Oracle Solaris Studio 12.2: パフォーマンスアナライザ

データオブジェクト記述子

データオブジェクトは、宣言された型と名前の組み合わせで記述します。単純なスカラーデータオブジェクト {int i} は、int 型の変数 i を記述しているのに対して、{const+pointer+int p} は、intp への定数ポインタを記述しています。型名のスペースは「_」(アンダースコア) に置き換えられ、名前の付いていないデータオブジェクトは「-」(ハイフン)、たとえば {double_precision_complex -} という名前で表されます。

集合体全体も同様に、foo_t 型の構造体の場合は {structure:foo_t} と表します。集合体の要素では、その要素のコンテナを追加指定する必要があります。たとえば、前述の foo_t 型の構造体のメンバーである int 型の i の場合は {structure:foo_t}.{int i} となります。集合体はそれ自体、(さらに大きい) 集合体の要素になることも可能で、対応する記述子は集合体記述子を連結したもの、最終的にはスカラー記述子になります。

完全修飾された記述子は、データオブジェクトを明確にするために必ずしも必要ではありませんが、データオブジェクトの識別を支援するために一般的な完全指定を示します。

<Total> データオブジェクト

<Total> データオブジェクトは、プログラムのデータオブジェクト全体を表すために使用される擬似的な構造です。あらゆるパフォーマンスメトリックスは、異なるデータオブジェクト (およびそのオブジェクトが属する集合体) のメトリックスとして加算されるほかに、<Total> という特別なデータオブジェクトに加算されます。このデータオブジェクトはデータオブジェクトリストの先頭に表示され、そのデータを使用してほかのデータオブジェクトのデータの概略を見ることができます。

<Scalars> データオブジェクト

集合体要素のパフォーマンスメトリックスは、関連する集合体のメトリック値に加算されますが、すべてのスカラー定数および変数のパフォーマンスメトリックスは擬似的な <Scalars> データオブジェクトのメトリック値にさらに加算されます。

<Unknown> データオブジェクトとその要素

さまざまな状況下で、特定のデータオブジェクトにイベントデータをマップできない場合があります。このような場合、データは <Unknown> という特別なデータオブジェクトと、次に説明するいずれかの要素にマップされます。