Oracle Solaris Studio 12.2: C ユーザーガイド

F.3 引数を渡す仕組み

本節では ISO C における引数の渡し方について説明します。

F.3.1 32 ビット SPARC

関数は integer 型の結果をレジスタ %o0 に返します。float 型の結果はレジスタ %f0 に、double 型の結果はレジスタ %f0%f1 に返します。

long long 型 整数は上位ワードは %oN 下位ワードは %o(N+1) というようにレジスタに渡されます。 レジスタ内の結果は同様の順序で %o0%o1 に返されます。

double および long double 型を除くすべての引数は 4 バイトの値として渡されます。double 型は 8 バイトの値として渡されます。先頭 6 個の 4 バイト値 (double を 8 と数える) は %o0 から %o5 までのレジスタに渡され、残りはスタック経由で渡されます。構造体の場合は、構造体のコピーが作成され、ポインタがそのコピーに渡されます。long double は構造体と同様に渡されます。

前述のレジスタは、呼び出し側から見えます。

F.3.2 64 ビット SPARC

すべての整数の引数は、8 バイト値として引き渡されます。

浮動小数点引数は可能なかぎり、浮動小数点レジスタに渡されます。

F.3.3 x86/x64

Intel 386 psABI および AMD64 psABI を遵守しています。

関数は次のレジスタで結果を返します。

表 F–21 型を返すために x86 関数が使用するレジスタ

レジスタ  

返される型  

int 

%eax 

long long

%edx%eax

floatdoublelong double

%st(0)

float _Complex

%eax (実数部) と %edx (虚数部)

double _Complexlong double _Complex

対応する浮動小数点型の 2 つの要素を含む構造体と同じ 

詳細は、http://www.x86-64.org/documentation/abi.pdfで AMD64 psABI についての説明を参照してください。

structunionlong longdoublelong double を除くすべての引数は 4 バイト値として渡されます。long long は 8 バイト値として、double は 8 バイト値として、また long double は 12 バイト値としてそれぞれ渡されます。

structunion はスタックにコピーされます。サイズは 4 の倍数バイトに丸められます。structunion を返す関数は、その structunion を格納する場所を指す隠された最初の引数に渡されます。

関数から戻ったあと、スタックから引数をポップするのは呼び出し側の責任です。呼び出された関数によってポップされる structunion の余分な引数を除きます。