Sun Studio 12 Update 1: C++ ユーザーズガイド

12.2 C++ コンパイラ付属のライブラリ

Sun C++ コンパイラには、いくつかのライブラリが添付されています。 これらのライブラリには、互換モード (-compat=4) だけで使用できるもの、標準モード (-compat=5) だけで使用できるもの、あるいは両方のモードで使用できるものがあります。libgc ライブラリと libdemangle ライブラリには C インタフェースがあり、どちらのモードでもアプリケーションにリンクできます。

次の表に、Sun C++ コンパイラに添付されるライブラリと、それらを使用できるモードを示します。

表 12–1 C++ コンパイラに添付されるライブラリ

ライブラリ 

内容の説明 

使用できるモード 

libstlport

標準ライブラリの STLport 実装 

-compat=5

libstlport_dbg

デバッグモード用 STLport ライブラリ 

-compat=5

libCrun

C++ 実行時 

-compat=5

libCstd

C++ 標準ライブラリ 

-compat=5

libiostream

従来の iostream

-compat=5

libC

C++ 実行時、従来の iostream

-compat=4

libcsunimath

-xia オプションをサポート

-compat=5

libcomplex

複素数ライブラリ 

-compat=4

librwtool

Tools.h++ 7

-compat=4-compat=5

librwtool_dbg

デバッグ可能な Tools.h++ 7

-compat=4,-compat=5

libgc

ガベージコレクション 

C インタフェース 

libdemangle

復号化 

C インタフェース 


注 –

STLport、Rogue Wave、または Sun Microsystems C++ ライブラリの構成マクロを再定義したり変更したりしないでください。ライブラリは C++ コンパイラとともに動作するよう構成および構築されています。libCstd と Tool.h++ は互いに働き合うように構成されているので、その構成マクロを変更すると、プログラムのコンパイルやリンクが行われなくなったり、プログラムが正しく実行されなくなったりします。


12.2.1 C++ ライブラリの説明

これらのライブラリについて簡単に説明します。

コンパイラソフトウェアが /opt ディレクトリにインストールされていない場合は、システム上でこのディレクトリに相当するパスをシステム管理者に問い合わせてください。

12.2.2 C++ ライブラリのマニュアルページへのアクセス

この節で説明しているライブラリに関するマニュアルページは1、3、3C++、および 3cc4 の各節にあります。

C++ ライブラリのマニュアルページにアクセスするには次のとおり入力してください。


example% man library-name

C++ ライブラリの Version 4.2 のマニュアルページにアクセスするには次のコマンドを入力してください。


example% man -s 3CC4 library-name

12.2.3 デフォルトの C++ ライブラリ

これらのライブラリには、CC ドライバによってデフォルトでリンクされるものと、明示的にリンクしなければならないものがあります。標準モードでは、次のライブラリが CC ドライバによってデフォルトでリンクされます。

-lCstd -lCrun -lm -lc

互換モード (-compat) では、次のライブラリがデフォルトでリンクされます。

-lC -lm -lc

詳細は、「A.2.50 -library=l[ ,l...]」 を参照してください。