Oracle Solaris Studio 12.2: C ユーザーガイド

B.2.99 -xipo_archive=[a]

新しい -xipo_archive オプションは、リンカーに渡すオブジェクトファイル、-xipo を指定してコンパイルされたオブジェクトファイル、および実行可能ファイルを生成する前にアーカイブライブラリ (.a) に存在するオブジェクトファイルを最適化できるようにします。コンパイル中に最適化されたライブラリに含まれるオブジェクトファイルはすべて、その最適化されたバージョンに置き換えられます。

a には、次のいずれかを指定します。

表 B–27 -xipo_archive のフラグ

値 

意味  

writeback

実行可能ファイルを生成する前に、アーカイブライブラリ (.a) に存在する -xipo でコンパイルしたオブジェクトファイルを使ってリンカーに渡すオブジェクトファイルを最適化します。コンパイル中に最適化されたライブラリに含まれるオブジェクトファイルは、すべてその最適化されたバージョンに置き換えられます。

アーカイブライブラリの共通セットを使用する並列リンクでは、最適化されるアーカイブライブラリの独自のコピーを、各リンクでリンク前に作成する必要があります。 

readonly

実行可能ファイルを生成する前に、アーカイブライブラリ (.a) に存在する -xipo でコンパイルしたオブジェクトファイルを使ってリンカーに渡すオブジェクトファイルを最適化します。

-xipo_archive=readonly オプションを指定すると、リンク時に指定されたアーカイブライブラリのオブジェクトファイルで、モジュール間のインライン化と内部手続きデータフロー解析が有効になります。ただし、モジュール間のインライン化によってほかのモジュールに挿入されたコード以外のアーカイブライブラリのコードに対する、モジュール間の最適化は有効になりません。

アーカイブライブラリ内のコードにモジュール間の最適化を適用するには、-xipo_archive=writeback を指定する必要があります。これを行うと、コードが抽出されたアーカイブライブラリの内容が変更されることがあります。

none

これはデフォルト値です。アーカイブファイルの処理は行いません。コンパイラは、モジュール間のインライン化やその他のモジュール間の最適化を、-xipo を使用してコンパイルされ、リンク時にアーカイブライブラリから抽出されたオブジェクトファイルに適用しません。これを行うには、-xipo と、-xipo_archive=readonly または -xipo_archive=writeback のいずれかをリンク時に指定する必要があります。

-xipo_archive の値が指定されない場合、-xipo_archive=none に設定されます。

-xipo_archive をフラグなしで指定することはできません。