Oracle Solaris Studio 12.2: C ユーザーガイド

B.2.122.1 SPARC での最適化について

次の表は、SPARC プラットフォームでの最適化処理について説明しています。

表 B–33 SPARC プラットフォームでの -xO のフラグ

値  

意味  

-xO1

最小限の局所的な最適化 (ピープホール) を行います。 

-xO2

基本的な局所的および大域的最適化を行います。ここでは帰納変数の削除、局所的および大域的な共通部分式の除去、算術の簡素化、コピー通達、定数通達、不変ループの最適化、レジスタの割り当て、基本ブロックのマージ、再帰的末尾の除去、無意味なコードの除去、末尾呼び出しの削除、複雑な式の展開を行います。 

-xO2レベルでは、大域、外部、間接の参照または定義はレジスタに割り当てられません。これらの参照や定義は、あたかも volatile 型として宣言されたかのように取り扱われます。一般的 -xO2 レベルではコードサイズはもっとも小さくなります。

-xO3

-xO2 に加えて、外部変数の参照または定義も最適化します。ループの展開やソフトウェアのパイプラインなども実行されます。このレベルでは、ポインタ代入の影響は追跡されません。デバイスドライバをコンパイルするとき、またはシグナルハンドラの内部から外部変数を変更するプログラムをコンパイルするときは、volatile 型の修飾子を使用してオブジェクトが最適化されないようにする必要があります。一般的に -xO3 レベルではコードサイズが増大します。

-xO4

-xO3 に加えて、同一のファイルに含まれている関数の自動的なインライン化も行います。通常はこれによって実行速度が上がります。インライン化される関数を制御したい場合は、「B.2.96 -xinline=listを参照してください。

このレベルでは、ポインタ代入の結果が追跡され、通常はコードサイズが増大します。 

-xO5

最高レベルの最適化を行おうとします。この最適化アルゴリズムは、コンパイルの所要時間が長く、また実行時間が確実に短縮される保証がありません。このレベルの最適化によってパフォーマンスが改善される確率を高くするには、プロファイルのフィードバックを使用します。詳細は、「B.2.136 –xprofile=pを参照してください。