Sun Studio 12 Update 1: Fortran ユーザーズガイド

3.4.25 -fast

実行パフォーマンスを最適化するオプションを選択します。


注 –

このオプションは、リリースごと、またはコンパイラごとに変更されることのあるほかのオプションを選択する機能として定義されています。-fast により選択されるいくつかのオプションはすべてのプラットフォームで使用できない可能性があります。-fast の展開を表示するには、-dryrun フラグを使用してコンパイルしてください。


-fast は、特定のベンチマークアプリケーションのパフォーマンスを引き上げます。しかし、オプションによっては、アプリケーションで使用できない場合があります。-fast を使用して、最大のパフォーマンスを得るためにアプリケーションをコンパイルしてください。しかし、さらに調整が必要な場合があります。-fast を指定してコンパイルしたプログラムが正しく動作しない場合、-fast を形成している個々のオプションを調査して、プログラムを正しく動作させるオプションだけを呼び出してください。

また、-fast でコンパイルされたプログラムは、使用するデータセットにより、高いパフォーマンスと正確な結果を実現できないことがあります。浮動小数点演算の特定プロパティーに依存しているプログラムは、-fast を使用してコンパイルしないでください。

-fast で選択されたオプションの一部は暗黙的にリンクするため、コンパイルとリンクを別々に行う場合は、リンク時も必ず -fast を指定してください。

-fast では次のオプションが選択されます。

次に示すように、-fast オプションのあとに別のオプションを付けて、このリストに追加したり削除したりできます。

f95 -fast -fsimple=1 -xnolibmopt ...

この例では、-fast で選択された -fsimple=2 の指定を変更し、-xlibmopt を無効にしています。

-fast-dalign-fns-fsimple=2 を呼び出すため、-fast でコンパイルされたプログラムは、標準外の浮動小数点演算、標準外のデータ整列、および標準外の式評価の配列を招くことがあります。これらの選択オプションは、ほとんどのプログラムに適していない可能性があります。

-fast フラグで選択する一連のオプションは、コンパイラのリリースによって変更されることがあります。-dryrun を指定してコンパイラを呼び出すと、-fast の展開値が表示されます。


<sparc>%f95 -dryrun -fast |& grep ###
          ###     command line files and options (expanded):
          ### -dryrun -xO5 -xarch=sparcvis2 -xcache=64/32/4:1024/64/4
              -xchip=ultra3i -xdepend=yes -xpad=local -xvector=lib
              -dalign -fsimple=2 -fns=yes -ftrap=common -xlibmil
              -xlibmopt -fround=nearest