Oracle Solaris Studio 12.2: C ユーザーガイド

B.2.45 -m32|-m64

コンパイルされたバイナリオブジェクトのメモリーモデルを指定します。

-m32 を使用すると、32 ビット実行可能ファイルと共有ライブラリが作成されます。-m64 を使用すると、64 ビット実行可能ファイルと共有ライブラリが作成されます。

ILP32 メモリーモデル (32 ビット int、long、ポインタデータ型) は 64 ビット対応ではないすべての Solaris プラットフォームおよび Linux プラットフォームのデフォルトです。LP64 メモリーモデル (64 ビット long、ポインタデータ型) は 64 ビット対応の Linux プラットフォームのデフォルトです。-m64 は LP64 モデル対応のプラットフォームでのみ使用できます。

-m32 を使用してコンパイルされたオブジェクトファイルまたはライブラリを、-m64 を使用してコンパイルされたオブジェクトファイルまたはライブラリにリンクすることはできません。

-m32|-m64 を指定してコンパイルしたモジュールは、-m32 |-m64 を指定してリンクする必要があります。「A.1.2 コンパイル時とリンク時のオプション」に、コンパイル時とリンク時の両方に指定する必要があるコンパイラオプションの一覧をまとめています。

x86/x64 プラットフォームで大量の静的データを持つアプリケーションを -m64 を使用してコンパイルするときは、-xmodel=medium も必要になることがあります。一部の Linux プラットフォームは、ミディアムモデルをサポートしていません。

以前のコンパイラリリースでは、-xarch で命令セットを選択すると、メモリーモデル ILP32 または LP64 が使用されていました。Solaris Studio 12 以降のコンパイラでは、このようなことはありません。ほとんどのプラットフォームでは、-m64 をコマンド行に追加するだけで、64 ビットオブジェクトが作成されます。

Solaris では、-m32 がデフォルトです。64 ビットプログラムをサポートする Linux システムでは、-m64 -xarch=sse2 がデフォルトです。

-xarch も参照してください。