Sun Studio 12 Update 1: C++ ユーザーズガイド

15.2.1 complex クラスのコンストラクタ

complex には 2 つのコンストラクタがあります。それぞれの定義を次に示します。


complex::complex()            {re=0.0; im=0.0;}
complex::complex(double r, double i = 0.0) {re=r; im=i;}

複素数の変数を引数なしで宣言すると、最初のコンストラクタが使用され、実部も虚部もゼロで初期化されます。次の例では、実部も虚部もゼロの複素数の変数が生成されます。


complex aComp;

1 つまたは 2 つのパラメータを指定できます。いずれの場合にも、2 番目のコンストラクタが使用されます。引数を 1 つだけ指定した場合は、その値は実部の値とみなされ虚部はゼロに設定されます。たとえば、次のようにします。


complex aComp(4.533);

複素数の値は次のようになります。


4.533 + 0i

引数を 2 つ指定した場合は、最初の値が実部、2 番目の値が虚部となります。たとえば、次のようにします。


complex aComp(8.999, 2.333);

複素数の値は次のようになります。


8.999 + 2.333i

また、複素数ライブラリが提供する polar 関数を使用して複素数を生成することもできます。「15.3 数学関数」を参照してください。polar 関数は、指定した 1 組の極座標値 (絶対値と偏角) を使用して複素数を作成します。

complex 型にはデストラクタはありません。