このセクションでは、構成データが、最終的に特定のホストで実行している特定のアプリケーションのユーザー設定になるまで、どのように処理されるかについて説明します。
各ユーザーアプリケーションは、次のソースから構成データを受け取ります。
デフォルト構成データソース: アプリケーションのデフォルト設定を保存します。この構成データソースは、アプリケーションとともに配備され、配備後は、ほとんど変更されません。このデータソースの照会メカニズムおよび書式は、アプリケーションごとに定義されます。一部のアプリケーションは独自の方法を使用して構成データを保存しますが、それ以外のアプリケーションは構成データのための共有システム (GConf など) を使用します。
ユーザー構成データソース: アプリケーションのユーザー設定を保存します。このデータソースの照会 / 更新メカニズムおよび書式は、アプリケーションごとに定義されます。
プロファイル構成データソース: このデータソースは Sun Desktop Manager 1.0 によって提供されます。この構成データは構成リポジトリに保存されます。そのデータにアクセスするためのメカニズムは、Configuration Agent と構成アダプタによって提供されます。
ホスト上のユーザーのアプリケーション設定は、2 ステップで計算されます。つまり、プロファイル構成ツリーが構築されてから、構成データソースが結合されます。
プロファイル構成データは、特定ホストで実行されるユーザーアプリケーションの構成プロファイルを保持します。
組織の各組織単位がそのユーザーとともに構成リポジトリに階層的に保存されます。各ドメインコンポーネントも同様に保存されます。
構成プロファイルは、階層の要素に割り当てられます。要素に割り当てられた構成プロファイルは、その要素の子によって継承されます。
アプリケーションの構成データは、アプリケーションを実行するユーザーやアプリケーションが実行されるホストに依存します。
ユーザーに影響を与える構成設定は、ユーザー要素からそのツリーのルートまでのパスにある要素に割り当てられている構成プロファイルに依存します。ユーザーに対する構成設定のセットが作成されるには、これらのプロファイルがマージされる必要があります。
ユーザーのアプリケーションが実行されているホストに基づいてプロファイルを定義できるので、そのホストに割り当てられているプロファイル、またはそのホストからツリーのルートまでのパスにある要素のいずれかに割り当てられているプロファイルも、ユーザーに影響を与える構成プロファイルとともにマージされるようにします。

プロファイル構成の構築のために、次の規則が使用されます。
処理の順序: プロファイルがマージされる順序は重要です。最初に構成プロファイルのホストローカルセットが処理され、ホストグローバルセット、ユーザーローカルセット、次にユーザーグローバルセットと続きます。
セット内に複数の構成プロファイルがある場合、プロファイルに関連付けられている優先順位番号によってプロファイルの処理順序が決定されます。つまり、もっとも小さい番号のプロファイルが最初に処理されます。
属性と値: 属性は、「背景色」など、定義することができる構成の要素です。値は、属性「背景色」の値を「白」とするように、属性に割り当てることができる値です。
プロファイルに新しい属性を導入すると、マージされた構成ツリーにその属性と値が追加されます。
強制的として指定した値を属性に指定すると、マージされたツリーにその新しい値が保存されます。その他のプロファイルで発生するその属性の新しい値は無視されます。
処理されるプロファイルで新しい値が定義される場合、属性に値がすでにあるときは、新しい値がその属性に割り当てられます。
3 つの異なる構成データソースによって提供される構成データは、ユーザーアプリケーションが実行時に使用する設定の単一のセットとなるように結合される必要があります。
デフォルト構成のプロバイダによって提供される構成データが読み取られ、構成ツリーが構築されます。
プロファイル構成データが、クライアントアプリケーションのユーザーおよびホストに基づいて構築されます。
ユーザー設定が読み取られ、構成ツリーが構築されます。
3 つのツリーが 1 つに組み合わされることによって、アプリケーションが使用する構成設定になります。この処理中に従う規則は、プロファイル構成データの構築で使用される規則と同じです。
処理結果のツリーはアプリケーションアダプタによって使用されて、構成設定を提供します。