のインストールディレクトリがデフォルトの /opt ディレクトリの場合、必須ソフトウェアは /opt/prepare_system_prerequisites にコピーされます。必須ソフトウェアには、Solaris OS を実行している SPARC プラットフォームで 1.2G バイト、Solaris OS を実行している x86 プラットフォームで 750M バイト、および Linux プラットフォームで 200M バイトのディスク容量が必要です。

--show-sla

ソフトウェアライセンス契約書を表示します。

--accept-sla

ソフトウェアをインストールしている人がソフトウェアライセンス契約書の条項に同意することを表明します。ソフトウェアライセンス契約書に同意するまでは、ソフトウェアのインストールは実行されません。

--no-links

Sun Studio 12 ソフトウェアおよびマニュアルページへのシンボリックリンクを /usr/bin ディレクトリと /usr/share/man ディレクトリに作成しないことを選択できます。これらのリンクは、以前のリリースの Sun Studio へのシンボリックリンクが /usr/bin/usr/share/man にすでにある場合を除いて、デフォルトで作成されます。

--no-prodpatch

推奨の Sun Studio 12 の製品パッチが提供されている場合、それらをインストールしないことを選択できます。

--zone all|this

ゾーンを持つ Solaris 10 1/06 サーバーへのインストールの際に、Sun Studio 12 ソフトウェアをすべてのゾーンにインストールするか (all) 、バッチインストーラを実行しているゾーンにだけインストールするか (this) を指定します。batch_installer コマンドは、ソフトウェアをインストールするゾーンで実行してください。

-J extra_java_args

インストーラを実行する際に使用される JavaTM 仮想マシン (JVM) に追加の引数を渡すことができます。


注 –

JVM は Java virtual machine の略語で、Java プラットフォーム用の仮想マシンを意味します。


グラフィカルユーザーインタフェースのインストーラ

グラフィカルユーザーインタフェースのインストーラでは、Sun Studio 12 ソフトウェアのコンポーネントやサブコンポーネントを、選択方式でインストールすることができます。システムに必須ソフトウェアがインストールされているかどうかをチェックするシステム準備ツールが自動的に実行され、不足しているソフトウェアがあればそのソフトウェアをインストールできます。

グラフィカルユーザーインタフェースのインストーラを起動するには、ダウンロードディレクトリで次のように入力します。


./installer &

注 –

異なるアーキテクチャーを持つクライアントで使用するために、Solaris サーバーに Sun Studio 12 ソフトウェアをインストールするには、インストーラの起動時に -a client_architecture オプションを含めます。SPARC ベースのサーバーに、x86 ベースのクライアントを使用するためにソフトウェアをインストールする場合は、client_architectureintel-S2 を指定します。x86 ベースのサーバーに、SPARC ベースのクライアントを使用するためにソフトウェアをインストールする場合は、client_architecturesparc-S2 を指定します。


「ソフトウェアライセンス契約書」

「ソフトウェアライセンス契約書」ページでは、ソフトウェアライセンス契約書が表示され、これに同意するかどうかを選択するよう求められます。「はい (ライセンスに同意する)」をクリックするとインストーラによって次の手順のページが表示されます。「いいえ」をクリックすると、インストーラを終了するかどうかの問い合わせが表示されます。ソフトウェアライセンス契約書に同意するまでは、インストールを続けることはできません。

「ロケールを選択」

中国語または日本語のいずれかでローカライズされた Sun Studio 12 ソフトウェアをインストールする場合は、「ロケールの選択」ページで「日本語」チェックボックスまたは「中国語」チェックボックスをクリックして選択します。

「コンポーネントの選択」

「コンポーネントの選択」ページでは、インストールする Sun Studio 12 ソフトウェアのコンポーネントを選択できます。各コンポーネントのディスク容量の要件が表示されます。デフォルトでは、3 つのコンポーネント (コンパイラとツール、パフォーマンスライブラリ、サードパーティーのソースコード) がすべてインストールされます。コンポーネントのチェックボックスをクリックして選択解除することによって、インストールしないコンポーネントを選択できます。

コンパイラとツールコンポーネントの選択したサブコンポーネントだけをインストールすることもできます。それには、コンポーネントの横にある「+」アイコンをクリック して展開します。次に、サブコンポーネントのチェックボックスをクリックして選択解除することによって、インストールしない任意のサブコンポーネントを選択します。

「Select Options」:「Install」タブ

「Select Options」ページの「Install」タブには、次の項目が含まれます。

「Select Options」:「Advanced options」タブ

「Select Options」ページの「Advanced options」タブは、サーバーへのインストールの際に選択できる詳細オプションを提供します。

「インストールの準備完了」

このページには、インストールされる Sun Studio 12 コンポーネントと必要な合計ディスク容量が一覧表示されます。「今すぐインストール」をクリックすると、インストールが開始されます。

「インストール中」

このページには、インストールの進行状況を追跡する進捗バーが表示されます。インストールを中止できる「停止」ボタンがあります。

「インストール後の設定」

ソフトウェアのインストール後に実行する必要のある手順がある場合、このページが表示されます。このページには、実行する手順が一覧表示されます。「今すぐ設定」をクリックすると、「インストール後の設定」が開始されます。インストーラに「インストール後の設定」の進行状況が表示されます。

「インストールのまとめ」

このページには、インストールが完了したあとのステータスが表示されます。各コンポーネントの横にある「詳細」をクリックすると、インストールされたパッケージに関する情報が表示されます。「閉じる」をクリックするとインストーラが終了します。

コマンド行インストーラ

コマンド行インストーラは、グラフィカルユーザーインタフェースのインストーラと同じ一連の対話式の手順を、テキスト形式で提供します。

コマンド行インストーラを起動するには、ダウンロードディレクトリで次のように入力します。


./installer -nodisplay

注 –

異なるアーキテクチャーを持つクライアントで使用するために、Solaris サーバーに Sun Studio 12 ソフトウェアをインストールするには、インストーラの起動時に -a client_architecture オプションを含めます。SPARC ベースのサーバーに、x86 ベースのクライアントを使用するためにソフトウェアをインストールする場合は、client_architectureintel-S2 を指定します。x86 ベースのサーバーに、SPARC ベースのクライアントを使用するためにソフトウェアをインストールする場合は、client_architecturesparc-S2 を指定します。


コマンド行インタフェースでは、! を入力すればいつでもインストーラを終了できます。インストーラの直前のセクションに戻るには、< と入力します。

「ソフトウェアライセンス契約書」

インストーラでは、ソフトウェアライセンス契約書が表示されます。契約書の全体を表示するには、必要な回数だけ Enter キーを押します。そのあとで、yes と入力し、Enter キーを押して契約書に同意します。ソフトウェアライセンス契約書に同意するまでは、インストールを続けることはできません。

「コンポーネントの選択」

インストールしないコンポーネントまたはサブコンポーネントの番号を入力して Enter キーを押します。インストールするコンポーネントの選択が完了したら、0 を入力して Enter キーを押します。

「オプションを選択」

「詳細オプション」

「詳細オプション」には、サーバーにソフトウェアをインストールするときに選択するオプションが表示されます。

「インストールの準備完了」

インストールされるコンポーネント、インストールディレクトリ、および必要なディスク容量が一覧表示されます。1 を入力して Enter キーを押すとインストールが開始されます。インストールの進行状況が表示されます。

「インストール後の設定」

ソフトウェアのインストール後に実行する必要のある手順がある場合、このページが表示されます。このページには、不足している必須ソフトウェアのインストールや必須ソフトウェアのサーバーへのコピーなど、「オプションの選択」ページで指定した手順が一覧表示されます。1 を入力して Enter キーを押すと「インストール後の設定」が開始されます。インストーラに「インストール後の設定」の進行状況が表示されます。

「インストールの詳細」

インストールが完了すると、結果が表示されます。1 を入力すると、インストールされたパッケージに関する情報が表示されます。2 を入力して Enter キーを押すと、インストーラが終了します。