dmake はコマンド行ツールであり、make(1) と互換性があります。dmake は、グリッド、分散、並列、または逐次モードでターゲットを構築できます。標準的な make(1) ユーティリティーを使用している場合は、dmake への切り替えに伴ってメイクファイルに変更を加える必要があるとしても、変更はわずかです。dmake は、make ユーティリティーの超集合です。make を入れ子にするときは、最上位 makefile が make を呼び出す場合に $(MAKE) を使用する必要があります。dmake はメイクファイルを解析し、並行して構築可能なターゲットを特定し、設定された多数のホストにそれらのターゲットの構築作業を分散します。
dmake は Solaris Studio IDE に統合されています。デフォルトでは、すべてのプロジェクトは dmake を使用して構築されており、並列モードで実行します。「プロジェクト」プロパティーでは、構築ジョブの最大数を指定できます。デフォルトで、dmake は並行して 2 つのジョブを実行します。つまり、多くのプロジェクトがマルチ CPU システムで、2 倍の速度で構築されます。
dmake の使用方法については、『分散メイク (dmake)』マニュアルを参照してください。
修正されたバグ: dmake は、長い内容の条件付きマクロを処理するときにコアをダンプしました。
修正されたバグ: DMAKE_OUTPUT_MODE の値が、実装 (TXT1/TXT2) とドキュメント (TEXT1/TEXT2 ) で異なっていました。dmake は、値「TEXT1」と「TEXT2」も受け付けるようになりました。
修正されたバグ: dmake -v は Linux で正しくないバージョンを出力しました。dmake は正しいバージョンを出力するようになりました。
修正されたバグ: Modula が考慮していた Modula コンパイラに対する有害な古いルールが、make.rules ファイルから削除されました。
修正されたバグ: KEEP_STATE モードでの dmake のメモリーリーク
現在 dmake は、Solaris Studio IDE に統合されています。つまり、デフォルトでは、すべてのプロジェクトが dmake を使用して、並列モードで構築されます。構築モードの変更または並列ジョブ数の変更は、IDE の内部から行うことが可能です。
メインメニューから、「ツール」->「オプション」を選択し、「オプション」ダイアログを開きます。
「オプション」で、左区画の C/C++ アイコンを選択し、右区画に C/C++ オプションを表示します。
右区画の「プロジェクトオプション」タブをクリックしてプロジェクトのオプションを表示し、「make オプション」を選択します。
-m parallel -j 24 と入力します。
「了解」ボタンを押します。
これで、すべてのプロジェクトは、最大 24 個の ジョブまで並行モードで構築されます。
-x SUN_MAKE_COMPAT_MODE=compatibility-mode コマンド行オプション
Solaris make との互換性のための -x SUN_MAKE_COMPAT_MODE=SUN (デフォルト)
POSIX make との互換性のための -x SUN_MAKE_COMPAT_MODE=POSIX
GNU make との互換性のための -x SUN_MAKE_COMPAT_MODE=GNU
同様に、SUN_MAKE_COMPAT_MODE 環境変数には、互換モードでの dmake の動作を指定する同じ 3 つのオプションがあります。
Solaris make との互換性のための SUN_MAKE_COMPAT_MODE=SUN (デフォルト)
POSIX make との互換性のための SUN_MAKE_COMPAT_MODE=POSIX
GNU make との互換性のための SUN_MAKE_COMPAT_MODE=GNU
UNIX 2003 準拠。dmake および Solaris 10 OS 付属の make ユーティリティーが、UNIX 2003 適合検査 (XPG5) に合格。
dmake が AMD64 アーキテクチャーで Sun Grid Engine をサポート。
AMD64 アーキテクチャーでシステム過負荷制御をサポート。
ログファイルに関する 2 つの形式オプションをサポートする DMAKE_OUTPUT_MODE 環境変数。オプションの 1 つは、並列ジョブの出力をシリアライズする形式で、ログファイルが見やすくなります。