この章では、Oracle Solaris Studio 12.2 のインストール時やアンインストール時に発生する可能性がある問題に対処する方法について説明します。
この章には、次の情報が含まれます。
Oracle Solaris Studio ソフトウェアへのシンボリックリンクを /usr/bin と /usr/man/share ディレクトリにインストールするように選択しており、TMPDIR 環境変数が、すべてのユーザーに書き込みを許可するディレクトリを指していない場合、GUI インストーラはインストールを完了できません。この状態の発生を回避するには、TMPDIR 環境変数を設定解除するか、すべてのユーザーに書き込みを許可するディレクトリに設定してからインストーラを起動します。
一部のシステムでは、GUI インストーラを起動するときに GNOME エラーが発生する場合があります。このエラーにより GUI インストーラを起動できない場合は、非 GUI インストーラを使用してください。
インストーラがインストールを完了することなく中断または終了した場合、ロックファイルが原因でインストーラを再起動できない場合があります。インストーラを起動するときに、インストーラのインスタンスはすでに実行されているというメッセージが表示される場合、/root/.nbi ディレクトリからのロックファイルの削除が必要になる場合があります。
Solaris プラットフォームでは、インストーラは、インストールした Oracle Solaris Studio 12.2 パッケージに関する情報を次の 2 つの場所に格納します。
Linux プラットフォームでは、インストーラは、インストールした Oracle Solaris Studio 12.2 パッケージに関する情報を次の 2 つの場所に格納します。
インストール済みパッケージのデータベース
/root/.nbi ディレクトリ
一部のパッケージが適切にインストールされていない場合、Oracle Solaris Studio ソフトウェアの使用時に問題が発生します。また、追加のコンポーネントのインストール時や、ソフトウェアのアンインストール時に問題が発生する場合もあります。
たとえば、インストールが完了する前にインストーラが終了した場合、アンインストーラ (uninstall.sh) がインストールディレクトリに表示されない場合があります。または、pkgadd コマンドを使用して任意のパッケージをインストールした場合、/root/.nbi ディレクトリ内の productregistry ファイルまたは product-cache ディレクトリが破壊される場合があります。この場合、アンインストーラではパッケージをアンインストールできません。パッケージを正しい方法で削除して、インストーラを再起動できるようにする必要があります。
すべての製品ファイルが削除される前にアンインストーラが終了した場合、アンインストーラを再度実行しても残りのファイルは削除されません。残りのファイルを正しい方法で削除して、製品のアンインストールを完了する必要があります。
製品をアンインストールするために、インストールディレクトリを削除しないでください。パッケージは 製品レジストリデータベースと /root/.nbi ディレクトリに依然として登録されているため、インストーラを実行できません。
su Password: root-password |
次のように入力し、Solaris Product Registry ツールを起動します。
/usr/bin/prodreg & |
ツールの左区画で、「未分類のソフトウェア」ノードを展開します。
Oracle Solaris Studio 12.2 が含まれているすべてのパッケージ名を選択して、「アンインストール」をクリックします。手順に従ってパッケージを削除します。
「終了」をクリックしてツールを終了します。
次のように入力して、/root/.nbi ディレクトリを削除します。
rm -r /.nbi |
su Password: root-password |
次のように入力して、すべての Oracle Solaris Studio パッケージを確認します。
rpm -q -a | grep solstudio12.2 |
次のように入力して、各 Oracle Solaris Studio 12.2 の rpm パッケージを削除します。
rpm -e package-name |
Oracle Solaris Studio 12.2 rpm パッケージには、たとえば solstudio12u2-cc-12.2-1 のように、サフィックス 12.2-1 が付加されます。Sun Studio リリースからパッケージを削除しないでください。Sun Studio リリースには異なるサフィックスが付いています。
次のように入力して、/root/.nbi ディレクトリを削除します。
rm -r /.nbi |
NFS マウント済みファイルシステムでインストールが失敗した場合、そのファイルシステムに対する書き込み権限を保有していることを確認してください。書き込み権は、次の手順を実行すると確認できます。NFS マウント済みファイルシステムでのインストール方法については、「NFS マウントのファイルシステムへのインストール」を参照してください。
次のように入力して、書き込み権があるかどうかを確認します。
touch /net/remote-system/opt/testfile |
エラーメッセージが表示された場合、書き込み権はありません。次に例を示します。
touch /net/harker/opt/testfile touch: /net/harker/opt/testfile cannot create |
書き込み権を持つ別のインストールディレクトリを選択するか、またはファイルシステムのアクセス権を変更するようにシステム管理者に依頼してください。
Oracle Solaris Studio 12.2 ソフトウェアをインストールすると、インストールセッションの記録を含むログファイルが自動的に生成されます。ログファイルは /root/.nbi/logs に書き込まれます。