この節では、浮動小数点の極値と通常値を組み合わせたものに基本算術演算を適用して得られる結果について説明します。トラップやその他の例外は起こらないものとします。
次の表で、略語の意味を説明します。
表 F–16 略語の使用法
略語 |
意味 |
---|---|
Num |
非正規のまたは正規化された数字 |
Inf |
無限大 (正または負) |
NaN |
数字ではない |
Uno |
順序不定 |
次の表は、異なるタイプのオペランドを組み合わせて行なった算術演算から得られた値のタイプを示しています。
表 F–17 加算と減算の結果表 F–18 乗算結果
|
右側のオペランド: 0 |
右側のオペランド: Num |
右側のオペランド: Inf |
右側のオペランド: NaN |
---|---|---|---|---|
左側のオペランド: 0 |
0 |
0 |
NaN |
NaN |
左側のオペランド: Num |
0 |
Num |
Inf |
NaN |
左側のオペランド: Inf |
NaN |
Inf |
Inf |
NaN |
左側のオペランド: NaN |
NaN |
NaN |
NaN |
NaN |
表 F–19 除算結果
|
右側のオペランド: 0 |
右側のオペランド: Num |
右側のオペランド: Inf |
右側のオペランド: NaN |
---|---|---|---|---|
左側のオペランド: 0 |
NaN |
0 |
0 |
NaN |
左側のオペランド: Num |
Inf |
Num |
0 |
NaN |
左側のオペランド: Inf |
Inf |
Inf |
NaN |
NaN |
左側のオペランド: NaN |
NaN |
NaN |
NaN |
NaN |
表 F–20 比較結果
|
右側のオペランド: 0 |
右側のオペランド: +Num |
右側のオペランド: +Inf |
右側のオペランド: +NaN |
---|---|---|---|---|
左側のオペランド: 0 |
= |
< |
< |
Uno |
左側のオペランド: +Num |
> |
比較の結果 |
< |
Uno |
左側のオペランド: +Inf |
> |
> |
= |
Uno |
左側のオペランド: +NaN |
Uno |
Uno |
Uno |
Uno |
NaN と比較した NaN は順序不定で、結果は不等価になります。+0 は -0 と比較結果が等しくなります。